おいしくるメロンパン、ソロインタビューで紐解く「bedroom swimmer」 三者三様のインディーロックと、夏の夜のお供

おいしくるメロンパンが、8月26日に11thミニアルバム『avenue』をリリースする。ファンタジーと現実世界を行き来するような幻想的な世界観を描いた全5曲。その最後を飾るのが、先行配信された「bedroom swimmer」だ。彼ららしいソリッドなバンドアンサンブルに乗せて描かれるのは、“逃避”をキーワードとして憂鬱な夜のイメージ。いよいよ本格的に訪れた夏、熱帯夜を彩るにピッタリの楽曲となっている。
そんな「bedroom swimmer」を起点として、リアルサウンドではメンバーへのソロインタビューを行った。本作の制作秘話からリリースを控えるミニアルバム『avenue』の展望、それぞれの“夏の夜のお供”まで、三者三様のキャラクターを楽しんでほしい。(編集部)
ナカシマ(Vo/Gt)

ーー今回のインタビューは“夏”をテーマに伺っていきたいのですが、ナカシマさんは夏はお好きですか?
ナカシマ:嫌いですね。
ーー理由はあるんですか?
ナカシマ:単純に暑くて過ごしづらいのがいちばんですかね。あとは虫が嫌いで。虫が湧いて出てくる季節という感じがあるので、夏はなるだけ来ないでほしい(笑)。僕は10月生まれで秋が好きなので、それも少しはあるかもしれないです。
ーーちなみに、この先、夏が好きになる可能性はありますか?
ナカシマ:わからないですけど、冬が3年くらい続いたら、あったかくなる喜びで好きになるかもしれないです(笑)。春が来て、そろそろ夏かなという時期の高揚感はあるんですけど、暑い日が続くと「もう夏はいいや」となってくるので。
ーーそんな夏の思い出ってありますか。
ナカシマ:僕は福岡出身なんですけど、熊本の山のなかに祖父の家があって。夏休みはそこに一週間くらい滞在していました。その頃は夏が全然嫌いじゃなくて、カブトムシやサワガニを取りに行ったり、夏のイベントを楽しんでいた記憶がありますね。
ーーそれがどこで変わっちゃったんでしょうね。
ナカシマ:強く意識したのは大学生で一人暮らしを始めてからですね。1、2年の頃に所沢に住んでいたんですけど、そこがめちゃくちゃ暑くてジメジメしていて。それで夏が一気に嫌いになりました。
ーー最近は夏に外で遊ぶこともなくなりましたか?
ナカシマ:あまりないですね。でも去年、おいしくるメロンパンのチームでバーベキューをやったんですけど、それはすごく楽しかったです。
ーー夏真っ盛りの8月26日にリリースされる11thミニアルバム『avenue』。先行配信リリースされている「bedroom swimmer」から、私は夏のイメージを感じました。ナカシマさんとしては、夏の曲という意識はあったんでしょうか?
ナカシマ:実はそんなに夏を意識していなくて。〈海〉というワードは出てくるんですけど、季節感は僕のなかではあんまりないんです。僕らの曲って、季節を絞ったものが多くて。そうするとその時期じゃないと演奏しづらい曲になっちゃうかなというのもあって、そうじゃない曲ももっと作りたい気持ちがあったんです。ただ確かに、この時期にできた曲だし海も出てくるので、聴く人によってはもちろん夏と捉えていただいてもいいなと思います。
ーー最初のリフから印象的ですけど、どう作っていったんでしょう。
ナカシマ:「インディーロックみたいな曲を作りたい」というテーマが最初にありました。1年前にメジャーデビューしたんですけど、今あえてバリバリのインディーロックを作ってみたらどうなるかな、というところから始めていきました。
ーーインディーロックは、ナカシマさんの影響源として強くあるものなんですか?
ナカシマ:好きなジャンルではありますね。ミックスもあまりやっていないような、ちょっと昔のサウンドのロックってあるじゃないですか。ああいう、自主制作っぽいイメージで作ろうと思って。ミニアルバムのほかの曲がスケールの大きいものが多くて。対極となるものを作ることでバリエーションを出したり、最後に手応えを作れるかな、という意味も込めたんです。

ーー制作はスムーズに進んだんですか?
ナカシマ:この曲は、特に歌詞で悩んだ記憶がありますね。サウンドがポップな感じなので、歌詞にもそういうポップさがあった方がいいかなと思ったんですけど、これまでそっちの方面を意識して書いてこなかったので、表現したいことをどうポップに描き出すかに苦戦しました。
ーーその糸口になったフレーズやポイントはどういった部分なんでしょう?
ナカシマ:ポップなビジュアルイメージを頭に思い浮かべてみたんです。いつもは景色から雰囲気や世界観を立ち上げて歌詞を書くことが多いんですけど、今回は今まで思い描いてきた景色よりも、もっとポップというか。大学生が住んでいそうな、なんでもない部屋みたいな、スケールの小さいありふれた景色を思い浮かべて。やり方は同じなんだけど、視点を変えることで、なんとかたどり着けたと思います。
ーータイトルの「bedroom swimmer」は、そのイメージから抽出したものですか?
ナカシマ:歌詞を書いている途中で思いつきました。眠れずに、真っ暗な部屋で目を閉じているんだけど、気持ちはずっと浮遊しているような感じ。それが“swimmer”という言葉とぴったりで。水中は、逃げ込んだ先なんだけど、それでも苦しい、というふたつの意味が同時に伝わるかなと思って。遠さと閉塞感が同時にある。そういうところで“水”がすごくマッチするなと思ったんです。
ーー逃避先なのに苦しいって、哲学的ですよね。では『avenue』はどんな作品になりそうですか。
ナカシマ:僕らの曲って、すごく現実的で等身大のものからファンタジックなものまで振り幅があって。今回は、現実的なところからどんどんファンタジーの方に歩いていく感じを表現しようと思って作り始めていったんです。なので、最後はめちゃくちゃスケールの大きい壮大な曲で締めくくろうと思っていたんですけど、逆にいちばん等身大の「bedroom swimmer」を最後に持ってきたら面白いかなと思って、この曲を最後にしました。
ーーレコーディングは3人でスタジオでせーので行われるんですか?
ナカシマ:基本、同時に演奏する感じですね。その方法は、活動当初からずっと変えていなくて。今はスタジオに集まらずに録るバンドも多いので、たまに「別々でよくね?」とも思うんですけど(笑)。結局、変わらないままずっとそれでやっています。
ーー『avenue』リリースの先には、どんなことを思い描いていますか?
ナカシマ:今までやってきたことを粛々とやっていきたいという気持ちですね。
ーー最後に、夏の夜のお供を教えてください。
ナカシマ:今はやってないんですけど、僕、クーラーが苦手で。喉をやられるし体もだるくなるので、寝るときは切るんです。代わりに2リットルのペットボトルを凍らせて置いて、そのあいだを扇風機の風が通るようにして、おでこに冷たい風を当てて寝る。これをやらないと暑すぎて眠れなくて。たぶん、こんなことをやってるのは僕だけだと思いますけど(笑)。




















