『東京卍リベンジャーズ』ドラケンはなぜ人を惹きつけるのか? タケミチたちに示した、心の強さ

※本稿は『東京卍リベンジャーズ』第25巻のネタバレを含みます。

  今年、最も話題になった作品の一つといっても過言ではない和久井健先生の『東京卍リベンジャーズ』。同作の最新刊となる第25巻が先日12月17日、発売された。

 表紙を飾るのは「東京卍會」副総長のドラケンこと龍宮寺堅。圧倒的な喧嘩の強さはもちろん、どんな時も”人を想う”心の強さを持つ彼は「ひよってるやついる?」で今年一世を風靡したマイキーと並ぶくらい高い人気を誇るキャラクターだ。ドラケンがコミックスの表紙に登場するのは、2019年に発売された13巻以来で実に2年ぶり。13巻の時はカラフルなコートを纏っていたドラケンだが、25巻では繊細な模様が際立つブラックのスーツに身を包み、強いまなざしでこちらをまっすぐにみつめている。

最期の瞬間まで想い続けるのは

 中学時代に付き合っていた彼女・橘日向が殺される未来を変えるべく、主人公・タケミチがタイムリープを繰り返し不良グループの頂点を目指して戦う『東京卍リベンジャーズ』。長きにわたるタイムリープと戦いを経て日向を救うことに成功したタケミチだったが、24巻から突入した最終章では、今までタイムリープしてきた”12年前”ではなく”10年前”を舞台にタケミチはマイキーを「黒い衝動」から救うために奔走していく。

 タイムリープした10年前の世界では、マイキー率いる関東卍會、六波羅単代、梵という3つの不良グループがせめぎ合い、緊迫した状態が続いていた。10年前で再会を果たしたタケミチとドラケンは”マイキーを救う”という同じ目的のもと、梵に身を置くが六波羅単代に奇襲をかけられたタケミチを救おうとしてドラケンは銃弾に倒れてしまう。

 あまりにもショッキングな展開が待ち受ける25巻だが、ドラケンが自分の死を意識した時にタケミチに語りかけた言葉、そして彼が最期の瞬間まで想い続ける「東京卍會」と愛してやまないエマの存在......。この先は涙なしには読めない内容となっている。また、『東京卍リベンジャーズ』のコミックスはカバー裏に表紙とは別のキャラクターが描かれていることで有名だが、25巻はカバー裏にエマが登場する。

 「関東事変」で命を落としたエマ。以降、本編では2人の物語が描かれることはなかったが25巻ではきっと向こう側で再会を果たすであろう2人......。本編を読み終わってからカバー裏をめくると込み上げてくるものがある。

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