ROTTENGRAFFTY×藤田晃生:“道なき道”を我が道にするパンク精神 バンドとプロレスに通ずるリスペクト、入場曲の秘話

結成25周年を記念した8thアルバム『わびさび』から1年半。ROTTENGRAFFTY(以下、ロットン)が新日本プロレス所属のプロレスラー・藤田晃生の入場曲として書き下ろした「Japanese Young Punk」をデジタルシングルとしてリリースした。オーケストラルとも言える荘厳なイントロを持つロットンらしい、このラウドロックナンバーは、藤田選手とロットンのリスペクトの結晶であると同時にロットンが新たに立ち上げたレーベル GER(GOLD EXPERIENCE RECORDINGS)からのリリース第1弾でもあるということが重要だ。今回リアルサウンドでは、ロットンのN∀OKI(Vo)・NOBUYA(Vo)と藤田選手による対談インタビューが実現。アティテュードとしてのパンクという共通点を持つ藤田選手を迎え、「Japanese Young Punk」について語るN∀OKIとNOBUYAの言葉から、自ら〈道なき道〉を選んで進み続けるロットンの意志はもちろん、現場で戦い続ける3人の気概を感じ取っていただきたい。(山口智男)
「トラッシュトークには思えなかった」 ロットンが藤田晃生から感じた“リアル”
――そもそも藤田選手とロットンはいつ頃、どんなきっかけで出会ったんでしょうか?
NOBUYA:実際に出会ったのは、昨年、藤田くんのドキュメンタリー(『【新日本プロレス】NEW HEROES #5 藤田晃生【ドキュメンタリーシリーズ】』)で対談した時だったんですけど、僕は小学生の頃からずっとプロレスが大好きだったから、藤田くんのこともヤングライオン時代から知ってたんです。
――つまりデビュー間もない頃から知っていた、と。どんなところに注目していたんですか?
NOBUYA:いわゆるトラッシュトーク(会見や試合中にダーティな言葉で対戦相手を挑発し、心理面を揺さぶること)ってあるじゃないですか。それまで僕の中でしっくり来てる選手ってあまりいなかったんですけど、藤田くんが出てきた時、「めっちゃリアルなことを言ってんな。ほんまに腹立ってるんやろな」って。先輩のレスラーに対して、ひきずり下ろしてやるって思ってることがすごく伝わってきて、「うわっ、おもしろい選手が出てきた」って思ったんです。そしたらある時、藤田くんが僕のXをフォローしていることにたまたま気づいて、なんでなんやろと思いながら僕もフォローを返したんです。しばらくして、新日本プロレスから「藤田選手がロットンと対談したいと言っているんですけど、どうですか?」ってお話をいただいて。
藤田晃生(以下、藤田):僕のドキュメンタリーを作ってもらえることになって、その中の対談コーナーで「誰に会いたいですか? 候補を挙げてください」って言われたので、ROTTENGRAFFTY一択でお願いさせてもらったんですよ。
NOBUYA:それで「ぜひぜひ」ってお返事して、対談の収録で初めて対面しました。

