East Of Eden、ほとばしる5つのエネルギー ツアー『Growing』――情熱が炸裂し続ける楽園、熱狂の具現化

 East Of Edenが、ライブツアー『East Of Eden Spring Tour 2026 〜 Growing 〜』を開催中だ。ドラマ『AKIBA LOST』(日本テレビ系)の主題歌「The weight of choice」が1月にデジタルリリースされたばかりで、6月には新譜の発売も決定するなど、まさに文字通り波に乗っているEast Of Eden。本稿では1月30日、KT Zepp Yokohamaで行われた初日の横浜公演の模様をレポートする。なお、公演内容の詳細を含むため、今後ツアーに参加される方はご注意を。

 平日にもかかわらず、多くのファンが詰め掛けたKT Zepp Yokohama。SEが落とされ暗転すると、ライブの始まりを告げるレーザーライトとBGMが会場を包む。客席もハンドクラップでメンバーを向かい入れ、最後に湊あかね(Vo)が登場すると大きな歓声が沸き起こった。

 オープニングナンバーは、息を呑むような迫力のアカペラから始まった「Our Fate」。強いビートと疾走感あるメロディで、冒頭から大きなインパクトを与えた。メンバー5人が魅せる明るい表情と強い音色のギャップが美しい。続いて、リーダー・Ayasa(Vn)の「楽園へようこそ!」のシャウトとともにスタートした「Eden」。メンバーが縦横無尽に動きながらパフォーマンスし、客席もその熱量に呑み込まれていく。Ayasaの奏でるバイオリンの旋律とボーカルの迫力が増していくと、Yuki(Gt)、MINA(Ba)、MIZUKI(Dr)も衝突するような激しさをもって調和していく。複雑で繊細ながら大胆なアンサンブルの奏でる音色は、まさに楽園。会場を包むライブ序盤の緊張も、5人の放つ熱によってどんどんほぐれていき、客席も少しずつ熱狂の一部へと変化していった。

 約1年ぶりのツアー、そして初日公演のこの日、「今日は気合いを入れてやっていきますので、ぜひ暴れていってください。初日横浜、負けんなよ!」とコール&レスポンスで会場を温め、メンバー紹介と挨拶を終えると次のブロックへ。ギターのイントロが流れると、空気がピリッと切り替わり歓声が上がった「Doesn't Matter」。拳を上げ振り回す客席に一体感が生まれる。続く「無重力飛行」では、バイオリンソロに始まり、ギター、ドラム……と次々に重なっていくイントロの迫力で場を圧倒。ここまではなかったキュートな歌唱表現も含め、ガールズバンドならではのしなやかさとパワフルさがあった。

 今回のライブでは、初のアコースティックコーナーも設けられた。「This Moment」ではギターとボーカルだけの演奏から、バイオリンが加わり、カホン、ベースと次々にジョインしていく。突き刺すようなハイトーンのボーカルも、アコースティック編成によってまっさらな感触となって伝わってくる。さらに続いた「残された果実」では、観客のハンドクラップが曲の持つ軽やかさとムードと完璧にマッチ。ジャジーなアレンジが楽曲の新しい魅力を引き出していた。それぞれの楽器の音色が際立つ、アコースティックならではの味わいが心地好い。

 MCでは、1月16日にリリースしたばかりの「The weight of choice」の話題に。ドラマにも出演中のMINAは、ドラマ内でのキメ台詞とポーズを披露。「Ayasaさんのも聞きたいですよね?」と観客を煽り、その無茶ぶりにAyasaは「お前ら、絶対グッズ買えよ!」と恥ずかしがりつつもセリフとポーズをばっちりと決め、会場中が大いに盛り上がった。

 そして初披露となった「The weight of choice」へ。壮大かつ静かに始まり、徐々に力強さを増していく。音の重さが心をひっかいていくような痛みを表現したかと思えば、光が差し込むようなカタルシスを感じさせる抜け感まで、光と影の共存する世界観が展開していく。そこからがらっと歌唱法を変え、低いトーンのボーカルとアンサンブルの大迫力で会場を静かに熱狂させたのは「Don't Look Back」。カリスマ性を感じさせる5人の立ち姿やその音圧からも、ハードロックが元来持つ重さと熱さがいよいよ会場全体に充満していくのがわかる。

