GANG PARADE THE LAST ROAD Vol.8:ココ・パーティン・ココ「アイドルに未練はないです」 “運命”への導き、生涯の宝物

2026年、GANG PARADEは解散する。その事実を前にして、彼女たちは今何を思うのか――。「信じたくない」といまだに思っているかもしれない。もうずっと前から終わりを覚悟していたと思っているかもしれない。あるいは、ただ静かに、胸の奥に何かが積もっていくのを感じているだけかもしれない。その最後の心の機微をリアルサウンドは全力でキャッチしようと思う。最初で最後のGANG PARADEメンバーのソロインタビュー連載をここに始める。撮影のために、メンバーにはいちばんお気に入りの衣装、いちばん思い出深い衣装をそれぞれに選んでもらった。インタビューの最後には、GANG PARADEの衣装をすべて手がけてきた外林健太のコメントも掲載する。最後の道を歩く11人の声、思いをここに刻んでいこうと思う。
第8回目は、ココ・パーティン・ココ。ココ・パーティン・ココの人生の方向は、ファンとしてBiSを愛し始めた時に決まった。(スキーで雪山を猛スピードで駆け下りる感覚に喩えてくれてたが)「生きている!」という感覚と同じものをBiSのライブで感じたという。そして、BiSになりたかったのだ、と。だからBiSHのオーディションを受けた。しかし、落ちた。第2期BiSのオーディションも受けた。また落ちた。その後BiSのオーディションの落選者たちで結成されたSiSのメンバーになったが、デビューライブをやり遂げたその日に解散を告げられた。ついに居場所を失った。それでも諦めなかったのが、彼女の強さである。
そんな不運とも言えるなかで加入したGANG PARADEは、彼女にとっては「入れさせてもらったグループ」という感覚を抱えたまま始まった場所である。そうして、人生でいちばん大切なものになるまでなっていく、その10年の物語を聞かせてもらった。ずっと前からココは強かった。でも、今がいちばん最強のココであり、いちばん最強のGANG PARADEなのだ――。あらためてそう思わせてくれるインタビューになったと思う。メンバーの脱退、グループの分裂……混乱も確信もすべてを経て11人のGANG PARADEはラストツアーをひた走っている。今の11人の状態で走り切ることが、GANG PARADEをみんなのなかで宝物として輝き続けることになるという確信、そして“生”の感覚を求めてステージに飛び込んだひとりの少女が10年間の末に出した結論のすべてを、じっくり見つめてほしい。(編集部)
BiSから始まったアイドル道「人生のなかで出会うべきものに出会えた感覚」
――7月18日生まれ。愛知県名古屋市出身ですね。
ココ:はい。母子家庭で育ちました。ひとりっ子です。
――お母様は元モデルさんでしたっけ?
ココ:そうです。その後、自営業です。女手ひとつで育ててくれていました。
――人生最初の記憶として思い浮かべることはありますか?
ココ:生後数カ月とかのときだと思うんですけど、おばあちゃん家の洗面台で身体を洗われているところ。おじいちゃん、おばあちゃんとか、家族数人に見守られてました。
――幼少期は、どんな子どもでした?
ココ:今のままです。陽気だったし、写真でも変顔をしてたり(笑)。学校に入ってからもクラス委員とかをずっとやっていたり、応援団長をやったりして。行事も学校もめっちゃ好きだったので、今でも地元に帰ると学校の友達と会います。
――一貫校に通っていたんですよね。
ココ:はい。小学校から大学までずっと同じ学校でした。
――勉強は得意でした?
ココ:勉強は好きじゃなかったです。部活も行ったり行かなかったり。
――何部?
ココ:スキー部です。夏はインラインスケートの大会に出たりしていましたけど、そんなに真剣にはやっていなかったです。部活に打ち込むよりも友達と遊んだり、好きなアイドルの現場に行ったりしいてました。最初は男性アイドルが好きになって、その後にAKB48さんとかが好きになりました。SKE48さんも好きでした。毎日、学校帰りにサンシャイン栄の劇場に行っていましたね。
――WACKのグループには、どのようにして出会ったんですか?
ココ:SKEさんの現場に行っていた時に仲良かったおじさんが、旧BiSの研究員(BiSのファンの呼称)をやっていて。テンコちゃん(テンテンコ)が加入してすぐくらいの時に「かわいい子がいるんだよ」と言われて、BiS階段(BiSと非常階段のユニット)のCDを貰ったんです。それが衝撃すぎて。おじさんにインストアイベントに連れて行ってもらい、そこからBiSにハマりました。
――ハマったのは、第1期BiSの終盤ですね。
ココ:はい。解散するまでの1年半くらいでした。BiSが名古屋にきたときは現場に行って、『BomberE』(名古屋テレビ)のBiS最後の音楽番組出演の時にも収録スタジオに行きました。私、めっちゃ映ってるんですよ(笑)。横アリの解散ライブも行きました。
――BiSのどのようなところに惹かれたんですか?
