『ユイカ』が描いた本当の青い春=「青春は見えない」 新章を語る「今自分のなかで革命が起きている」

大人になった今の『ユイカ』をちゃんと曲にしたいなと思った
――そんなヘルシーな状態でリリースした新曲が「青春は見えない」です。タイトルからもわかる通り“青春”をテーマにした楽曲ですが、青春をテーマに曲を書こうと思ったのはどうしてなのでしょうか?
『ユイカ』:夏の曲を書きたいと思っていて。『ユイカ』の名前だけ知っている人とか、「好きだから。」だけ聞いたことがあるという人って、ありがたいことにたくさんいてくださって、そういう人が持っているイメージは、やっぱり“ラブソング”だと思うんですね。だから、まずはそこを一旦払拭したいと思った。ラブソングじゃない曲を書くなら、夏フェスで盛り上がれるような曲を書きたいなと考えて。
――「ラブソング以外で」ということが発端だったんですね。
『ユイカ』:はい。あと、私は高校生の時に書いた曲が多くバズっているから、高校生の時の『ユイカ』のイメージを持っている人も多い気がしていて。大人になった今の『ユイカ』をちゃんと曲にしたいなと思ったのもあります。実際、青春している時って「今、青春してる」ってあまり思っていないと思うんですよね。大人になった今は「あの頃、青春だったな」と思うけど、実際に青春している時はわからない。そう考えたら「青春って見えないものなんだな」って。そこから、「青春は見えない」という名前の夏曲を書こうと思いました。『ユイカ』の夏曲でもあり、これが世間の夏曲の一員になれたらいいなと思っています。
――夏曲を書くにあたって意識したことは何かありますか?
『ユイカ』:これは私が季節モノを書く時のあるあるなんですけど、部屋の温度を変えます。クリスマスソングを書いた時は夏だったので、エアコンで部屋をめっちゃ冷やして、温かい長袖の服を着て、寒い時期を想像して曲を書いて。
――ということは、今回は冬に?
『ユイカ』:暖房をつけて「暑い……」ってなりながら書きました(笑)。このやり方が合っているかはわからないんですけど、部屋の温度を季節に寄せるというのは、私なりのこだわりです。
――その季節の気持ちになりたい、と。
『ユイカ』:はい。結構、体張ってます(笑)。今回も冬に半袖を着て、暑い部屋のなかで「夏っぽいって何だ?」って考えながら。
――体張ってますね(笑)。「夏っぽいって何だ?」というのを考えた結果、『ユイカ』さんのなかでの夏っぽいとはどんなものでしたか?
『ユイカ』:夏のサウンドはギターだなって思うし、冬はピアノだなと思いました。ロックな感じなほうが夏っぽい気がして、今回はエレキ寄せで作りました。
――「ローズヒップティー」が初めてエレキで曲を作っていったとお話しされていましたが、今回もエレキで?
『ユイカ』:はい。今回はアコギを触ってもいないような気がします。エレキを背負っている自分を想像しながら書きました。
――編曲はJazzin'parkの久保田真悟さんです。数々のヒット曲を手掛けている方ですが、久保田さんとの作業はいかがでしたか?
『ユイカ』:もちろん久保田さんのことは存じ上げていたんですけど、まさかご一緒できるなんて思ってもみなくて。でも、せっかくだから今までお願いしたことのない方にお願いしてみたいよねという話から、スタッフさんが久保田さんを提案してくれて。いつかお願いしたいみたいと思っていたので、今回ご一緒させていただけてありがとうございますという気持ちです。
――作業としてはどのような形で?
『ユイカ』:久保田さんのスタジオにお邪魔して「ああしたい」「こうしたい」というのを直接お伝えして、その場でやってくださるという形でした。いつもアレンジャーさんとはデータのやりとりなんですが、直接だと文字でやりとりするよりも言いやすいし、細かいところにまでこだわることができたなと思います。
コロナ禍の高校生活「私の青春はこれだから、『別にかわいそうではないぞ』って」
――ちなみに、『ユイカ』さんってどんな学生だったんですか?
