KID PHENOMENON、LA公演を経て熱狂のライブハウスツアーへ 2ndアルバム『KIDS00’s』で体現する“TOKYO NEO POP”の現在地

キドフェノ、LAでの悔しさと成長

 5月にLAで開催された『Friends From Elsewhere Summer Concert』に出演し、海外でのタフなステージを経験したKID PHENOMENON。確かな手応えとともに見えてきた課題を糧に、彼らが満を持して2ndアルバム『KIDS00’s』をリリース。前作以上にメッセージ性を強め、“TOKYO NEO POP”を体現したという本作には、メンバーのリアルなマインドや個性を詰め込んだ珠玉の新曲たちが並ぶ。

 インタビューでは、LA公演への挑戦、新曲のこだわりを徹底解剖。さらに、7月からスタートするライブハウスツアー『KID PHENOMENON LIVE TOUR 2026 "KIDS00’s" Special Edition』へ向け燃える7人の今を取材した。(編集部)

LAで感じた“悔しさ”と成長

KID PHENOMENON
夫松健介・佐藤峻乃介・岡尾琥珀・鈴木瑠偉

――5月23日には、LAで開催された『Friends From Elsewhere Summer Concert』に出演していました。手応えはどのように感じていますか?

KID PHENOMENON全員:(鈴木を見ながら)行け行け!

鈴木瑠偉(以下、鈴木):(立ち上がって)……鈴木です。

遠藤翼空(以下、遠藤):しっかり届けて!

鈴木:(笑)。グループとしては2回目のアメリカでのパフォーマンスになりました。前回の反省とか、もっと挑戦できたなと思うところを含めて改善した部分に、プラスアルファで挑戦できるものをぶつけられるように準備しました。でも、いざ本番を迎えると、会場や来てくださる方の雰囲気もいつもと違っていて、見えてくる課題があったと思います。LAから帰国した後も、会議をして、自分たちの感触について話し合っていたほど。当日はもちろん楽しかったのですが、それと同じくらい悔しさも残るライブだったと思います。いい意味で学びになる機会だったなとプラスに捉えています。

――“悔しさ”というと?

夫松健介(以下、夫松):今回は公演時間が長くなったんですよね。公演時間が短いと、エネルギーを凝縮しやすいところはあるのですが、長くなった分緩急を付けないといけなくて。そういう見せ方を海外ですることは初めてだったので、難しさはありました。日本の皆さんに対する緩急の付け方と、アメリカでの緩急の付け方は違うんだなと。自分たちの武器はこのテンション感というか、アグレッシブさなんだなということも再確認できた機会でもありました。(尺が短いと)最初から最後まで自分たちのアグレッシブさを前面に出して、会場の皆さんをロックできる感触はあったんですけど、真ん中で一回落ち着かせながら自分たちを見せて、そこからどうやって盛り上げていくのかという部分に課題を感じました。

KID PHENOMENON
遠藤翼空・川口蒼真・山本光汰

――どれくらい長くなったんですか?

夫松:前回より20分延びたので、トータルで1時間くらいのステージですかね。

――ちょっとしたワンマン公演くらいですね。

山本光汰(以下、山本):そうですね。

夫松:今回はLA公演ということもあって、西海岸のラッパーの楽曲を使ってダンスセッションのパートを作って。そこは自分たちのことを知らない方も盛り上がってくれたんですよね。最初、ステージから全然笑顔になってくれない男の人が目に止まって、絶対その人を盛り上げようと頑張ったんですけどなかなか盛り上がってくれなくて。ただ、そのダンストラックではスマホを取り出して動画を撮影してくれたんです。そういうこともあって、チャレンジしてよかったなと思いました。

一人ひとりが持つ武器を反映させて制作した『KIDS00's』

――そんなLAでの挑戦を経てリリースされる2ndアルバム『KIDS00’s』は5thシングル以降の楽曲と新曲が収録されます。直近のKID PHENOMENONが詰まっている作品だと思うのですが、このアルバム全体を通して、どのような作品になったと思いますか?

佐藤峻乃介(以下、佐藤):今回のアルバムは1stアルバムの『PHENOMENON』と比べてメッセージ性が強くなったと思います。聴いてくださるリスナーの皆さんに届けたいものがより凝縮された作品になったなと。全体のテーマとしては、前回に比べると作り込んだ世界観をあえて削ぎ落として、「ありのままの姿も美しいんだよ」っていうことを表現したくて、こういうスタイルになりました。歌詞の内容にも注目して聴いてほしいです。

KID PHENOMENON

――今回のアルバムタイトルについて資料には「2000年代に生まれたメンバーたちが歩み始めた未来への可能性を示すネーミングとなっています」と書かれています。ここでいう“未来”というのは具体的にどういうものですか?

