Mrs. GREEN APPLE 藤澤涼架、藤井 風、Official髭男dism、back number……それぞれに表現する故郷への愛
アーティストにも、私たちと同じくそれぞれ“故郷”と呼べる場所がある。生まれ育った土地や出会った人々を思う彼らの気持ちは、言葉や音楽となって届けられてきた。
2026年に誕生150周年を迎えた長野県。その記念メッセージムービーに登場したのが、Mrs. GREEN APPLEの藤澤涼架(Key)だ。長野県出身の藤澤は、長野市立柳町中学校の吹奏楽部でフルートに打ち込み、その後、小諸高校 音楽科へ進学。長野で過ごした日々は、彼にとって現在の音楽活動へとつながる大切な原点なのだろう。
藤澤はムービーのなかで「僕の長野への愛は年を重ねるほど深まっていくばかりです」(※1)と、今は離れて暮らすからこそ、地元の魅力をあらためて感じたと語っている。2025年11月には特別番組『ラストをトモに!~Mrs. GREEN APPLE藤澤涼架から後輩たちへ~』(SBC信越放送)にて、それぞれの形でラストイヤーを迎える母校を訪問。学校名を背負っての活動終了を控えた長野市立柳町中学校 吹奏楽部の後輩たちにエールを送り、統合を控える長野県小諸高校では最後の文化祭に向き合う生徒たちと交流した。思い出を懐かしむだけではなく、変化の渦中にいる後輩たちに寄り添う姿からも、藤澤のあたたかな地元愛が伝わってきた。
故郷の景色を作品に刻んだのが、藤井 風だ。2021年に公開された「旅路」のMVは、藤井が生まれ育った地である岡山県の里庄町や出身校で撮影された。ノスタルジックな質感の映像に、〈お元気ですか/この町は相変わらず青春です〉というフレーズが重なる。懐かしい町並みや穏やかな風景が、人生の道のりを見つめる楽曲の世界を彩っている。さらに、藤井は2020年夏に里庄町長を表敬訪問し、「愛してる里庄町」というメッセージを書いたサインも贈っていた(※2)。まっすぐな言葉と作品の両方から、彼の故郷への深い愛情が感じられる。
島根県で結成されたOfficial髭男dismも、2019年や2022年に開催した全国ツアーのファイナル公演を島根で行うなど、故郷とのつながりを大切にしてきた。2021年には、アルバム『Editorial』に収録された「フィラメント」が『出雲駅伝』初の中継テーマソングに。起用に際して、メンバーは走路や中継に映る景色は何度も目にしてきた身近なものであると明かし、「過去に放送を見ながら懐かしさを感じていました」(※3)とコメントしていた。見慣れた故郷の風景を舞台に力を尽くす選手たちへ、自分たちの音楽でエールを送る。地元への思いを音楽に託した、Official髭男dismらしい寄り添い方だ。
群馬県で結成されたback numberが、故郷の学生の思いに応えて生み出した楽曲が「水平線」だ。2020年、群馬県を中心に開催予定だった『令和2年度全国高等学校総合体育大会』が、新型コロナウイルスの影響で中止に。大会準備に携わってきた高校生20人から手紙が届いたことをきっかけに、「水平線」は制作された。その背景には、清水依与吏(Vo/Gt)自身も学生時代に陸上競技でインターハイを目指していたこともある。楽曲のリリックビデオは、本来インターハイの開会式が行われるはずだった日に公開。若者たちの思いを受け止め、全国の高校生へと差し出された一曲は、7年の時を超えた今も多くの人の心に寄り添い続けている。
故郷での記憶や出会いは、今も彼らの表現を支える大切な原点となっているのだろう。そして、彼らの言葉や音楽を通じ、地元への愛はさらに多くの人へとつながっていくはずだ。
※1:https://www.youtube.com/watch?v=waanQ9Yc--U
※2:https://www.town.satosho.okayama.jp/site/fujiikaze/8945.html
※2:https://natalie.mu/music/news/447725


























