『乃木撮』シリーズ、なぜ乃木坂46写真集史上最大のヒット作に? アイドル写真集としての画期性を考察
乃木坂46の写真集『乃木撮 VOL.03』が、1月24日に発売されて以降、Amazonのタレント写真集ランキングで1位になるなど大ヒット中だ。『乃木撮』シリーズは、乃木坂46のメンバーがお互いの素顔を撮影したオフショット写真集で、過去2作の累計発行部数は50万部を突破、乃木坂46の写真集史上最大のヒットシリーズとなっている。
乃木坂46メンバーの写真集は軒並みヒットすることで知られており、卒業メンバーも含めると白石麻衣『パスポート』(講談社)、生田絵梨花『インターミッション』(講談社)、与田祐希『無口な時間』(光文社)、賀喜遥香『まっさら』(新潮社)などが、それぞれ20〜40万部超の記録的な売り上げを達成している。中村和孝をはじめとした一流のカメラマンが豪華ロケで撮影した作品が並ぶ中、『乃木撮』シリーズが引けを取らない人気シリーズとなったのはなぜか。その魅力を、アイドル写真集に詳しいライターのとり氏に聞いた。
「メンバーがメンバーを撮る。シンプルな構図ではあるけれど、ファンにとってこれほど特別な写真もないと思います。日々の行動を共にし、時に苦楽を分かち合うメンバー同士だからこその距離感は、どれほど腕利きのカメラマンであっても再現できません。メンバーしか立ち入れない神聖なる空間に、メンバーの目線でお邪魔させてもらっているような気持ちになれるのが、本シリーズ最大の魅力でしょう」
通常のグラビア撮影における「カメラマンと被写体」の関係性ではなく、普段は被写体となっているメンバーが写真を撮っていることも、彼女たちの魅力的な表情を引き出していると、とり氏は続ける。
「乃木坂46のメンバーに限らず、アイドルは基本的にはいつも「撮られる側」の人間で、『乃木撮』シリーズでは企画の中で一時的に「撮る側」に回っています。撮られる側の不安、よろこび、面白さを、お互いに理解しあいながらシャッターを切っているからこそ、「撮られる側」の安心感も格別。それぞれ純粋に楽しんで笑っているのが、写真からも伝わってきます」
魅力は親密感のある笑顔だけではない。アイドルという職業だからこその、ふとした瞬間の表情が見られるのも、本シリーズを特別な写真集にしているという。