ツミキ 寄稿文|NOMELON NOLEMON 結成5周年と『EYE』ーー岡本太郎から得た“眼”のヒント、矛盾を肯定するポップス

『EYE』セルフライナーノーツ
M1「カイカ」
宇宙まで届くような爆発力を描きたかった曲。
この曲は、『EYE』というアルバムのはじまりとして、どうしても必要な曲でした。再生ボタンを押すその0.1秒という仕草が、特別な瞬間になるように意識して作った曲です。
始まりには、いつも少しだけ怖さがあります。前に進みたい気持ちと、ここに残っていたい気持ちが同時にある。その二つがぶつかる場所で、生まれ変わった新しい自分が生まれるのだと思います。
「さよなら」は単なる拒絶や悲しい言葉ではなくて、次の景色へ行くための儀式です。そこを丁寧に描きたいと思って作りました。
M3「KILLERMOON」
アルバムのテーマを考えているときに「世界を撃ち抜こうぜ」という言葉が浮かんできました。
自分には欠けているところが沢山あります。しかしそこには名前が無く、誰からも理解されません。
一方、月は欠けている形一つ一つに名前があります。そこに倣って、不遇な私たちのアンセムというか、応援歌を書きたいと思いました。月よりも欠けている私たちは、月をも越える光を持っている。共に戦っていこう、ということです。
M4「ミテミテ」
作中で繰り返される「見て」という単語について。これは単なる承認の欲求ではなく、人間の多面性に目を向けろ、といった意味の趣旨です。
一つの角度からしか物事や人を判断することが出来ない世界への反発です。
ピカソのキュビズムという表現技法からの着想が大きかったです。サウンドもコラージュ的で、セクションごとにあり得ない接続、ジャンルの横断があったりします。かなり遊びながら作りました。
M8「焦熱」
相方みきまりあ作の楽曲です。編曲は私が担当しました。冷たさを演出すべく、普段からよく聴くIDMやテクノのアプローチでトライしました。それでもしっかりポップなところに着地出来るように工夫した作品です。
是非ヘッドホンでお楽しみいただきたいです。ちなみに本人曰く、「ラーメン屋の歌」のようです。何故こうなった。
詳しくはみきまりあ本人に聞いてください。
M10「シーグラス」
個人的に気に入っています。「シーグラス」とは、海辺の波に揉まれて角が取れたガラス片のことです。
鋭くて、危なくて、そのままでは触れられないようなものが、海の中で時間をかけて削られて、丸くなって、透明な石のようになる。その変化が、記憶や失恋を連想させました。
この曲では、失われた愛のようなものを書いています。でも、ただただ悲しいだけの曲にはしたくありませんでした。傷ついたものが、時間によって別の美しさを持つことがある。その静かな変化を描きたいと思い、制作しました。
宇宙に向かっていたアルバムが、ここで海の底へ降りていく。外へ広がるのではなく、内側へ沈んでいくような曲です。悲しみは終わらないし、消えない。ただ、形が変わってきっと特別なものになる。そして愛せるようになる。そうなれば幸せだなという、私の願いもこもった曲です。
M12「I THINK」
このアルバムのテーマソングです。サウンドは私のルーツでもあるエモやオルタナのアプローチでトライしました。
〈僕らは考えた 不思議な星の上/世界が明日で終わるとして/いま何が出来るだろう?〉
というフレーズから、導かれるように書きました。私が書いたパートの歌詞は他のどの曲よりも速く書き終えました。それぐらい心と密接に結びついている歌詞です。
M1「カイカ」にも通ずる、今この瞬間を変えることで、未来が変わる。というテーマ。当たり前のことなのですが、それがとても難しい。
そこでそっと背中を押すような曲にしたいという気持ちで制作しました。この楽曲で、そしてこのアルバムで、誰かの世界を変えられたとしたら、私は本当に幸せです。

そんなアルバム『EYE』で私は、“世界を少しだけ良くしたい”と考えました。
“眼”は、世界をどう認識するか、自分自身をどの距離から見つめるか。あるいは、この世界の誰と繋がっているか。それを知るためのものです。
私から見た世界は本当に酷いこと、酷いものばかりです。自分自身がそこで非力な存在であることも含めて。
そして皆さんそれぞれにも世界があります。皆さんの見ている景色は勿論、皆さんの中にあるインナーワールド的世界も含めて。
そんな、銘々の“世界”を、自分の紡ぐ音楽で美しいものに塗り替えられたら、と考えて制作した楽曲集です。少しでも伝わっていれば嬉しい限りです。

さて、長くなってしまいましたが、NOMELON NOLEMON 3rd album『EYE』についてのメモ書き、如何だったでしょうか。皆さんにとって、何か新しい発見があったり、より解像度を高めていただけたポイントがありましたら、何より本望です。
まだまだ一口には語れない、様々な要素が散りばめられたアルバムですので、これを機に是非何度も繰り返して聴いていただければと思います。
最後に、ご挨拶として。
このアルバムを作り切ったことによって、そして皆さんの反応を受けて、また新しいアルバムを作るイメージが湧き上がりました。現在構想中で、これからメンバー・チームに展開し、まもなく制作期間へ突入します。次作は、今作とはまた全く違う世界観に仕上げたいと考えています。次作はどんなNOMELON NOLEMONに生まれ変わるのか。私自身も非常に楽しみです。皆さんにもご期待いただければ幸いです。
5周年を迎えました我々ですが、まだまだ活動を止めません。これからも新しいJ-popを模索し、発表し続けます。今後ともNOMELON NOLEMONをよろしくお願いします。
最後までお付き合いありがとうございました。

■リリース情報
NOMELON NOLEMON
『EYE』
2026年2月11日(水・祝) リリース

購入リンク:https://NOMELONNOLEMON.lnk.to/EYE
配信リンク:https://nomelonnolemon.lnk.to/3rdAL_EYE
形態:初回生産限定盤(CD+Blu-ray)
2025年6月22日開催『DOCUMENTARIUM 2025』ライブ映像収録
品番:SRCL-13536~13537
価格:6,050円(税込)
形態:通常盤(CD)
品番:SRCL-13538
価格:3,850円(税込)
<収録内容>
[CD]
01. カイカ
02. ミッドナイト・リフレクション
03. KILLERMOON
04. ミテミテ
05. HALO
06. 水光接天 -remix
07. どうにかなっちゃいそう!
08. 焦熱
09. きえない
10. シーグラス
11. きみの惑星
12. I THINK
・NOMELON NOLEMON
『ユラリユレル』
8月12日(水)リリース

購入リンク:https://NOMELONNOLEMON.lnk.to/YRRYRR
形態:期間生産限定盤(CD+Blu-ray)
価格:2,450円(税込)
品番:SRCL-13761~13762
<収録内容>
[CD]
01. ユラリユレル
02. DAYS!(NOMELON NOLEMON ver.)
[Blu-ray]
TVアニメ『グロウアップショウ ~ひまわりのサーカス団~』オープニング映像
作詞・作曲・編曲:ツミキ
■関連リンク
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