【対談】モノブライト 桃野陽介×フラワーカンパニーズ 鈴木圭介 15年ぶりの共演、バンドを続ける意味を語り合う

モノブライト×フラカン フロントマン対談

 活動休止から8年、2025年7月に新ドラマー・岩中英明が加入した4人で本格再始動、東京や大阪でのワンマンライブ、新曲の発表など、精力的に活動してきたモノブライトは、2026年5月から対バンシリーズ『SECOND PRIMAL』をスタートさせている。このテキストがアップされる時点で、5月29日Shibuya eggman(ゲスト:渡會将士)、7月16日Shibuya eggman(ゲスト:モーモールルギャバン)、9月4日渋谷WWW(ゲスト:POLYSICS)の3本が終了、今後は10月16日恵比寿LIQUIDROOM(ゲスト:フラワーカンパニーズ)、10月24日大阪BIGCAT(ゲスト:Have a Nice Day!)の2本が控えている。

 リアルサウンドでは、モノブライト・桃野陽介とフラワーカンパニーズ・鈴木圭介の対談企画を組んだ。以下、旧知の仲でもあるふたりの、2026年の会話をお届けする。(兵庫慎司)

「フラカンさんはすごいな」って。バンドを続けることのすごさを年々思います(桃野)

――昔、よく対バンしてたんですよね。

鈴木圭介(以下、鈴木):そう。地方が多くて、東京ではやってないかもしれない。

桃野陽介(以下、桃野):ツアーに呼んでもらったり、僕らがオファーしたり。デビューの頃からフラカンさんとやらせていただいていて、節目で対バンをしてる記憶があるんですよね。衣装を白ポロ(シャツ)にした時に対バンして、その次は白ポロを脱いだ時に対バンして。あとは、使っている練習スタジオがたまたま一緒だったりとか。

鈴木:ああ、よく会ってたよね。

――モノブライトのメジャーデビューって何年でしたっけ?

桃野:2007年です。

――フラカンのメジャー復活が2008年だから、じゃあほぼ同じなんですね。

桃野:その時に僕は、フラカンさんのアルバム『たましいによろしく』をすごく聴いていて。ライブで「この胸の中だけ」を歌われると、涙が止まんない現象が起きるんです。ライブを観たいのに観れなくて……自分が歌えなくなるので。だから、ステージ袖でかすかに聴こえるぐらいの状況を作るようにしていたんですけど、それでも泣いてましたね。

――あの曲の主人公、中年じゃないですか。桃野さんは当時、まだデビューしたばかりだったのに――。

桃野:でも、なんて言うんですかね、バンドマンの葛藤が描かれているというか。バンドマンとして生きていく中で、やっぱり普通に生きていく人と違う劣等感みたいなものが僕にもあったんですよね。音楽をやっていることで、社会と乖離していく感じというか。そういう時にあの歌を聴くと、すごく励まされるし、「お前、好きでやってんじゃないのかよ!」という背中の押され方をして、ハッとするという。

鈴木:ああ、いろいろと思い出してきた。当時、桃野くんと会うたびに「いっつも悩んでるよなあ」って思ってた。

桃野:(笑)。毎回悩んでますよ!

鈴木:衣装を変える時とかも、いつもスパッといかないというか……。打ち上げで喋ってて、その話をした時も歯切れの悪い回答だった気がする(笑)。

桃野:そんな時に「この胸の中だけ」を聴いて、励まされて。しかも、僕らも専門学校の同級生で始めたバンドなので……フラカンさんも同級生ですもんね?

鈴木:うん、中学と高校のね。

桃野:そういう憧れも強かったんですよ。フラカンさんみたいにメンバーを替えずに「バンドを続ける」っていう目標が、デビューの時はあって。でも、途中でドラムが抜けちゃって。やっぱりバンドって、理想通りに続けられるもんじゃないっていうのを、身に染みて感じたんですよね。そうはいかない状況が立て続けに起こることもある。だから、そういう出来事が起こるたびに「フラカンさんはすごいな」って感じていました。バンドを続けるっていうことのすごさを年々思いますよ。同級生で始めて、阿吽の呼吸でずっと続けていくなんて。圭介さんは、メンバーのみなさんとは普段会話しますか?

鈴木:世間話はしなくなったかな。挨拶もぼそっとだね。みんな静かにセッティングしてる(笑)。アレンジの話は、もちろんするけどね。

桃野:わかります(笑)。ずっと続けていくと、喋んなくてもいいというか。それは好き嫌いじゃなくて、信頼だと思うんです。

鈴木:楽屋に独特のムードがあるよね、長くやってるバンドは。

桃野:そうなんですよね。むしろ、対バンの人と喋る。

鈴木:そうそう。で、4人とも、なんとなく距離を空けて荷物を置く(笑)。

モノブライト・桃野陽介(撮影=池村隆司)
モノブライト・桃野陽介

桃野:(笑)。僕、圭介さんに聞きたかったのが、同級生のバンドだとメンバー間のバランスみたいなものはどうなってるんだろう、と。僕ら、去年新しく入ったドラムも同級生で。同級生同士のバンドって、あらためてどうですか?

鈴木:難しいよねえ。同級生ならではのいい部分もあるけどね、価値観のすり合わせが最初からできている、とか。「こういうヤツだから」って理解しているから、楽な部分はある。でも、バランスが一緒のままだからね。高校デビューができないんだよ。

桃野:高校デビュー?

鈴木:中学から高校に行ってバラバラになると、急にキャラを変えたりできるでしょ?

桃野:はい。

鈴木:同じバンドで同級生でずっと一緒だと、それがなかなかできないんだよ。みんなで一緒に成長しないといけない。誰かひとりが急に伸びたりすると、バランスが崩れちゃうんだね。ひとりが新しい音楽をガンガン聴き始めると、価値観がズレてくる。そうすると、新しい音楽を全然聴いてないメンバーに対して、「勉強不足!」みたいな感じになったりして。

桃野:ああ、なるほど。

鈴木:時間が経つと、また元に戻るんだけど。そういうのでイライラしたりする時期も昔はあったね。

桃野:そっか。それで言うと、モノブライトの中で音楽は僕がいちばん詳しい。作詞・作曲も僕、楽器はメンバーで、みたいな。専門学校時代、メンバーはそれぞれ別のバンドをやっていたので、最初は僕とサポートメンバーで始まったんですよ。

鈴木:最初から棲み分けがあったんだね。

桃野:それでも僕、当時はメンバー間のバランスのことばっかり気にしていて。同級生って平等だから。

鈴木:難しいよね。今はないけど、20代の時、俺が悩んでたのは……バンドだからメンバーチェンジなんて普通にあることじゃん。でも、俺たちの場合は、もしメンバーの誰かに「ごめん、やめてくれ」ってなった場合、同窓会に行けなくなっちゃうわけよ。

桃野:はははは!

鈴木:自分からやめたならいいけど、やめてもらった場合、やめたメンバーか、やめさせたメンバーが昔の仲間と繋がれなくなる。だから、メンバーを替えるとしたら覚悟も必要、名古屋の歴史を断ち切る覚悟を――。

桃野:重すぎる!

鈴木:(笑)。実際にそういう動きはなかったけど、もしそういうことが起きた場合、名古屋を捨てることになるなあ、って。

フラワーカンパニーズ・鈴木圭介(撮影=池村隆司)
フラワーカンパニーズ・鈴木圭介

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