「ゴムゴムの実」はなぜ重要なのか? ワンピース研究家が考察する、秘められた可能性

エネルが表紙に登場した『ONE PIECE(30)』

「空島編でエネルが持っていた「ゴロゴロの実」の能力は、最強の能力のひとつとされていましたが、ゴム人間であるルフィには効かず、エネルの天敵と見做されました。このような形で、ゴムの性質がなにか強大な力に対する抑止力となる可能性から、世界政府は「ゴムゴムの実」を重視していたのかもしれません。古代兵器にもまだ謎が多く残っているので、復活した際の対抗策として世界政府が手中に入れたがっていたという可能性もありうると思います。

 あるいは「ゴムゴムの実」の前任者が重要人物ーーたとえばロジャーやロックスなどーーだったために、世界政府が危険視している可能性も捨てられません。しかし一方で、シャンクスたちがなぜ、そんなに重要な実を食べたルフィをそのまま放っておいたのかという謎も残ります。また、これまでのルフィの冒険で、海軍が「ルフィはゴムゴムの実の能力者だから特別だ」といった描写がないのも不思議です。特にフーズ・フーがかつて所属していたCP9とはルフィもエニエス・ロビーで対峙しています。CP9側としても「ゴムゴムの実」はある意味、因縁だと思うのですが、特別視している様子はありませんでした。「ゴムゴムの実」の重要性は、本当に一部の人物しか知らないトップシークレットなのか、それとも重要だからこそ、ルフィは放っておかれたのか……」

 考えれば考えるほど、「ゴムゴムの実」の謎は深まるばかりだ。ちなみに、「悪魔の実はふたつ食べると体が爆破して死亡するとされているが、ゴム人間は体内で爆発があっても平気なので、ふたつ以上の実を食べられる」や「最凶と謳われる能力のひとつである「ヤミヤミの実」と同じ色になっているのは、同じ木になっていたから」などの説も囁かれているという。

 いずれにしても、第1話から登場している「ゴムゴムの実」について、単行本が100巻に届こうとするタイミングで新たな謎が提示されるとは、改めて『ONE PIECE』という作品のスケールの大きさに驚かされるばかりだ。

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