IBERIs& 三波春香・西尾桃子・園田れい、葛藤や挫折を経て芽生えた深い絆 紆余曲折の3年間を振り返る

「メンバー全員に感謝を伝えたいです」(西尾)

ーーでは、ユニットとしてはどんな3年間だったと思いますか?
園田:IBERIs&の8人は、オーディションで日本全国から集められた普通の女の子たちなんです。だから当時は全員「頑張りたい!」という気持ちはあるんですけど、どこか足並みが揃っていなかったというか。
西尾:見ている方向が違ったよね。そもそも、オーディションの合格者が発表された日、「この8人です!」と言われたけれど、正直まだ仲のいい人がいなくて。
ーー大勢参加していましたもんね。
西尾:はい。2カ月くらいのオーディション期間のなかでも、関わってこなかった人たちだったから、「この8人で大丈夫かな?」って。
三波:特に私は、園田とも西尾ともほぼ喋ったことがなかったんだよね。
西尾:そうそう! 「三波春香って誰?」って感じだった(笑)。オーディションがはじまったばかりの頃、ビジュアル撮影で「とんでもない美少女がいる!」と話題になったのが三波だったんですけど。
三波:奇跡の1枚が撮れちゃって……(笑)。
西尾:だから、実物を見てもその子と三波が結びつかなかったんですよね。「あの美少女はどこにいった!?」とは思っていたんですけど。
三波:服装がありえないくらいダサかったのもあるよね(笑)? この服になぜそれを? みたいなアームウォーマーを合わせたりしていて。
園田:オシャレっていうより、単なる日焼け対策みたいだったよね(笑)。それに、三波とはオーディションで同じチームだったのにあまり覚えていなくて。合格後に話をして、「そういえば!」と思い出したくらいなんです。
三波:チームが一緒でも、接することが少なかったんだよね。だから合格直後に西尾や園田と2人きりになったときは、正直気まずいなと思ってた。タクシー移動をするときも、「何を話せばいいんだろう」と戸惑っていたくらいだから……本当に仲良くなれてよかった!
西尾:そうだね! あとは、最年少の日菜もどのコミュニティでもなかなか心を開けないタイプだったよね。
三波:たしかに!
園田:明るく接してくれるし、ハキハキ喋ってくれるけど、心の中を見せてくれている感じはなかったよね。最近、ようやく心を開いてくれてうれしいです。
西尾:「こんなに心を開けるのは、IBERIs&だけ」って言っていたもんね。そんな存在になれてよかったよ。今ではもう、IBERIs&が家族みたいな存在になっています。
ーーその関係性は、どんなふうに育んでいったのですか?
西尾:一緒にいる時間がいっぱいあったのが大きいよね。
園田:そうだね。その時間でたくさんお話して、少しずつ仲良くなっていったと思う。
西尾:あと、スタッフさんに怒られてしまうこともあるんですけど、そこでお互いを励まし合うことでまた絆が深まるんですよ。
三波:それに、お泊りしたり、ご飯を食べに行ったりとほぼ毎日一緒にいるので。

