安田章大は「本気の独り」を経験しているーー写真集『LIFE IS』が伝える、生きることの尊さ

本気で独りになった時 死ぬほど弱い自分に気づいた
孤独は辛いさ なんて知ったような顔してた
たまには挫折して立ち止まる日もある
それが人生なのかと少し気付いた
遠回りでもいいから
蛇行しながら歩いていきたい

病室にて

 安田の言う「本気の独り」とは、生死に関わる位置に立ち、頼れるのも、信じられるのも、全て自分だけという状況のことだろう。そして、そこに立ったことがある安田だからこそ感じられる思いだ。筆者は普段あまり人と関わることが好きではなく、一人でいることに辛さを感じることはほとんどない。だが、この文を読んで、ハッとした。本気の独りになったことがない自分は、想像しているよりも弱いのかもしれない、と。今の自分は“知ったような顔”をしているだけだと身に沁み、自分の在り方を見つめ直すきっかけをもらうことができたのである。

 『LIFE IS』は、「(病気の経験を)届けないでどーする??」という安田の言葉のとおり、彼が経験したこと、考えたことが伝わる一冊であった。「アイドルの写真集でしょ?」と侮るなかれ。ページを開くたび目に飛び込んでくる、自然の風景と安田の美しさ、強さに驚愕することになる。読者の中にはこの一冊を期に、自分と向き合い直した人もいるのではないだろうか。そして、コロナ禍で辛い思いをしている人が多い今だからこそ、まだ手に取っていない方、ファンではない方にも一読してみてほしい。

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