葛西純自伝連載『狂猿』第13回 相次ぐ膝のケガとホテルで体験した心霊現象


 この時はさすがに考えた。こんな短い間に何度も負傷して、欠場ばかりして、これはもう体がついていってない。実はこの時も手術を進められたんだけど、メスを入れたらまた1年ぐらい欠場しなきゃいけないから、手当だけしてもらうことにした。でも、体はボロボロだし、バイトが本業みたいになってるし、生活もキツい。そろそろプロレスに見切りをつける頃かもしれない。

 ただ、オレっちにはやり残してることがある。伊東竜二とのシングルだ。その舞台はタイトルマッチ、ということにこだわってたけど、そんな状況が整うのも待ってられない。もうベルトもいらないから、とにかく伊東とシングルをやって、それですっぱりプロレスを辞めようと思った。

■葛西純(かさい じゅん)
プロレスリングFREEDOMS所属。1974年9月9日生まれ。血液型=AB型、身長=173.5cm、体重=91.5kg。1998年8月23日、大阪・鶴見緑地花博公園広場、vs谷口剛司でデビュー。得意技はパールハーバースプラッシュ、垂直落下式リバースタイガードライバー、スティミュレイション。twitter
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