A.B.C-Z「マジマジック」MVは“最も大胆で、最も美しいカオス” 独自の真骨頂、真面目なトンチキを本気で解説
A.B.C-Zの新曲「マジマジック」のMVが、グループ史上最速で100万回再生を達成した。本楽曲は、7月15日にリリースされた3rd EP『THE WAY』のリード曲だ。近年、“トンチキ”加減で独自路線を確立してきたA.B.C-ZのMVだが、この「マジマジック」は、トンチキを超えたあまりの神々しさにSNSやコメント欄で「ご利益がある」と呟かれ、ファン以外への広がりを見せている。
圧倒的な精度が支える“トンチキ美学”の変遷
A.B.C-Zの“トンチキ”は、奇抜さだけを狙った“ネタ”ではなく、“美”として成立しているのが特色だ。それは、4人のパフォーマンスが圧倒的な精度を持っているから。歌の安定、ダンスの統率、表情の強度──どれかひとつでも欠ければ、トンチキはただのお笑いになってしまう。彼らのキャリアと実力があってこそ体現できるものなのだ。A.B.C-Zは、奇抜さを支えるための技術を長年磨き続けてきた稀有なグループと言えるだろう。
この独自のクリエイティブが加速したのが、2024年に4人体制になってからだ。特に昭和・平成のエンターテインメントをテーマにした新体制初のアルバム『F.O.R-変わりゆく時代の中で、輝く君と踊りたい。』のリード曲「Jigsaw」MVは、ファンの間で「高熱にうなされながら見る夢のよう」と評され話題となったが、「4人がどんどん増殖する」「画面が分割され、再構成される」「シンプルなセットに、映像処理で“異様な世界”が出現する」というサイケデリックな世界観など、今作「マジマジック」の原点が垣間見える。
その「Jigsaw」(2024年)が、シンプルな形で進化したのが「Just Romantic!」(2025年)だ。黒スーツ+サングラスのA.B.C-Zが、セットなし、照明のみのシックな空間で、バックダンサー20名を従えた群舞を披露する。「Jigsaw」が“映像処理による混沌”なら、「Just Romantic!」は“身体性による混沌”を表現したと言えるだろう。
そして「Cocktail」(2025年)では、白黒衣装+サングラスで、カラフルな照明の下、カンフーの型のようなダンスを踊り何ともいえない不思議な世界観を演出。さらに「TAP」(2026年)では、黒スーツ+カラーシャツ+サングラス、セットのないシンプルスタジオにタイポグラフィーとコラージュが重なるという、前出の3本をグラデーションしたかのような作品になっている。こうして見ると、サングラスのMVは総じて“ヤバい”。
「マジマジック」ではついにサングラスを外し、「TAP」の世界をさらに豪華にアップグレード。これまでの“トンチキMV”のすべてを内包しながら、オールCGが彩る極彩色の世界を出現させた。