『ユイカ』:ガキでした(笑)。後ろのロッカーに荷物を取りに行くのがめんどくさいという理由で、教科書を全部机の上に並べて、先生に毎回怒られていました。でも、それを無視して、そこにスマホを隠してイヤホンして映画を観てました(笑)。
――(笑)。
『ユイカ』:でも、高校3年間はコロナ禍でずっとマスク生活だったんですよね。中学3年生の終わりくらいにコロナ禍に入って、高校受験は窓全開のなかガクガク震えながら受けて、高校3年間はずっとマスク生活。だから、高校の友達の顔を知らないんです。お弁当も3年間黙食で、部活で円になって食べる時もみんなで外を向いて外向きの円で黙食。でも、こういう話をすると「かわいそう」と言われるんですけど、私の青春はこれだから、「別にかわいそうではないぞ」って思うんです。「これはこれで楽しかったぞ」って。マスクをつけていたから、コロナ禍だったから青春を謳歌しきれていないと言われても、私のなかの青春はこれだからわからない。そういう思いも込めてこの曲を書きました。だからマスクをしていて顔が見えなかったという意味もかけた「青春は見えない」です。
――〈間違いなくあったんだ/青い春をしていた〉という歌詞がありますが、『ユイカ』さんと同じ時期に青春時代を送っていた方は、きっとみんな同じ気持ちですよね。
『ユイカ』:そうだと思います。もちろん、学校に行けなくてリモート授業を受けている時は「変だな」と思ったし、「なんで私たちだけ?」とか「もうちょっと早かったら?」「もうちょっと遅かったら?」と思うこともありました。あと一年早く生まれていたら高校1年生の一年間はマスクのない学生生活が送れていたかもしれないし、もう一年遅く生まれていたら、高校3年生の文化祭でごはんを作れていたんだろうなと思って悔しくなることもあった。だけど、今になって振り返ると、そのせいで青春がゼロになったわけではなくて、「マスクのある青春をちゃんと送っていたな」と思えるから。だから、「ちゃんと私たちにも青春があったぞ」と伝えたいと思って曲にしました。
――〈今はもうお酒で乾杯してるよ〉という歌詞がありますが、当時のお友達とは今も仲良しですか?
『ユイカ』:はい。それこそ、今回のMVにもちょっと登場してくれているんです。
――高校生の時のお友達が、ですか?
『ユイカ』:はい。今回のMVは当時をイメージして私が配信で歌っている様子を、ウェブミーティングみたいな画面でみんなが見ているという映像になっていて。監督の方に「実際のお友達も出てほしい」と提案していただいたので、グループLINEに「おい君たち、MVに出てみないか?」と声をかけて、出てもらいました(笑)。
――素敵ですね!
『ユイカ』:みんなからは動画を撮って送ってもらう形だったので、自分のMV撮影の時に初めてその動画を見たんですが、ちょっとむず痒いというか、恥ずかしかったですけど……楽しかったです。
――『ユイカ』さんが音楽を続けていないとできないことですもんね。
『ユイカ』:そうなんです。こうして一緒に仕事をするというか、自分の仕事のことでお友達と連絡ができるなんて思ってもいなかったから、MV撮影も友達と動画を撮るくらいのラフな気持ちでできました。
――そんな「青春は見えない」、できあがってみていかがですか?
『ユイカ』:『ユイカ』を変える曲になってほしいという気持ちですが、この曲がそんなパワーを持っているのか不安な気持ちもまだちょっとあります。ただ、本当に人の人生を変えるエネルギーを込めた自信はあって。だから、不安はあれど、「この曲で変えてみせるぞ」という意気込みではいます。
――高校生の時の自分に今声をかけるとしたら、何と言ってあげたいですか?
『ユイカ』:えー、なんだろう? こういうの恥ずかしいですね(笑)。でも、「コロナ禍じゃなかったらもっと青春を謳歌できたんじゃないかって思う日もあるだろうし、思い描いていた高校生と違いすぎて『高校生らしい生活してないな』って思っていると思うけど、それがあなたの高校生活です。ちゃんと楽しみなさいよ。それを将来の私が曲にしてやるから、今は好きにして過ごして」って言ってあげたいです。
■リリース情報
Digital Single『青春は見えない』
配信中
配信URL:https://yuika.lnk.to/seishunID
■公演情報
『『ユイカ』LIVE「Sanvitalia」』
2026年9月21日(月・祝)OPEN 18:00/START 19:00
東京国際フォーラム ホールA
<チケット>指定席:7,700円(税込)
プレイガイド先着先行(チケットぴあ/ローソンチケット/イープラス)
受付:2026年8月9日(日)23:59まで
『ユイカ』オフィシャルサイト:https://www.universal-music.co.jp/yuika/
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