【漫画】仲良しのママ友が突然失踪した理由は? 手塚治虫文化賞短編賞『消えたママ友』野原広子が受賞コメント

 2021年の手塚治虫文化賞短編賞を受賞したのは、コミックエッセイの『消えたママ友』と『妻が口をきいてくれません』の2作を手掛けた野原広子だった。

 自分の身近に起こったことを題材にセミフィクション・コミックエッセイを描いている野原。『妻が口をきいてくれません』では、夫への不満が頂点に達し、夫を無視するに至った妻を描きSNS上で議論となった。そして仲良しのママ友が突然失踪し、噂が噂を呼ぶ『消えたママ友』でも発売直後、SNS上でタイトルがトレンドワード入りを果たした。

 母親業をこなす多くの女性が、感じていたけれども口に出せずにいたザラッとした感情をゆるく可愛いイラストで表現。手塚治虫文化賞短編賞の選考委員からは、そのイラストと話の内容のギャップも高く評価された。

 リアルサウンド ブックでは、今回の受賞を受けて野原より寄せられたコメントを掲載。加えて、暗雲の立ち込める第1話の冒頭をお届けする。幸せそうだったママ友の“有紀ちゃん”は、息子の“ツバサ君”を置いてどこへ行ってしまったのかーー。

野原広子コメント

このたびは手塚治虫文化賞短編賞をありがとうございます。
これまで自分に描ける主婦やママ友という世界をただコツコツと描いてきたつもりでしたが、思いがけず大きなご褒美をいただいて本当に嬉しいです。
家庭や生活の中に生まれたザワザワした感情は読む方の置かれた状況によって受け止め方がそれぞれ違っていて”読み手がいての作品”だとしみじみ感じています。「消えたママ友」を描いている途中で私自身も消えた(離婚)経験をしたのですが、これからは主婦という立場からはまた別の視点で作品を描いてみたいと思っております。

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