『呪術廻戦』禪院真希&真依の関係性はなぜ共感を誘う? 強く美しい双子姉妹の溝

 作品全体の流れはもちろん、章ごとのストーリーも魅力的である『呪術廻戦』。吉野順平が登場する「幼魚と逆罰編」や、五条悟と夏油傑らの高専時代が描かれた「過去編」などが人気を集めているが、「交流会編」の中で描かれた、禪院真希と真依の関係を描いたストーリーもグッとくる。

 真希は主人公・虎杖悠仁の先輩にあたる、東京都立呪術高専の2年生。呪術界の御三家のひとつ、禪院家の出身だが、呪いを見ることも術式を使うこともできない。普段からかけている特殊な眼鏡を通さないと呪霊を見る事ができず、戦いの際には呪力がこもっている呪具を使う。その代わり、天与呪縛により人間離れした身体能力を有しており、武具を使った体術に優れている……というキャラクターだ。

『呪術廻戦』(5巻)

 そんな真希の双子の妹が、呪術高専京都校の2年生にいる禪院真依だ。彼女は呪力を持っているものの、使える術式は自分の呪力をもとに物質を0から構築する「構築術式」。そのため、リボルバー式の銃を武器としており、分かりやすく弾数でブラフを張り、構築術式で弾を作って相手の不意をつくという戦い方をしている。ただ、構築術式で作り出した物質は術式使用後も消えることがないため、呪力の消費が激しい。現在の真依には、1日1発の弾丸を作るのが限界というデメリットもある。

 そんな2人の間には明らかな亀裂があった。交流会前、真依が東京校にやってきて釘崎野薔薇とやりあっている最中、真希が登場すると開口一番「おちこぼれ過ぎて気づかなかったわ」と言い放っていた。真希は「おちこぼれはお互い様だろ」と意に介していない様子であったが、“仲が良い双子の姉妹”ではないことは明らかだ。例えば『BLEACH』の四楓院夜一と砕蜂のように、漫画の世界の中にはままある設定だが、2人の間に何があったのかわからないからこそ、この亀裂が気になっていた。その背景が、第42話「京都姉妹校交流会ー団体戦9ー」で明らかになったのである。

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