未唯mie × ジェーン・スー 特別対談:“アンチ限界”の自由な生き方 ピンク・レディーがあったから生まれた現代へのメッセージ

未唯mie × ジェーン・スー 特別対談

未唯mieの活動が続いている凄み、ピンク・レディー以降の研鑽

――あらためて、そうして歌い続けてきた未唯mieさんが、この曲のメッセージを今届けることには、どんな思いがありますか?

未唯mie:ピンク・レディーの頃、子どもたちからもらったファンレターに「入院しているけど、ピンク・レディーが頑張ってるから私も頑張ります」とか、「受験がつらいけど、ピンク・レディーに支えられてます」と書いてあって。「自分が頑張っているから頑張れる人たちがいるんだ。スターってそういう仕事なんだな」と理解したんですね。だから、今もジェーンさんが書いてくださったこの曲にあるような力強いメッセージを伝えられるのはすごく嬉しいことですね。自分が存在している価値を感じられる気がします。

――スーさんも今、コラムやエッセイ、ラジオやPodcastと、本当に多くの人に言葉を求められている存在です。昨年3月に開催された『OVER THE SUN』のイベントでは日本武道館がソールドアウトするまでの影響力があって。ご自身の体感としてはいかがですか?

ジェーン・スー:もう逃げたい気持ちです(笑)。ただ、未唯mieさんと圧倒的に違うのは、何年か前にソロコンサートを拝見した時、お客さんの喜び方が、私が神奈川県民ホールでピンク・レディーの復活コンサートを観たものと同じだったんですよ。属性に関係なく、音楽を楽しみに来た人たちを解放してくれるスイッチになっている。『OVER THE SUN』で言うのであれば、私と堀井さんの場合は、出演者というより、みんなが集まれる緊急避難所の看板を持って立っているだけなんです。武道館のイベントを昨年1回限りにしたのは、私たちが何かを見せるより、運動会でみんなに参加してもらうほうがよっぽど評判がよくて、楽しそうだったからで。だから、エンターテインメントを提供する方たちとは、灯す光の量が違うというか。私たちは行灯のようなものなんです。それに比べてエンタメの力はすごいですよ。ピンク・レディーの復活コンサートを観たあの時、みんなで号泣して、その後、全員が本当に今もそれを糧に働いてるんですから(笑)。「あの場にいたんですか!?」と後から知り合う人もいて、いまだにDVDを買って観てると言ってました。

未唯mie × ジェーン・スー 撮り下ろし

未唯mie × ジェーン・スー 撮り下ろし

未唯mie:そういう話を聞くと、私が救われる思いなんですけどね。ただ、この仕事をしている身として、こういうキャラクターを与えられた時に、精一杯演じるのはけっこう上手いかも、と思うところがあるんですよ。「人を焚きつけて立ち上がらせるような役を演じる力はわりとあるんじゃない?」って。

ジェーン・スー:そのジャンヌ・ダルク感はすごくあります! 私はかつてTomato n' Pineというアイドルグループの作詞・プロデュースに関わっていた時期もあるんですが、その時期を経て今も音楽活動を続けているグループは、ほとんどいないんです。4〜5年ぐらいの活動期間をもって解散するということ自体は珍しいわけじゃないですよね。ただ、そこでどんなにすごい実績があったとしても、それだけでその後の活動がずっと続くことは絶対にないんです。ピンク・レディーのお二人がその後もずっと活動を続けて、未唯mieさんが新譜を出し続けているからこそ、ファンがずっといる。みんな「ピンク・レディーのパワー」だと思っているかもしれないけど、間違いなく大きな礎ではあっても、お二人のそこから先の積み上げがハンパないんだと思うんです。

未唯mie:確かにピンク・レディーはプロジェクトチームがしっかり線路を引いて、輝かしい道を歩ませてくれましたけど、それがいつまでもあるわけじゃない。解散をした直後は潮が引くように、人が去っていくこともありました。そんな時に「さあ、私は何をする?」と自分に問いかけましたし、「こんなことをしたいんだけど、手伝ってくれない?」と人を訪ね歩くこともありました。ある時期から自分で立ち上がって、自分で線路を引いていかなかったら、今はないと思いますね。

――未唯mieさんはピンク・レディーの解散後、29歳で個人事務所を立ち上げていますね。

未唯mie:そうですね。「自分のやり方を試してみたい」と仲間と独立したのはいいんですけど、経営もプロデュースのやり方も全然理解してなくて、また人任せになってしまって。そうしたら、3年ぐらいで経営がとんでもないことになって、大借金を抱えてしまった。その時に相談した大人たちには全員に「経営はもうやめなさい、誰かに預かってもらいなさい」と言われました。でも、「じゃあ、この負債の責任はどうするの?」と。厳しい父から「人に迷惑をかけるな」と育てられていたし、自分の志で始めたことを投げ出すのが嫌だったので、「これは自分の足で立つための糧として与えられた試練なんだな」と思ったんです。そこから「よし、経営もプロデュースも全部1人でやってみよう!」と何も知らないところから勉強を始めました。