ーー仲良くなるのは必然だったのですね。では、そんなIBERIs&が壁にぶつかったことはありますか?
園田:初期で言うと、2ndシングル『SUMMER RIDE』(2023年7月リリース)のリリースイベントです。
三波:ああ! 当時は、8人での活動がめちゃめちゃ楽しくて、「みんなのことも大好き! ウェーイ!」みたいな感じだったんだけどね。
西尾:みんなで百味ビーンズを食べたりして。
三波:そうそう、学校生活みたいに楽しんでいたんですけど、いざステージに出たら、お客さんが10人いるかいないかくらいだったんですよ。
園田:広い会場だったから、空いた空間がめっちゃ広く感じて。食らったよね。
三波:あれは忘れられない。
園田:落ち込んだね。だからこそ、熱が入ったのもあるんだけど。
三波:あと、大きな壁でいうと『ANIMAX MUSIX NEXTAGE 2024』(2024年9月開催)もありますね。5組のうち1組だけが『ANIMAX MUSIX』に出られるという登竜門的なイベントなんですけど、IBERIs&もそれに出られることになって。「もう無理!」と、音を上げたくなるくらいめちゃめちゃ練習したんですよ。大変だけど、「ここから上に上がるんだ!」と思って。ちょうどその頃、『サマソニ』(『SUMMER SONIC 2024』)や、『アニサマ』(『Animelo Summer Live 2024 -Stargazer-』)のけやきひろばステージに出させてもらったりしていて、たくさんチャンスをいただいていた時期だったので、この勢いのまま「NEXTAGE」も行こう! と思っていたんですけど……ダメで。
西尾:LINEのグループ通話で1位を取れなかったと聞いたとき、みんな無言だったもんね。で、電話口からすすり泣く声だけが聞こえてきて。みんな悔しいんだなって思った。
三波:本当につらかったです。「ここからどう立ち向かっていくべきなんだろう?」と、とても大きな壁にあたってしまいました。
西尾:直後に、エンディングテーマを担当させていただいたアニメ『きのこいぬ』(2024年10月期/IBERIs&の7thシングル「Heart b-b-beat!!」がエンディングテーマ)の放送が始まって、これを機に知ってくれる方も増えたので、「私たちにできることは、今の活動をしっかり頑張ることだ」と8人で励ましあい、なんとか持ち直しました。そうして絆が生まれていったように思います。
園田:あとは、応援してくれるファンの存在も大きいです。
西尾:そうそう。アツくなってくれたよね。あの時期は特に、ファンのみんなに助けられたと思う。
三波:結果はダメだったかもしれないけど、『NEXTAGE』で私たちを観て好きになってくれたファンの方も多いし。
園田:うん! それに、当時の私たちは、『NEXTAGE』に落ちたことで努力が全部ムダになってしまったと思っていたんですけど、「そんなことはないよ」「すべての努力が8人の力になっているはずだよ」と教えてくれたのもファンのみんなでした。
ーーグループとしても大きなターニングポイントを経て、絆を深めていったのですね。では、もう一段階絆が深まったと感じた瞬間はありますか?
西尾:めちゃくちゃ最近なんですけど、4月18日に行うワンマンライブ(『"Magic Hour vol.11"〜Episode.1 FINAL〜』@渋谷duo MUSIC EXCHANGE)に向けて、話し合いの場を設けたときですかね。IBERIs&にとって最大キャパの会場なので、「今のままじゃヤバい」「絶対に埋めたい」という気持ちが強くなって。そこからメンバーとライブについて話すことが増えて。会話がちょっと変わった気がするんですよ。
ーーというと、どんなふうに?
西尾:メンバー一人ひとりの言葉から「パフォーマンスを良くしよう」という意志が伝わってくるんです。この前も、れいちゃんが自分の直したいところをみんなの前で言っていて、すごいなと思ったんですよ。自分の欠点を自分から晒すなんて、勇気がいるじゃないですか。だけど、それすらも気にせず話し合える機会が増えてきて、個々をより深く理解できるようになってきました。「4月18日、絶対に埋めるぞ!」という気持ちを共有できて、より強い絆を感じられるようになりましたね。
三波:ほんと、あの日の話し合いはすごく大切な時間だったと思う。
園田:今までも絆はあったけど、レベルアップした感じがします。一人ひとりの本音を聞けたのも大きかったですね。
西尾:……そういえばさ、昔「私たち、本音でしゃべれてなくない?」みたいな話をしたよね?
三波:懐かしい! したね。
園田:事務所の先輩でWUG(声優ユニット・Wake Up, Girls!!の略称)として活動してた吉岡茉祐さんからも「ケンカして、ぶつかりあっていた時期がある」と伺って、「私たち、そういうのないな」と気づいて。「もっとケンカしたほうがいいのかも」みたいな話もしたんだよね。
西尾:した! その流れで、それぞれに「本音を言おう」という意識が生まれていった気がする。懐かしい……。ただ、もし本当にケンカしちゃったとき、ライブやリリイベで隠すことができないんじゃないかなと思ったんですよ。
三波:どうしてもね。ケンカ慣れしていないし。
西尾:で、ファンの人にギスギスしているのが伝わっちゃうのはよくないから、「ケンカしたほうがいい」とは言いづらかったんですけど、本音で話せるようになってきた最近は言えるようになってきました。

ーーじわじわと変化してきたのは確かですが、急激な成長を遂げたのはここ1年くらいという印象ですね。
三波:そうですね。急速に成長しています!
ーーでは、ここにいる3人以外のメンバーに感謝を伝えるとしたら、誰に何と言いたいですか?
西尾:それはもう、みんなに感謝を伝えたいですね。ムードメーカーとして、良い雰囲気を作ってくれてありがとうって。みんなかまちょで自分の話をするのが好きだから、喋っていない時間がないんですよ。浜崎七海は、昨日今日の出来事をひたすら話すし、小川華果は自分の体調のことまで伝えてくれるし(笑)。で、大橋海咲と日菜はノリが良いから、七海と華果の話を全部拾って、広げてくれる。
園田:私なんて、たまに無視しちゃうんですけどね(笑)。ちゃんと拾ってくれていい子たち! と思っています。あと、百々香は独り言が大きいから、誰かに言っているのか独り言なのかわからないことがあるんですよ。「今日の帰り○○だから、今から△△と□□をしていかなきゃ!」みたいな長文を言うから(笑)。で、もしかして、私が拾うべきかな?と思っていたら海咲が拾ってくれてありがとう! みたいな。
三波:わかる。頼もしいよね。海咲にはさりげない一言で人を救う力があると思っています。それこそ、4月18日に向けた話し合いのとき、私がふとマイナスな言葉を言ってしまったんですけど、帰り道で海咲が「あんなこといわないでほしい。私はあなたを必要としているから」と言ってくれたんです。
西尾:かっけー……!
三波:あのとき、「よし、海咲のためにも頑張る!」と思いました。





















