『呪術廻戦』禪院真希&真依の関係性はなぜ共感を誘う? 強く美しい双子姉妹の溝

 真依が真希に突っかかっていた理由を簡単に言い表すと、寂しさの裏返しだ。平凡な毎日を大切にしたかった真依に反して、真希は不安を物ともせず、呪力がないことを障壁にもせず、ずんずんと未来へ突き進んでいってしまった。自分だけが置いていかれたように感じたり、現状維持を良しとする自分が暗に責められているように思えたり、その状況に耐えられなかったのだろう。「なぜ自分を置いて禪院家を出たのか」と、真希にきつく当たっていたのだ。そんな真依の心情は、「なんで一緒に落ちぶれてくれなかったの?」という台詞に詰まっている。「おちこぼれ過ぎて気づかなかったわ」と言った真依が、自分が落ちこぼれだと認めたに等しい台詞ではないだろうか。それ以降の2人がガッツリ絡んでいる場面が出てきていないため真相はわからないが、これを機に今までのわだかまりは解けた、と推測される。

 『呪術廻戦』に出てくる呪術師たちは、(漫画ゆえ当たり前だが)人間であるにも関わらず人間離れしすぎている人物ばかりだ。だからこそ、こういった人間味溢れる心情と背景を知れたことで、禪院真希、真依というキャラクターにより感情移入できるようになったはずだ。いつの日か真依が構築術式で生み出した呪具を使って、真希が戦う……という妄想も捗るというものだ。禪院家の跡継ぎ騒動が始まった今、再び真希・真依姉妹の登場に期待したい。

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