ココ:スキーは幼稚園くらいからずっとやっていたんですけど、生死の境をちょっとさまようところが好きな理由で。風を切りながらあり得ないスピードで雪山を下っている時に感じるギリギリ感がすごく好きだったんです。BiSのワンマンを観た時に、スキーで感じる「生きてる!」みたいな感覚があったのが衝撃で。今までそういうのをライブで感じたことがなかったし、お客さんから生まれるグルーヴにも衝撃を受けて。だから、BiSの解散が決まった時に「私は本当にBiSになりたかったんだ」って思いました。大好きだけど、「好き」とはまた別の、人生のなかで出会うべきものに出会えた感覚になったのはBiSが初めてでした。
――将来なりたいものとして、初めて本気になった存在?
ココ:本当にそうでした。将来に向けての勉強もしていた時だったんですけど、BiSのワンマンを観たタイミングとかからモヤモヤし始めて。「ああいう生き方をしたいなあ」と。当時、自分の死生観についてすごく考え始めていた時期だったんですよ。それとBiSがリンクしたのかもしれないです。
めっちゃヤジが飛んできましたよ、「金返せ!」って。フリーライブなのに(笑)

――でも、BiSは解散しましたから、その道は閉ざされてしまいましたよね。
ココ:そうなんです。最後のライブを横アリで観た時、解散するのが悲しいと同時に、「ああ、BiSになりたかった」「でも、BiSには一生なれないんだ……」という気持ちも残りました。
――BiS解散は、2014年7月。でも、その翌年に渡辺淳之介さんが「BiSをもう一度始める」と言って結成されたのがBiSHでした。このオーディションは受けました?
ココ:もちろん受けました。BiSHのオーディションは、そのあとに行われたものも全部受けたんじゃないかな? 全部落ちましたけど(笑)。BiSHのオーディションが発表された時に、「運命だ」と思いました。「BiSにはなれないけど、もう一回BiSを始めるんだ! じゃあBiSになれるやん!」って。
――BiSHが結成されたあと、2016年にプー・ルイさんがメンバーの第2期BiSが再始動することになりました。
ココ:「本当にBiSやん!」って。その頃、将来についてちゃんと考えなきゃいけないタイミングでもあって。「アイドルになりたい」とか言ってられなくなっていたところでの第2期BiSだったので、「運命だ!」って本当に思いました。「将来、決まったわ!」「絶対ここだ!」って、BiSHの最初のオーディションの時以上に思ったんですよ。まあ、これも落ちたんですけど(笑)。
――(笑)。でも、そのあとのオーディション合宿に参加しましたね。
ココ:はい。WACKオーディションが始まる前、ニコ生(ニコニコ生放送)で配信する合宿の最初だったので、何をやるのかわからなくて。「BiSの曲を覚えてきてください」とだけ言われていたので、その準備をして参加しました。
――合宿ではユイ・ガ・ドクソンさんと一緒でしたが、すぐに仲良くなりました?
ココ:合宿中、唯一喋ってないのがドクなんですよ。SiSをやることになった時も「あいつか、あんまり喋ってないんだよなあ」って(笑)。
――(笑)。合宿中の手応えは?
ココ:私、視聴者のみなさんの投票で、ずっとわりと上位だったんですよ。3位とか4位に常にいましたし、「もしかしたら受かるかも」って。だから、落ちた時はBiSが運命だと思って、そこまでとんとん拍子だったのに、「最後の最後でこうなるんだ」「どうしよう?」って。絶望でしたね。真っ白になっちゃって。「学校もバイトもやめます! 受かるんで、私!」みたいな感じの勢いだったのに。
――BiSのライバルグループのSiSを作るという話は、いつ聞かされましたか。
ココ:落ちた時点で、その話をもらいました。正直なところ「うーん……」ってなったんですけど。でも、「BiSと関われるのであればいいや!」とも思ったんですよ。公式ライバルグループということは、「私はBiSと関われるんだ」って。わりと早めに決断した記憶があります。
――SiSのライブまでの準備期間は、そんなに長くなかったですよね。
ココ:不合格になったのが9月3日で、SiSのお披露目ライブが9月25日でした。ライブ、めっちゃヤジが飛んできましたよ、「金返せ!」って。フリーライブなのに(笑)。「頑張れー!」って言ってくれる人も何人かいましたけど。
――注目度は高かったと思います。
ココ:「BiSオーディションに落ちた人」っていうのが逆に旧BiSっぽく感じて、それで観にきた人が結構いて。そう意味では期待もしてもらっていたのかもしれないですけど、あまりにもライブがクソすぎて。




















