女の園の星、スキップとローファー、デデデデ……今どき女子高校生の日常は漫画でどう描かれている?
『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(以下『デデデデ』)
2022年3月に最終巻が発売され、前述した作品と共にアニメ化が決定している『デデデデ』。地球滅亡が迫るなか生き残りをかけ奮闘するSF作品であるが、物語序盤においては女子高生である小山門出や中川凰蘭が同級生たちと共に過ごす日常が多く描かれる。
突如として東京都に巨大な空飛ぶ円盤や“侵略者”が襲来し日本中が大パニックとなった大災害から3年が経ち、空には飛行物体が浮かぶものの以前までの日常を取り戻しつつあった。小山たちも女子高生として恋愛に悩んだり、友人宅で遊んだりといった、わたしたちの住む現実世界とそん色のない日常を過ごしていく。
しかし彼女たちの姿が描かれる背景には物々しい雰囲気を放つ円盤が漂い、いつ再び災いが起こってもおかしくない状況にあることが感じ取れる。物語の中盤からは地球滅亡までの日数が明確に記され、彼女たちの日常が有限なものであることが強調される。ゆえに彼女たちの何気ない日常は刹那なものとして魅力的に映るのだろう。
本稿で挙げた作品のほか『あずまんが大王』や『日常』、『映像研には手を出すな!』も女子高生の日常が描かれる漫画として挙げられるだろう。『デデデデ』に限らず高校生として過ごす日常も有限なものである。繰り返すことのできない3年間であるからこそ、高校生活に多くの読者、多くの作家が価値を感じているのかもしれない。