【漫画】秋を楽しむ2匹のたぬきに衝撃の展開が? Twitterで話題『秋とたぬき』がおもしろい

ーーほのぼのとした笑いを覚え、急展開に驚き、最後のページで安心を感じた作品でした。創作のきっかけを教えてください。

かっぱ子:漫画を創作するコミュニティに所属しているのですが、そこで「秋の味覚」もしくは「もみじの切ない思い出」というテーマで作品をつくるという課題が出たのです。どうせなら両方のテーマを満たすものを描こうと思い、作品をつくりました。

ーーたぬきを登場人物として描いた理由を教えてください。

かっぱ子:作品に人間を登場させないことを意識したからです。SNSで人の投稿を見るなかで、自分が悲しいときに楽しかった体験を目にすると、気持ちが苦しくなってしまい、自分が元気なときにつらかった経験を目にすると、悲しい感情を抱いてしまうことがありましたを感じていました。本作はSNSで公開するにあたり、だれが見ても疲れることのない、多くの人にとって読みやすい漫画を描きたいと思いました。

 人間が登場人物だと、良くも悪くも、自分とキャラクターを比較してしまうと感じています。しかし動物を登場人物にすることで、自分とは異なる世界の物語として捉えやすくなり、読みやすさを感じることができると考えたのです。

 親近感を抱くような人間らしさもありつつ、少し間抜けなたぬきを描くことで、読者にほっこりしてもらえるかと思い、登場人物として描きました。

ーー本作を創作するうえで苦労した点を教えてください。

かっぱ子:たぬきが人の言葉を話すというファンタジーな設定から、ハンバーガーや景色など1つひとつを丁寧に描かないと、世界観や設定がわかりづらい作品になってしまうと思いました。そのため、たぬきの動画やもみじの写真が載っている本を見るなど、写実的に描くことを意識しました。

ーー8ページのなかで笑いや哀しみなど、様々な感情を覚えた作品でした。本作を描くうえで意識した点を教えてください。

かっぱ子:たぬきが電子マネーでハンバーガーを買うなど、物語の前半はほっこりするようなお話なのですが、後半では少し真面目な展開になっていきます。後日談で読者によかったと思ってもらえるようにしたことも含め、ほのぼのという感情だけで終わらないよう、起承転結を意識してお話をつくりました。

 とくに後半の4ページは前半部分と同じ時間軸だと思わせておきながら、実は1年後のお話だったという衝撃を視覚的に演出したいと思ったので、7ページ目はカラーで漫画を描きました。不在を強調するために、たぬきがかぶっていた帽子も周りとは異なる青色にしました。

ーーかっぱ子さんはSNSで自身の体験を題材としたエッセイ漫画を投稿していると伺いました。投稿されたきっかけを教えてください。

かっぱ子:コロナ禍となってから自宅で過ごす時間が増え、暇を感じることが多くなってしまいました。絵を描くことが好きだったこともあり、家での時間を有意義に過ごすため、自分が少しつらいと思いながら勤めていたときの経験をエッセイ漫画として描き始めました。

ーーかっぱ子さんが投稿している「220人の会社に5年居て160人辞めた話」に込めた思いを教えてください。

かっぱ子:社会人になると、価値観が異なる人たちと一緒に働くことや、生活や考え方が変わることにストレスを覚える人が多いと思います。会社でつらいことがあった日の帰り道でも、クスッと笑える作品にしたいなと思います。

 また、この作品は事実をもとに描いていますが、登場人物のパーソナルな部分は極力出さないようにしています。登場人物の心象を描くことでキャラクターが際立ち、作品もより面白くなるのかもしれません。しかし作品にストレスを感じてしまう人も増えてしまうかと思い、読者がそこまで感情移入せず、淡々と読めるように、事象ベースで作品を描くことを心がけています。

 「ブラック企業」を漫画の題材としていますが、作品を通じて自分がつらかったと声に出したいわけではなく、誰かを責めたいわけでも、社会に対して問題提起をしたいわけでもありません。働いていたときの自分を等身大のまま描くことで、こんなこともあるよねと思ったり、かっぱ子はこんなことを思っていたよなと思い出したり、明日もがんばろうと少し前向きになれるような作品になれたらうれしいです。

■関連情報
かっぱ子さんのTwitter:https://twitter.com/kappacooooo
「220人の会社に5年居て160人辞めた話」はこちら:https://twitter.com/kappacooooo/status/1383301214134177795

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