元JUDY AND MARY・TAKUYA、心臓病は「本当に怖かった」 手術を経て、台湾からタイへ移住ーー直感を信じる生き方

TAKUYA「気持ち的にはセミリタイア」

海外移住への想い「こういう生き方もあっていい」

TAKUYA

――台湾に移住されたのには、どんな思いがあったんですか?

TAKUYA:コロナ禍以降、オンライン会議によって遠隔で打ち合わせもできるようになったし、「東京にいなくていいな」と思ったんですよね。東京には20年以上も住んだし、いろんな世界を見たので、もう日本でやりたいことはないなって。最初は福岡に行こうかなとも思ったんです。でも、僕は台湾のアーティストを10年以上前からプロデュースしていて、向こうに知り合いのスタッフも多い。10年ぐらい前から台湾に留学して、語学の学校にも行っていたので、前々から中国語の勉強はしていたんですよね。東京を離れようと思ったタイミングでたまたま4年ぶりぐらいに台湾へ行ったら、街がというか、コロナの衛生的予防もあってか水廻りがすごくきれいになっていて、近代的なマンションも増えていた。中国語もなんとなく話せるレベルに達していたのもあって、「台湾に住めば、さらに中国語を話せるようになるだろうな」と思ったんです。

――それで台湾への移住を決めたと。

TAKUYA:当時、大黒摩季さんのツアーにギターで1年間帯同していて。大黒さんは「これを集大成のツアーにするつもり」と言っていたけど、僕も同じ気持ちで弾いていたんですよ。体調も、あとから思えば心臓の問題で不安定だったので、体力的にも旅回りのギタリストは、これで卒業だろうなと思いながら、万感の思いを込めてツアーをまわっていました。自分のキャリアを振り返って、第1期がジュディマリだとすると、第2期はロンドンに2年間住んで欧米を旅して向こうのカルチャーを吸収しつつ、英語を喋れるようになった頃から始まりました。ロンドンで培ったスキルを持った上で、日本に帰ってきて、作詞・作曲、プロデューサー業をやりつつ、台湾の仕事も受けられるようになった。ほかにも『仮面ライダーW』(テレビ朝日系)の仕事をするとか、アーティストのサポートギタリストなど、いろいろやりきったなと思い、第2期を終了することにして。10年前から中国語を学んでいたので「時がきた」と思い、「第3期はトリリンガルになる」と決めましたね。ちなみに、今はバンコクに移り住んだんですよ。

――え、そうだったんですか!

TAKUYA:台湾に2年半住んで、中国語がだいぶ喋れるようになって。具体的に言うと、日本語が全くわからないスナックのホステスさんを口説けるぐらいにはなった(笑)。

――それは、かなりの腕前ですね。

TAKUYA:それだけ話せたら、もう十分じゃないですか(笑)。なので、台湾はいいかなと思って、日本に帰ろうかと悩んでいたところ、去年の3月に友達が「仕事でタイに行く」と言っていたり、仲のいい焼き鳥屋さんがタイにお店を出すと言ったので、「じゃあ、僕もバンコクへ行きます」と。そのときは6泊ぐらいしたのかな? 久しぶりに行ったらびっくりするくらい街が進化していて、「バンコクに住めるかも」と思ったんですよね。今、めちゃくちゃいいマンションやビルが建っているんですよ。日本にはいつでも帰れるから、せっかく心臓も治ったし、もうワンステップ行ってみるかと思って、今年の秋ぐらいからバンコクに住んでいるんです。

――そのフットワークの軽さは何なんですか(笑)。住んでいる国を変えるって、かなり大変ですよね?

TAKUYA:確かに大変なんだけど……これほど世の中が便利になったし、交通網やインフラも進んでいるから「地球をもっと広く使ってもいいよね」と思うんですよ。それこそ、中華圏は日本からすごく近いのに「なんで、みんな中国語を勉強してないの?」とも思う。近いようで遠い世界、そのコンプレックスを晴らしたかった。電車のアナウンスって、何カ国語も流れますけど、少なくとも僕は日本語、中国語、韓国語、英語が分かる。みんなにとっては、ただのノイズになっているものが、自分にはちゃんと聞こえている。これほど痛快なことはないですよ。もちろん国によって、文化も違えば宗教観も違う。いろんな場所へ行き、いろんな人と出会い、いろんな価値観を知り、いろんな音楽とかカルチャーを吸収する。せっかくどこへでも行ける時代だから、まだ体が動けるうちに多くの体験をしたいなって思うんですよ。タイ語も徐々に勉強スタートしています。

――これからの人生は、どのように歩んでいこうと考えていますか?