ジェーン・スー:今30歳ぐらいの人が読んでも、ものすごく勇気をもらえる話ですよね。すごく嫌な言い方をすると、極端な話、ピンク・レディーのあの4年7カ月があれば、その後は何年かに一度出てくればお金にはなるわけじゃないですか。だけど50年経って体型が崩れていない、声が出ているという時点で、相当継続的な努力をしていないと絶対に無理なんです。未唯mieさんがあまりにも自然にそこにいらっしゃるから、皆さんわからないんですよね。普通にしていたら、50を過ぎれば何もないところで転ぶ時代が始まるんですから。私がそうですし(笑)。

未唯mie:とにかく歌い続けたいので、発声練習を怠ったら絶対に声が出なくなりますし、やるべきことはやっているかもしれないですね。あとは食に興味があるので、食育も勉強して資格を取ったりしているんですけど、何を食べたら元気になるか、疲れてしまうか、そういったセオリーがあるので。それを学んで、実行する。自分としては、それだけなんです。

未唯mie × ジェーン・スー 撮り下ろし

――未唯mie さんは、来たる9月19日に東京国際フォーラム ホールCで周年記念公演『Anniversary Celebration』を開催します。意気込みを聞かせてください。

未唯mie:今回の周年記念公演を開催すると決めた時に、「どうやって自分を鍛えていったらいいんだろう?」と考えたんです。去年、テレビ番組でピンク・レディーの曲を1コーラスずつ3曲メドレーで歌ったら、息があがってしまって。「このままじゃ厳しいな」という瞬間があったんですよ。インナーマッスルを鍛えるジャイロトニックを10年続けてきたんですが、最近出会ったのが、舞踏家・ひびきみかさんが考案された骨や関節を意識して全身をほぐして、体本来の動きや姿勢を整えるボーンメソッドなんです。ボーンメソッドはストレッチとも違って、痛さや頑張りを感じてはいけないのが面白いところで。ひびきみかさんに事情を相談したら「そのメソッドで振り付けをすればいいんじゃないですか?」とアドバイスされて、そのセオリー通りに振り付けをしてみたら、「何これ! 全然踊れる、歌えちゃうじゃない!」となって。しかも、ガンガン踊った後のほうがむしろ元気で、コリもむくみも取れている。なので、今は自信を持って周年公演を迎えられます。

――踊った後のほうが元気って、もう「Anti Limit」の歌詞の世界そのものですね(笑)。

ジェーン・スー:未唯mieさんの歌を聴いて、「Anti Limit」で耳に残った歌詞があるとしたら、それが自分のボトルネックなんだと思います。未唯mieさんメソッドでほぐしていけば、きっと心の癒着も取れるはず(笑)。

未唯mie:だから、「Anti Limit」も難しく考えないで、ただ楽しんで聴いて踊っていただければOKです!

未唯mie「Anti Limit」
未唯mie「Anti Limit」

◾️リリース情報
未唯mie「Anti Limit」
配信中:https://jvcmusic.lnk.to/antilimit

作詞:ジェーン・スー
作曲:MANABOON & Yuki "T-Groove" Takahashi
Arranged by MANABOON & Yuki "T-Groove" Takahashi
Strings & Horn Arrangement by MANABOON
Chorus Arrangement by DAISUKÉ

Drums:George Kano
E. Bass:Takao "Baby" Nakashima
E. Guita: YUMA HARA
Keys & Strings Programming:MANABOON
Trumpet, T. Sax:Daisuke Sasaki
Conga:Hiroaki "Chang-Woo" Murase
Bongo, Percussion & Sound Effects:Eric Hossan
Percussion & Synthesizer:Yuki "T-Groove" Takahashi
Background Vocals:DAISUKÉ

未唯mie『Anti Limit』
9月16日(水)CDリリース
価格:2,200円(税込)
品番:VICL-37844
詳細:https://www.jvcmusic.co.jp/-/Linkall/VICL-37844.html

<収録内容>
1. Anti Limit
2. Think Of Me [T-Groove Remix]
3. 私のまま〜maybe it's a life〜 [T-Groove Remix]
4. Never Did I Stop Loving You <Bonus Track>
5. Anti Limit (Instrumental)

◾️ライブ情報
『未唯mie DEBUT 50th & SOLO 45th「Anniversary Celebration」presented by Achievement Corporation』
日時:2026年9月19日(土)開場16:30 開演17:30
会場:東京国際フォーラム ホールC
主催:ニッポン放送 / TBSラジオ / TOKYO FM

<チケット情報>
指定席:15,000円(税込)
U-18シート:7,000円(税込)

<メンバー>
未唯mie(Vo)
井上鑑(Key/Arr)
バカボン鈴木(Bs)
土方隆行/外園一馬(Gt)
鶴谷智生(Ds)
大儀見元(Per)
村田陽一(Tb)
菅家隆介(Tp)
竹野昌邦(Sax)
金原千恵子(Vn)
笠原あやの(Vc)
比山貴咏史/大滝裕子/斉藤久美(Cho)

◾️関連リンク
Official Website:http://web-mie.com/
Instagram:https://www.instagram.com/mie_doux/
Label Website:https://www.jvcmusic.co.jp/PinkLady_MIE/

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