『BLARE FEST. 2026』DAY1総括:coldrainが体現する“自由”の核心 ONE OK ROCK、SiM……型を刷新してきた猛者たちの狂宴

誇れる仲間の想いを背負ったcoldrain トリで見せたかつてない爆走感
トッパーとしてFIRE STAGEに登場した04 Limited Sazabysはcoldrainと共に名古屋を背負うバンドであると同時に、ギターロックもポストハードコアも大口で食らうことでメロディックパンクの型を壊してきたバンドだ。いつになくユーモラスなMCで笑いを誘いながらも一直線に駆け抜けた10-FEETはまさに、coldrainの世代のミクスチャー感覚の大元であり、ロックの血脈を次から次へと接続させる回路を生み出したバンドである。ラウドなフェスと言ってしまえばそれまでだが、その皮を1枚めくってみれば、ハナからケツまで、ある種の節操なさで前世代の型を刷新してきたバンドばかりの狂宴だった。盟友として共闘してきたSiMもヘヴィロックから出発してロックそのものの絵巻に変貌していったバンドだし、SHANKもメロディックパンクから影響を受けているからこそメロディックパンクのラベルを拒むように音楽性を変化させてきたバンドである。壊すことで自分達の居場所を作り続けてきたバンド達が、ただひたすら自分達にとっての王道をぶつけるだけのラウドリレー。coldrainをまつり上げるMCなど皆無の、それぞれがただ自由に己の音楽を投下していくだけ。それが何より痛快だった。ONE OK ROCKはMasatoとMAH(SiM/Vo)とKoie(Crossfaith/Vo)を呼び込んで「Skyfall」をプレイするなど、スペシャルでお祭り感のある場面もあったが、それもまた、かつてオルタナティブだった各々の音楽がこの場所で邂逅することに対するロマンの表現だったはずだ。





そしてMasatoの言葉を借りれば「受けて立つ」側となったcoldrainのライブは、かつてなく爆走感のあるものだった。オープニングは、約10年ぶりの海外進出にあたっての名刺代わりにした『OPTIMIZE』から「FREE FALL」。音楽の視聴環境の主だった場所がストリーミングサービス上になったことで、ガラパゴスと言われ卑下され続けてきた日本の音楽が2020年台に「世界有数のオリジナリティ」として歓迎され始めている状況。その動向を格好の舞台と見たcoldrainが2000年代のルーツを遡って現行の形に刷新したような1曲からライブを始めることは、今のcoldrainを真っ向から喰らわせる姿勢の表れだと言っていいだろう。「PARADISE (Kill The Silence)」を前半に持ってきたことからも、すべてをピークタイムにして走り切る意気を感じられた。「VENA」や「FIRE IN THE SKY」にはここまでの歴史を共有する意志が感じられ、MAHとKoieを呼び込んだ「F.T.T.T」ではまさに、かつてメロディックパンクに勝つために導入した2ビートで巨大なサークルピットを描き出して見せた。文字通り「箱」であるポートメッセは音の跳ね返りが大きい場所だと察するが、『BLARE FEST.』ではとにかく音がシャープに飛んでくる。それもまた3年かけて練り上げた音環境であり血眼の準備を感じさせる部分なのだが、音が回らず一直線に飛んでくる気持ちよさによって、速い曲はさらに速く、重い曲はさらに重たく体に刺さる。何にせよバンドのエモーションと音の間にズレがなく、それがライブそのものの快感になってグングン昇っていくアクトだった。





「3回目とはいえ、至らないところはあったと思います。これまでに『こうしたかった』と思った部分を実践して臨むわけですけど、それでもいざ開催してみると、その中で気づくこともあって。それでも楽しんでもらえたなら、それが一番だなと思います。ありがとうございます。……ルールなしでやりたいけど、ルールを作りました。それを『芯がブレた』と言う人がいるかもしれません。だけど、夢も願いは変わらない。追いかけているものはあり続ける。それが、俺達にとっての『BLARE FEST.』の開催です。すでに次やりたいなっていう気持ちになっているし、常に伸び代があること自体が醍醐味だと思ってます。正直、初年度からわかってたんですよ。ギターのトラブルがあって1時間ステージに立てなかったけど、このまま俺らがライブをできなくても、この仲間がいれば大丈夫なんじゃないかなって。俺らがライブをやらなくても、この仲間達のライブがあれば文句言うやついねえよって、そう思ってた。で、そう思わせてもらえる仲間がいるのがcoldrainです。みんなに感謝します」(Masato)



おそらく、「coldrainがライブをしなかったとしても『BLARE FEST.』は大丈夫だ」というのは本当の想いだろう。だからこそ、それだけ誇れる仲間の想いを背負うライブはこれだけ輝くのだ。そして、今のところ次が何年後の開催かはわからないが、『BLARE FEST.』という遊び場は続いていくのだ。ラストはRyo(KNOSIS/Vo)とTaka(ONE OK ROCK/Vo)を呼び込んでの「The Revelation」。強烈なブレイクダウンに合わせて笑顔を浮かべる観客を見て、この無茶苦茶さとバラバラさこそが『BLARE FEST.』だと思った。ひとつになろうなんて言うから人は歪む。バラバラなままでひとつの楽しさを共有できれば、それこそが自由の体現だろう。そんなことを改めて実感する1日。最後の最後まで、正論で綺麗に整えない、獰猛すぎる理想郷が広がっていた。それが最高だった。



※1、2:https://blarefest.com/special/


























