「音楽以外にできることは何もない」――誰も見たことのないデュオ、ここに覚醒! COX2「調子に乗っちゃって」の無敵モード

SAKIKA(Vo/Gt)とMIREI(Rap/Dr)によるポップロックデュオ・COX2(ココ)。10代の頃から同じバンドで活動をしていた彼女たち。そのたしかなスキルと信頼関係のもと、ギター&ボーカルとドラムを叩きながらのラップというユニークな編成と、メロディアスで中毒性の高い自由な音楽スタイルで活動中。すでに多くの楽曲を配信リリースし、キュートなルックスでSNSでも人気を集めている。
2月20日には2026年1発目シングル「調子に乗っちゃって」をリリースした彼女たちに、新形態で音楽活動をスタートさせた想いと、遊び心を大切にした楽曲制作について語ってもらった。SAKIKAとMIREIによる、真逆な性格だからこそ無敵感溢れる佇まいを感じ取ってもらえたら嬉しい。(上野三樹)
「ずっと『私は音楽でやっていくんだ』と思ってきた」――運命のふたり組
――COX2のディスコグラフィは、2022年11月に「ちゃお」をリリースされているのが最初なんですが、おふたりの活動としてはいつ頃からどのように始まったのでしょうか。
SAKIKA:活動が始まったのは、「ちゃお」をリリースする1年前くらいからです。私たちはもともと4人組のガールズバンドで活動をしていたのですが、2021年に解散して。それから私はバイトをしたり、ソロで路上ライブをしたりと、それぞれの時間を過ごしていました。でも、やっぱり音楽はひとりでやるよりも、人とやるほうが楽しいなと感じていて。「なんか楽しい音楽がやりたいな」「もし誰かと一緒にやるなら誰やろう?」と考えた時に、もともとのバンドでも唯一の同じ歳で、仲のよかったみーちゃん(MIREI)に声をかけたら、すぐに「いいよ!」と言ってくれました。
MIREI:池袋のめっちゃ安い居酒屋でその話されたの覚えてる(笑)。
SAKIKA:ね! したよね(笑)! バンド時代はみんなで共同生活もしていたので、心の距離は近いですし、みーちゃんがラップに興味があるというのも知っていたので。新しい音楽を一緒にやったら楽しいだろうな、って。
――ひとつのことを一生懸命にやって、それが終わってからまた新しいことを始めるって、すごくエネルギーがいることだとも思うんですけど。バンドを解散してから「やっぱり音楽がやりたいんだ」という気持ちはどのように湧いてきたんでしょうか。
SAKIKA:音楽以外のことを考えたことがないんです。10代で音楽を始めてからずっと「私は音楽でやっていくんだ」と思ってきたので。なので、バンドが解散しても、何とかして音楽は続けたいと思っていました。
MIREI:私はバンドが解散してから一瞬燃え尽きていましたが、1、2カ月くらいで「なんか暇やな」と思いました。音楽以外にできることは何もないな、と(笑)。
――MIREIさんのラップへの興味はどんなきっかけで?
MIREI:もともとHIPHOPが好きでよく聴いていて。バンドみたいにイチから音作りをしなくても、いろいろなサイトから著作権フリーのトラックを買ってそこに声を乗せるだけで音楽が作れたりするので、始めやすかったんです。なので、「一旦これでやってみよう」と思い、遊びながらやっていました。ひとりでどんなふうに活動していくかなんて全然考えずに。「今までドラムをやっていたのに、急にラップやってる!」と思われるだろうなと思って、最初は顔出しせずにパンダの被りものを被ってやっていました。
――パンダを被ってラップですか(笑)。
MIREI:はい(笑)。面白方向で行こうと思って、試行錯誤していましたね。
まったく違うふたりが起こす面白い化学反応

