おいしくるメロンパン、ソロインタビューで紐解く「bedroom swimmer」 三者三様のインディーロックと、夏の夜のお供

原駿太郎(Dr)

ーー今回は“夏”をテーマにお話を伺いたいのですが、原さんは夏はお好きですか?
原駿太郎(以下、原):どちらかというと苦手です。冬の寒さは着込めばなんとかなるんですけど、暑いのはどうしようもないので。今日(取材は7月初旬)はまだギリ許せるかなくらいで、本当にしんどいのは8月なんですよね。
ーーこの先、夏を好きになる可能性はありますか?
原:それはあると思います。花火とか、夏祭りとか、ビアガーデンとか、夏にしかないものってたくさんあるじゃないですか。だから憎めないんですよ(笑)。暑さを楽しむところもちょっとあるから、苦手ではあるんですけど、そういうところは好きみたいな。神宮球場(明治神宮野球場)のそばに、日陰もあって自分で注げるビアガーデンがあるんですけど、あそこは好きですね。
ーー夏の思い出ってありますか?
原:お盆の頃に群馬の祖母の家に帰省するのが、夏の定番でした。高崎市から車で20~30分の、住宅街だけどコンビニまで歩いて20分みたいな土地で。本当に何もないので、祖母と1対1でトランプの神経衰弱をひたすらやったり(笑)。あと、アピタという大きなスーパーで毎回おもちゃをめっちゃ吟味して、ひとつ買ってもらって帰っていて。なので「アピタに行けるから群馬に行く」くらいのモチベーションでしたね。
ーーだんだん夏が好きになるといいですね。
原:そうですね。むしろ子どもの頃から、夏の好き度が下がってきてしまった感じなので。大人だからこそ楽しめる夏を、もう一度ちゃんと確かめていきたいです。
ーー「bedroom swimmer」について、ナカシマさんはあまり夏を意識していなかったとお話されていたんですけど、原さんはいかがですか?
原:僕も季節というより、普遍的なイメージかもしれません。
ーーおいしくるメロンパンの楽曲制作は、どう進んでいくんですか。
原:基本的にはナカシマくんがフルコーラスのデモを作ってきて、それを僕とベースの峯岸に送る、という感じですね。「これはこういう曲で」という説明はあまりなくて、本当に各々の解釈でやってみて、「それは違うかも」「それいいね」と相談しながら作っていきます。ドラムもデモの段階でほぼ入っていて、そのままでも成立している状態で送られてくるんです。この曲も、細かいニュアンスは提案してみたんですけど、「今回はシンプルめでいこう」となって。複雑すぎないロックがいい、という感覚があったんだと思います。

ーーナカシマさんは「インディーロックを意識した」と仰っていました。原さんのなかでのインディーロックって、どういうものですか?
原:インディーロックではないかもしれないですが、僕はまず、Green Dayの「American Idiot」みたいな無骨なイメージが浮かんで。そのあとにThe Strokesを聴いたりしました。ナカシマくんとは向いている方向は同じでも、ニュアンスは三者三様なんですよ。
ーーナカシマさんの歌詞は、どう受け取りましたか。
原:基本、アレンジを組み立てる段階では歌詞がない状態なので、どうなるか楽しみにしているんです。僕のイメージだと爽やかな感じになるのかなと思っていたら、意外と内向的というか、どこか暗さのあるものが上がってきて。「こういう感じなんだ」と意外に思ったのを覚えていますね。
ーー先ほどの取材で、ナカシマさんは「逃避の先が水中で、そこもまた苦しい」という視点の話をされていたんですが、そういう話はメンバー同士でされるんですか。
原:しないんですよ。だから、こういうインタビューで「なるほど」となることが結構あって(笑)。ナカシマくんも曲について100%説明したいタイプではないし、ある程度聴き手に委ねたいところもあると思うので、聞くのも野暮だなというか。思いっきり間違った方向に行ったときだけ軌道修正してくれるくらいの距離感なんです。むしろ、そんな解釈の余白があるからこそ、この音像になっているんだと思います。
ーー三者三様の解釈が入るからこその面白さが生まれているんだなと、今の話を聞いて感じました。ミニアルバム『avenue』はどんな作品になりそうですか?
原:あくまで僕の感覚ですけど、前作のメジャー1枚目が「おいしくるメロンパン、こういう感じです」という自己紹介の1枚だったとすれば、今回は10年以上やってきて「こういう一面もあったよね」と再確認できる曲が揃った作品という感覚です。
ーー最後に、原さんの夏の夜のお供を教えてください。
原:蚊取り線香ですね。これも群馬の祖母の家の話になっちゃうんですけど、渦巻きのやつを焚いて、網戸でエアコンをつけずに寝るという感じで。あの匂いが結構好きなんです。蚊取り線香と、風鈴がチリンと鳴る、CMにあるような夏の夜。あれがいちばん夏を盛り上げてくれるアイテムだと思っています。




