TAKUYA:今、気持ち的にはセミリタイアをしていて、いかに優雅な老後を過ごすかを考えています(笑)。それで言うと、上岡龍太郎さんの生き方はカッコいいですよね。憧れです。大橋巨泉さんもかな(笑)。そもそも“海外”って言うと日本の人は身構えるけど、僕からしたらアジア圏は大した距離じゃない。すぐそこですよ。最近はバンコクからベトナムに行きまして。今、ベトナムは建築ラッシュで「不動産を買うなら、もうタイは遅い、ベトナムがいい」ってみんな言うくらい成長してるんです。あとは、マレーシア、インドネシアもいいって聞きますね。とにかく今、アジアが熱くて。それを(直に)体験できているのが嬉しいかな。日本に帰るたびに「暗いな……」と思いますよ。「東京は人々の顔が疲れてるぞ」って。あと、服の色が地味。黒とベージュばっかりでしょ? 圧倒的にファッションがオシャレなのは日本だと感じますけど(笑)。日本は島国だけど、全て揃っていて素晴らしい国なので、外に出なくて十分だとは思いますが、「こういう生き方もあっていいよね」って、自分の直感を信じて生きています。言葉の壁は大変だと思うけど、習得したら本当に世界が広がりますよ。

――TAKUYAさんって、肩肘張らずに人生を謳歌されていますよね。

TAKUYA:いい人生って、今のベストを尽くして、いかに楽しんで生きられるか。楽しいことはあとにとっておかないで、今やっておくべきだと思うんですよね。とはいえ、楽しく生きるのはなかなか難しくて。ここ数年、僕は体調は悪いし、めちゃくちゃ暇な生活をしていて、普通の人はこの暇さに発狂するだろうなと思う。「何をしているんですか?」と聞かれても、本当に何もしてない、体調的にできない日も多かったから(笑)。

――ははは。どんな1日を過ごしているんですか?

TAKUYA:たとえば11時ぐらいに起きたとして、まずは「ランチはどこのお店にしようかな?」と考えながら、携帯のアプリを開いたり、メールをチェックしたり。13時になったらランチを食べに行って、メールの返信やライブ制作の準備などノマド的に、帰ってきたら作曲の続き。16時くらいになると、屋上にあるジムとプールに行ってトレーニング、部屋に戻ってお風呂に入ったら夕方過ぎ。今度は「晩メシはどうしようかな?」と思いながら、ビールを飲んでまた作曲。20時くらいに晩メシを食べに行って、帰宅後にYouTubeとかNetflixを観ていたら、24時になっている。そこからX(旧Twitter)のライブ配信をして、3時ごろに就寝します。

――だいぶ精力的なルーティンですよ。

TAKUYA:ははは。今日は取材が何本かあるから、あんまり寝ぼけた顔をしてても申し訳ないので、朝に40分くらい外を走っていたんですよ。近年、外を走りながらカスタネットの練習をするんです。今日も午前中にカスタネットを叩きながら走ってました。

――その姿を見てみたいです(笑)。次のライブも近いですからね。

TAKUYA:そうそう。3月15日に神奈川・ワンダーウォール横浜の出演が決まっているのと、6月は高円寺で、秋にもライブをやろうと思っているんです。

――ライブはもちろん、新しいアルバムも楽しみです。

TAKUYA:それこそ、去年のライブで披露した新曲2曲を作ったことで、自分の向かう先がはっきりしたんですよ。その2曲に合う6〜8曲を新たに加えれば、アルバムにまとめられる。しかもね、最近は時間をかけて曲をしっかり書けているので、今までの僕とは全然違うアルバムになりそう。とにかくみんなが驚くような、すごい曲を準備してます。今までの自分を更新するような作品になりそうです。期待していてほしいですね。

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