――SAKIKAさんの「楽しい音楽をやりたい」という想いと、MIREIさんのラップやユーモアが合致したんですね。
SAKIKA:そうですね。ずっとバンドをやってきたので、もっと違うジャンルを知って音楽全体を楽しんで、さらに広げていきたいなと思っていたので。みーちゃんがラップをしていることで、面白い化学反応が起きるんじゃないかなと思いました。
――MIREIさんのドラマーとしてのリズム感はラップのなかにも活かされている感じですか。
MIREI:活かされていると思っています。もともとダンスもやっていましたし、リズムを取る系はずっとやってきているので、自分のなかにプライドがあるといいますか。ヘタにはできないなと思っています。
SAKIKA:みーちゃんはコンテストでも優勝するくらいのダンサーだったんですよ!
MIREI:一時期は、将来ダンスの先生になるかなと思っていましたが、気がついたらドラムして、ラップしていました(笑)。
――多才なんですね。
MIREI:……全部リズムで繋がっているんで!
SAKIKA:かっこいい(笑)。
――(笑)。曲作りやレコーディング、SNSやライブなどいろんな活動があると思いますが、おふたりの役割分担はどんな感じですか。
MIREI:基本的にSAKIKAが曲作りをして、SNSはお互いにアイデアを出し合って、撮影して、編集して、それを私がアップしている感じです。
SAKIKA:みーちゃんは細かい事務的なこともしてくれてるよね?
MIREI:うん。お金の管理とか、メールの返信とか。本当はそういうの苦手なんですけど……。
SAKIKA:ごめん(笑)!
――つい本音が漏れていますが(笑)。
MIREI:メールで「お世話になっています」とか、初めて使いましたもん。でも、やっぱりSAKIKAがずっと曲を作っている姿を見ているので、「私もやれることをやらなあかん!」と思って。
「この編成はマジで見たことない」と言われることが増えた(MIREI)

――曲作りはどんな感じでされてるんですか?
SAKIKA:バンド時代はレコーディングとかも全部、生の楽器でやっていたんですけど。今は自宅でDTMを使って曲作りをするのが楽しくて、「こんなのできたんだけど、どう?」ってみーちゃんに送って、そこに「ラップ入れてみるわ」みたいな感じで。そうやって楽しみながらやることを、COX2の曲作りでは大事にしています。お互いの感覚を信頼しているからこそできることもあるなと感じていて。たとえば、「ここのドラムパターン、変かな?」と相談して変えることもありますし、お互いにすごくラフな感じでやっています。
――ボーカル/ギターとラップ/ドラムのふたりという、ユニークな編成ですが、バンド時代と現在では、ステージでのパフォーマンスにどんな変化がありましたか。
SAKIKA:やっぱり、ふたりで魅せるというところはクリアしていかないといけないなと。私たちは打ち込みの曲も多いので、みーちゃんがMPCとドラムを叩きながら演奏するスタイルはバンドではできないですし、ふたりだからこその柔軟さがあるなと思います。そういえば、実はライブで踊ったことも一度だけあります。
MIREI:だいぶ初期のほうにね(笑)。でも、その時に恥ずかしくなっちゃって。
SAKIKA:だから、今後やるかはわからないですけど(笑)。でも、当時はとりあえずステージでできることとして、ダンスをしたり、私がシンセベースを叩いたりなど、いろいろやっていました。今はドラムとギターと、たまにMPC、というスタイルに落ち着いてきました。
MIREI:最近よくライブをするようになって「この編成はマジで見たことない」と言われることが増えたので、案外武器になりそうなことを自分たちで考えてやっていたのかな? いろいろ試しながらでしたが、これでよかったなと思います。
――ちなみに、ユニット名を決めたのはいつなんですか。
SAKIKA:最初は「COCO」という表記で、たしか最初の音源をリリースする時には決まっていたと思います。「かわいいから『COCO』でいいんちゃう?」ってみーちゃんが言い出して、「いいね!」みたいな感じで。軽々しく決めました(笑)。
MIREI:だから全然、込めた想いとかないんですけど……ココ・シャネルくらいのすごい女性に将来なろうということで。
――それは後付けですよね(笑)。
MIREI:今、無理矢理言いました(笑)。
SAKIKA:それくらいノリで決めたので、「COCO」だと全然検索に引っ掛からなくて。それで、途中で表記を“COX2”に変えました。
――「Let’s play with COX2」という合言葉に、今の音楽活動において“遊び心”を大事にされているんだなと感じました。ゆるくてキュートな雰囲気も楽曲から感じますが、今のおふたりが、まさにそういう音楽を求めているということなんでしょうか?
SAKIKA:そうですね。やっぱり自分自身が楽しめる音楽を長く続けたいなと思っているので、あまりストレスがないように、曲に対して柔軟に向き合うようにしています。私たちにしかできないCOX2ワールドで、聴いてくださる方が「何か楽しそうにやってるな」と思ってもらえるような、楽しいバイブスを出したいので。だからこそ、自分たちも楽しまないといけないと思っていますし、何かを突き詰めて考えていくよりも、「こういうのやろう!」というフラッシュアイデアを大事に活動しています。




