――藤田選手は元々、ロットンのファンだったわけですね?
藤田:そうです。動画をバーッといろいろ観ている時、たまたま見つけて「すごいライブをする人たちがいる!」ってびっくりしたんです。最初に聴いた曲が「金色グラフティー」だったんですけど、そこからどハマりしました。
――それはいつ頃だったんですか?
藤田:まだ若手でやってた時だから、4年か5年ぐらい前かな。
――じゃあ、NOBUYAさんがすごい若い選手がいると思ったのと同じぐらいですか?
NOBUYA:そうかもしれない。とにかくすごかったんですよ。その時の新日のジュニアヘビー級戦線って結構盛り上がっていて、また新人順位がおもしろくなってきた時に、試合を終えたばかりの藤田くんが目をギラギラさせて、「俺が来たからには全員引きずり下ろしたる」「全員やっつける」みたいなことを言っているのがトラッシュトークには思えなかったというか。リアルなものに見えたので、すごく印象に残ったんですよ。
N∀OKI:その対談のお話をいただいた時、NOBUYAが「俺らに合ってる」みたいなことを言ってたんです。ロットンの今の立ち位置として、“ヒールやけど、ヒーローでもある”みたいな藤田くんの立ち位置がたぶんハマるみたいなことを。それで対談しにいったわけですけど、会うまでは「むちゃくちゃなヤツなんやろうな」と思ってたら、ものすごく丁寧な人で。
NOBUYA:そやな。確かに。
N∀OKI:ほんで、対談している最中にNOBUYAが「入場曲を作らせてくれ」って言い出したんですよ。今思えば、よう言ったな、さすがだなって思いますけど、藤田くんもその場で「いいんですか。ぜひ!」って言ってくれて、そこからすぐに作り出したんですよ。
藤田:あの時、「入場曲を作らせてくれ」って言ってもらえて、すごく嬉しかったんですよ。
NOBUYA:でも、こちらとしてはびっくりですよ。今、新日の社長やっている棚橋弘至さんがロットンのことを好きって言ってるよっていうのは結構よく耳にしていて、すげえ嬉しいと思ってたんですけど、まさか自分が注目していたプロレスラーが自分らの音楽を聴いているなんて思っていなかったんで。他にも好きなバンドはいっぱいいて、対談の話がコケて、コケて、最後に僕らに回ってきたのかなとも思ったんです。でも、最初からロットン一択でお願いしましたって言ってくれて嬉しかったですね。
最初の対談が決まってから、改めてYouTubeで観られる藤田くんの試合とか、バックステージで言ってた言葉をチェックしてるうちに、俺が入場曲を作りたいって思ってしまったんです。もちろん、そんなことを言ったらあかんやろうなと思ったんですけど、こういう入場を藤田くんにしてほしいっていうイメージがあったから、新日のスタッフの方に聞いたんですよ。「対談中にそんなことを言っても大丈夫ですかね」って。そしたら、「喜ぶと思いますよ」って言ってもらえたんで。
藤田:いや、実は、僕も入場曲を作ってもらえませんかって言おうかなと思ってたんですけど(笑)、言っていいものかどうかわからなかったから、逆に言っていただけて嬉しかったですよ。

――相思相愛ですね。すでにイメージはあったということですが、僕らが今耳にしている「Japanese Young Pun」がそうだったんですか?
NOBUYA:そうです。僕は日本のプロレスも大好きなんですけど、海外のプロレスを観ていると、あくまでも試合内容を重視する日本のプロレスと違って、入場にめちゃくちゃ時間と予算をかけてるから、その時点でおもしろいんですよ。そういう海外のプロレスのいいところと、日本のプロレスのいいところを1つにしたような曲にしたいと思って。「Ahhhh」っていう歌声から始めたのと、歌詞も嘘がないようにしたかったから、藤田くんがバックステージでどんなことを言っているのか全部書き出して、その言葉を元に書きました。
――藤田選手に、どんな曲がいいか尋ねなかったんですか?
NOBUYA:一切聞いてないです(笑)。
藤田:自分を好きな人が作ってくれるものなので、何の不安もなかったし、早く送ってくれないかなって思ってましたけど(笑)、デモを聴いた瞬間、ぶち上がりました。
NOBUYA:この曲、サビとBメロはN∀OKIが作ってるんですけど、これまで長いことロットンをやってきて、N∀OKIと僕で1曲を共作するって初めてなんですよ。
N∀OKI:あともう1人、ギターのMASAHIKOと3人で作ったんです。
NOBUYA:あ、そうそう。こういう曲にしたいっていう構想をMASAHIKOに伝えて、具現化してもらったんです。
N∀OKI:3人で曲を作るのは初めてやったんですけど、今のロットンをすごくいいバランスで表現できたって思います。
NOBUYA:N∀OKIが「サビは俺が作りたい」って言い出した時、すでにサビまで考えてたからどうなんやろうと思ったんですけど、それもおもしろいかなと思って、N∀OKIに投げてみて。そしたら戻ってきたサビが僕からしたら全然違うイメージやったから、自分の発想と自分にはない発想が合体して、おもしろい曲になったって思いましたね。
――N∀OKIさんはなぜサビを作りたいと思ったんですか?
N∀OKI:いや、「曲を作るんだったら、俺も!」みたいな。単純にそれですね。だって、俺も対談に行ったんだから、そりゃ関わるでしょって言うか、ROTTENGRAFFTYの曲なんだから、じゃあ俺にサビ作らせてくれって。それだけのことですよ。



















