『SLAM DUNK』単行本、いま買うなら何版? 通常版・完全版・新装再編版の違いを解説

 映画版が大ヒットを続けているバスケットボール漫画の金字塔『SLAM DUNK』。映画の公開に合わせて単行本も売れ続けているが、連載当時に発売された通常版(全31巻)のほか、2001年3月から順次発売された「完全版」(全24巻)、2018年に発売された「新装再編版」(全20巻)があり、いずれを購入するか迷う人もいるだろう。

 Amazonの「本の売れ筋ランキング」を見ると、最も新しく価格も手頃な「新装再編版」が長く上位に食い込んでいる。全20巻の新品セットは13,255円で、「完全版」の24,624円と比較して買い求めやすい。

 通常版の新品全巻セットは13,299円でほとんど差がないが、表紙イラストが新たに描き下ろされており、背表紙・裏表紙まで大きく描かれているのがファンには嬉しく、通常版・完全版をすでに持っている読者も購入した大きな理由だ。話数ではなく物語の進行に合わせて巻数がタイトにまとめられているのも特徴で、「初試合・陵南戦1」( 3巻)、「シュート合宿」(14巻)などタイトルもわかりやすいので、好きなエピソードを振り返りやすい。

 一方、比較的高価格な「完全版」には、その理由がある。まずもってサイズがワイド版で通常版・新装再編版より大きく、連載当時、カラー原稿で掲載されたエピソードはそのままカラーになっているのが特徴だ。描き下ろしの表紙はキャラクターにフォーカスしたもので、背景も丁寧に描写された「新装再編版」とまた違ったカッコよさがある。現在、多くの名作の「完全版」が刊行されているが、そのルーツになったといえるのが『SLAM DUNK』だ。

 不思議なもので、連載時からのファンにとっては通常版を読むと懐かしさを感じるし、新装再編版を手に取ると新鮮な感覚がある。食事をしながらでも、外に持ち歩いても気軽に開ける通常版、本棚に美しく並べて、時間があるときにじっくり味わう完全版……のような形で、3形態全てを所有しているというファンも少なくないだろう。

 現在まで、『SLAM DUNK』はデジタル化されておらず、読み直すには上記の単行本を手に取る必要がある。描き下ろしのエピソードが追加されなくても、表紙が新しくなるだけで買いたくなるのはファンの心理で、今後も別形態が生まれる可能性はあるだろう。買い直しの必要がないデジタル版の展開も期待しつつ、新たに描き下されたキャラクターたちに出会えることも楽しみにしたい。

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