遠藤:このアルバムだけじゃなくて、今制作を進めているツアーでも、それぞれの個性を活かすものを作っていて。僕たちはコンセプトとして“TOKYO NEO POP”を掲げています。東京にはいろいろなカルチャーが共存状態にあって。これって僕たちにも当てはまるなと思うんです。それぞれ好きなものも違うけど、このグループのことは認めて、リスペクトしあっているんですよね。それをさらに磨き上げていく……それが今起きているPHENOMENON(現象)だと思うんですけど、そこからさらに大きなPHENOMENONを起こせるといいなと。それぞれがそれぞれのフィールドでトップになって、そのトップが集まったグループという未来があったらいいなと思います。

夫松:僕たちはお互いをリスペクトし合っているからこそ、楽曲に個性が現れていると思います。だから、今回のアルバムにはいろいろなジャンルの曲があるんですよね。「こういう曲だったらこの人のバイブスを取り入れよう」みたいなイメージで、各のカラーを“KID PH ENOMENON”というフィルターを通したらこうなるよ、というのを表現しています。だからこそ、このアルバム自体が“TOKYO NEO POP”を体現しているものになるのかなと思います。

――そういった皆さんの個性はどのようにして反映されているのですか?

夫松:振付を自分たちで制作する時は、例えば、オールドスクール、ミドルスクールの楽曲だったら(岡尾)琥珀を先頭に立たせて琥珀を軸に作っていこうとか、ニュースクール、最近のスタイルだったら、この人を立たせて、R&Bだったらこの人……というふうに、それぞれが得意な武器を反映させて制作に取り組んでいます。

「KIDS」は5カウント目から盛り上がる楽曲に?

KID PHENOMENON|"KIDS" Music Video

――では、今回のアルバムに収録されている新曲について聞かせてください。「KIDS」は皆さんのマインドを反映しているような楽曲であるように感じます。どのように向き合いましたか?

遠藤:「KIDS」は僕たちにとってすごく大切な曲で、今後のKID PHENOMENONにとって大きな1歩になる曲だと思っていて。7thシングルの『Mirror』と比べると勢いのある表現が多くなっています。リリックで言うと〈点滅しない俺らの Green light〉っていう部分にもあるように、止まる気はなく、この先も続いていくぞという強い意志が込められています。僕たちが飛躍するための背中を押す楽曲だなと思います。

――この楽曲については琥珀さんがSNSで「HIP HOP Vibes感じてください」(※1)と投稿していましたが、このバイブスを落とし込むために工夫したことはありますか?

岡尾琥珀(以下、琥珀):ええ! チェックありがとうございます!

遠藤:ボーカル目線では、サビでいきなりボーカルがドカンとくるその驚きを半減させたくなかったので。すごいレイドバックするんですよ。オンでいかないグルーヴ感を出せるような歌い方を意識しました。HIPHOP好きな人にもすごい刺さるんじゃないかなって思っています。

山本:僕は特に声色の遊びの部分を意識しました。2番の〈Ain’t never lookin’ back〉っていう部分があるんですけど、ここの部分はマイケル・ジャクソンのビブラートの打ち方を意識しました。〈Ain’t〉の後のビブラートの残しを4拍にして、〈never lookin’ back 〜〜〉ってビブラートで抑揚をつけるのってマイケルさんがよくやっていたやつで。一瞬なんですけど、そこを何回も歌い直してレコーディングしました。

――そういったリファレンスは自分でピックするのですか?

山本:そうですね、海外のアーティストの方はこだわりを持って歌い回したり、ビブラートの回数とかにこだわっている人も多いので、そういう人を好きになりがちかもしれないです。それを取り入れて、うまく昇華して楽曲に乗せたり。自分の好みでしかないんですけど、こだわりを持ってやれば自分がやっていることの意味はあるなと思います。

――では、投稿主の琥珀さんはどうですか?

岡尾:僕が意識したのは、自分が踊る時の感覚に寄せることです。このビートを聴いて、自分がどうノッたら気持ちいいかなっていうのを意識しました。踊る時の感覚をそのまま音に落とし込むというか。このビートだったら、こうノるなというのをそのまま歌に乗せれば、曲として聴いた時にノりやすくなると思うのでそこを意識しました。

――皆さんもそういったアプローチはこの楽曲に限らずしているのですか?

夫松:そうですね。踊りながらレコーディングしています。録音マイクのポップガードと戦ってます。バババってぶつかるので(笑)。

――そうすることでグルーヴが生まれるのでしょうか?

夫松:はい! なんか、こう……(片手を高く挙げてピースをしながら)アゲって感じで。

――なるほど(笑)。この楽曲は10日に先行配信されました。反響はどのように感じていますか?

遠藤:「ヤバい!」みたいなリアクションだったと思います。喜んでもらえて嬉しいです!歌詞に〈Like 24 karats〉と入っていたり。

KID PHENOMENON|"KIDS" Performance Video

――ちなみに、パフォーマンスはどのようなものになる予定ですか?(※取材はパフォーマンスビデオ公開前に実施)

岡尾:ヤバいです! 本当に見ていただきたいです。ゴリゴリのHIPHOPです。

遠藤:すでにリリースイベントでは披露しているのですが、ワン、ツー、スリー、フォー、“ファイブ”のファイブカウント目でもう盛り上がります!

佐藤:曲は短めになるんですけど、トップレベルで体力を使ってます(笑)。

夫松:最高です。目がいっぱいないと足りないほど(笑)。正面から見たり、横から見たり、上から見たりして欲しいです。

関連記事

リアルサウンド厳選記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる