草彅剛の“分かち合う”という生き方 約1年ぶりのYouTube復帰で見えた人として愛される理由

 草彅剛が約1年ぶりにYouTubeチャンネル『ユーチューバー 草彅チャンネル』を更新した。動画の更新を待ち望んでいた人にとって、「待ってました!」と言えるニュースだ。しかも届けられたのは、同チャンネル初の海外ロケ。行き先は、草彅にとってかねてより縁の深い韓国・釜山である。

草彅が行ってみたかった韓国釜山 念願グルメ&ひとり旅。グルーヴ全快!

 2001年から“チョナン・カン”として活動し、韓国と日本をつなぐ大きな一歩を踏み出してきた草彅。当時は、韓国内では日本文化が厳しく制限されていた時期で、日本においても“韓流ブーム”が起こる以前のことだ。

 国民的アイドルグループとして多忙な日々を過ごしながらも韓国語を猛勉強し、ときには体当たりで韓国ロケを実施。さらに2002年には韓国語の歌詞で歌ったシングル「愛の唄 〜チョンマル サランヘヨ〜」をリリースするなど、まさに日韓エンタメをつなぐ道なき道を開拓していった。その歩みは、今も多くの人の記憶に残っている。

 そんな彼が、韓国の文化体育観光部と韓国観光公社による「はじめての韓国旅行」キャンペーンの一環として、再び韓国の地へ招かれた。『草彅が行ってみたかった韓国釜山 念願グルメ&ひとり旅。グルーヴ全快!』と題された動画は単なるタイアップ企画というよりも、これまで草彅が積み重ねてきた時間が、過去から現在、そして未来へと自然につながったようにも見えた。

 とはいえ、動画の空気はどこまでも草彅らしい。お仕事として招かれたロケでありながら、肩肘を張りすぎることなく、まずは自分の「行きたい」「食べたい」を全力でアピール。釜山のおすすめコースを観光公社側が用意してくれているにもかかわらず、「まずはカフェに行きたい」、ご飯は自らチェックしていた「ステーキ店に行きたい」と譲らない。

 そこでスタッフが用意したのが、韓国側のおすすめプランか、草彅の希望かを決める“草ナビルーレット”だ。最初に訪れる場所からルーレットに委ねることになるのだが、そこはやはり“持っている”男。スタッフも思わずタジタジになるような展開を引き寄せていく。予定調和では終わらない。その場の流れごと楽しみに変えてしまう即興性こそ、草彅のロケ企画の醍醐味だ。

 そして胸が熱くなったのは、チョナン・カン時代に韓国ロケのコーディネーターとしてともに歩んだ“キムさん”との再会。長い時間を経ても、当時の縁が途切れずに残っていること。念願のカフェへと向かおうとするも、「寄る時間があるかは別」「なんだよー」と遠慮のないやりとりができるのも草彅の親しみやすさがあってこそ。

 行く先々では、全力で舌鼓を打つ。豪快な食べっぷりは、かつての主演作『フードファイト』(日本テレビ系)を思い出させるほど。オープニングで行き渋っていたのを「恥ずかしい」なんて認めてしまうところも草彅らしい愛らしさだ。ヨットに乗って気分が高まるとギターを片手に「釜山にワッソヨ(来ました)」と自作の歌を心のままに歌う。想像以上の釜山の魅力に「正直、仕事じゃなければよかった。正直、みんなに教えたくなかったよね」と悶える姿もまた楽しい。

 しかし、そこで独り占めしないのが草彅剛だ。「みんなのつよぽんでしょ。俺たちは友だちだからさ。こういうものを共有し合ってさ、美味しいものを食べて幸せに生きていこう」と語りかける。その言葉には、彼が長く愛されてきた理由が凝縮されているように思う。楽しいことを、自分だけのものにしない。おいしいものも、うれしい出会いも、画面の向こうにいる人たちと分かち合おうとする。その距離感の近さに、思わず頬が緩む。

 加えて草彅は、韓国の映画やドラマへのリスペクトをたびたび語ってきた人でもある。時代は移り、日本と韓国の距離はチョナン・カンとして活躍していたころよりも、ぐっと縮まった。今では日韓共同で制作される作品も増え、俳優たちが国境を越えて作品に参加することも、決して珍しいことではない。

 そのなかで、草彅もまた日本を代表する名優として、確かなキャリアを重ねてきた。『ミッドナイトスワン』をはじめ、近年の作品で見せてきた繊細さと強さ。その表現力が、もし韓国の映像作品と出会ったなら――。そんな未来を想像せずにはいられない。

 今回の釜山旅は、懐かしさだけでなく、これからへの期待も湧いてくる。チョナン・カンとして切り拓いた軌跡、草彅剛として深めてきた表現、そしてアイドルとしての今も変わらない無邪気な魅力。そのすべてが、韓国の街で自然に重なっていく。

 いつか草彅が、韓国映像作品で新たな代表作に出会う日が来るのではないか。今回の釜山旅は、そんな未来まで想像させてくれるものとなった。もちろん、その前にまずは6月25日公開予定の後編だ。何を見て、何を食べ、どんなふうに笑うのか。そして、韓国でも古着愛が爆発してしまうのか。草彅と一緒に旅をするような気持ちで、その続きを楽しみたい。

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