 続くインスト曲「Yellow Card」は、楽器隊全員が調和しながらそれぞれの見せ場を作り、ステージと客席が一体となって音そのものをミニマルに楽しんでいる姿が印象深い。激しいレーザーライトのなか、徐々に激しさを増していき、コントラストが鮮烈なソロドラム、バイオリンソロとギターソロが競い合うようにボルテージを上げた。さらに、妖艶さを携えた表現で雰囲気が一変した「螺旋回廊」、扇子を操りながらハードコアで和のムード漂う「Darkside Lotus」と、激しさとたおやかさが共存する楽曲が続き、表現の幅広さを存分に味わうことができるブロックとなった。

 続くMCでは5人のナチュラルなトークが展開。横浜出身でラジオのレギュラー番組を持つ湊を中心に、客席とコミュニケーションを取りながらご当地トークを繰り広げるなど、激しいステージとのギャップもまた魅力的だ。今回のツアーについてAyasaは、「皆さんが知ってる曲を中心にセトリを組んでいて。『皆さんと一緒に曲を育てていこう』という『Growing』ツアーです。私たちと一緒に育んでもらえたら」と語り、いよいよライブはラストスパートへ。

 最終ブロックは「IKIZAMA」から。East Of Edenの信じるロックの真髄を示すかのようなプレイを客席にぶつけると、それを受け取ったファンからのシンガロングと歓声でライブは激しさと熱量を上げていく。「まだまだ暴れたりないですよね? ついてこいよ!」と「Breaker」に続くと、さらにそのエネルギーは上昇。客席も大きな掛け声でその激しさと並走する。火花を散らしたような熱さが会場全体に伝播したまま、「Evolve」へ。ここでも湊のボーカルは、低音からハイトーンまでどこまでも自由に駆け回っていく。もちろん、ほかの4人も同様、それぞれが個性をぶつけ合いながら音をひとつにしていった。

 「みんな日和ってない? いけんの?」と笑顔で煽られながら始まった本編最後の曲は、「Chasing The Moon」だ。メンバーが揃ってステージを左右に大きく移動し、弾けるような演奏と笑顔で客席をどんどん盛り上げると、観客も負けずに熱量を打ち返していく。晴れやかな表情の5人と、音に没入して踊る客席――この日のライブを象徴する珠玉の時間となった。

 アンコールは、ライブTシャツに衣装チェンジした5人がステージに再登場。中森明菜のトリビュートアルバム『明響』に収録されたカバー曲「TANGO NOIR」をパフォーマンスした。湊の低音ボーカルが冴えわたり、本家をリスペクトしたコレオもクールながら艶やか。バイオリンのリフ、リズム隊のビート、ギターのフレーズが少しの湿度をもって絡み合う。前回披露した際は、産休中だったYukiを除く4人、なおかつFCイベントという限定された場所でのパフォーマンスだったとのことで、5人体制では初披露。「完全体の5人で全国に届けようと、セットリストに入れました」と語られると、客席からも大きな拍手が贈られた。

 最後の曲は、客席の拍手の大きさで「Shooting Star」か「Judgement Syndrome」のどちらを演奏するか決めるという趣向を凝らした試み。客席から「両方やって!」「選ぶの難しい!」と声が挙がるなか、拍手の量は若干「Shooting Star」が多く、この日のラストナンバーが決定。ハンドクラップ、拳を突き上げてのシンガロング、間奏のヘドバンと観客の熱量もまだまだ上がり続ける。そんなファンに向ける5人の楽しそうな表情も相まって、ポジティブなメッセージがまっすぐ会場を突き抜けていった。最後は5人揃って生声で挨拶をすると、客席から大きな拍手と歓声が贈られ、熱狂のライブは幕を閉じた。
 
 ストーリー性や世界観のある曲、聴き手をエンパワメントする曲、メッセージ性の強い曲――。East Of Edenにはバラエティに富んだ楽曲が揃っているが、5人それぞれが巧みに表現のディティールを切り替えていく姿は圧巻だった。時に包み込むような深さを見せたかと思えば、次の瞬間には鋭いエネルギーをぶつけられる。技術や表現力の高さは無論語るまでもないのだが、何よりもライブで体感できるのは5人のほとばしるエネルギーだ。最後の一瞬までその熱量は下がることがなく、ひたすらに音楽への情熱が炸裂し続けたライブだった。

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