KEIJU、盟友たちとともに届けたアリーナワンマン ステージで示した自身を更新し続けるアーティストの姿
2作目のフルアルバム『N.I.T.O.』をリリースし、初のアリーナツアー、全国5都市を回るZeppツアーなど2025年トップクラスの活躍を見せたラッパー KEIJUが、『N.I.T.O. TOUR FINAL』と題し、ぴあアリーナMMにて1月24、25日の2日間にわたって公演を開催した。彼のキャリア初となるアリーナ2DAYSワンマンライブである。本稿では、その1日目に当たる1月24日のライブの模様をお届けしよう。
定刻の18時を過ぎた頃、ステージ後方の巨大なモニターにはKEIJUが歩んできた歴史がダイジェスト的に映し出される。さらに映像のなかで、KEIJUが愛車の運転席から降りてマイクを握ると、2016年に発表したYOUNG JUJU名義での1stアルバム『juzzy 92'』に収録された「The Way」がスタート。KEIJUが歌いながらステージに向かっていく様子に会場全体がどよめく。「これって今の映像?」。あちこちからそんな声が聞こえてくる。そんなオーディエンスの声は、2023年3月に“終演”したKANDYTOWNの面々とともにKEIJUがステージに現れると一気にどデカい歓声に変わる。それから「Angel Dust」「Local Area」「PROGRESS」とKANDYTOWN名義の曲も織り交ぜて矢継ぎ早に披露。最初の10分に粋な演出と自身のこれまでが濃密に詰め込まれていた。
拍手を背にKANDYTOWNの面々がステージを降りたあとは「Let Me Know」へ。〈Depends on me〉というラインの観客による合唱は圧巻だ。さらに「Pilot」「Not 4 Me」と続け、次の「Tears」ではサックスのMELRAWが登場。「too real」ではYDIZZYが、「alone」ではJin Doggが呼び込まれ、ぴあアリーナMMは2019年の『heartbreak e.p.』の内省的なムードに。「みんな一緒に歌ってくれるかい?」と昨年亡くなったJJJとの共作曲「Wind Rise」をパフォーマンスし、温かな空気で最初のセクションを締めくくった。
爆音のバンドサウンドで「Illicit Intro」が鳴り響いて中盤がスタート。KEIJUは、自身のマーチャンダイズである「N.I.T.O.」と背面にプリントされたレザージャケットを羽織って花道に登場した。「Checkers Skit」「NEVEREST」「K2」「same side」と続け、『T.A.T.O.』(2020年)収録の「Blonde」を挟み「Shirase」へ。そこから7とGottzを呼び込んで「Daydreamin'」、7とそのまま「Mama's Boy」と『N.I.T.O.』で示した現在のKEIJUを緩急豊かに届けていく。この中盤以降で見せたバンド演奏との見事な仕上がりは2025年のKEIJUの集大成とも言えるだろう。しかも、最新アルバム『N.I.T.O.』の曲が、その後パフォーマンスされた過去のヒット曲「Falling」「LONELY NIGHTS」とも負けず劣らず観客を熱狂させていた。それは現在のKEIJUが、アーティストとして自らを更新していることの証左とも言えるはずだ。
ライブは終盤に向かってゲストが登場しまくるお祭り状態に。「backseat」ではKvi Babaが、「Luv Myself」ではAKLOも加わり、「Day N Night」ではG-k.i.dとguca owlが花を添えると、「Jealous」ではBIMと仲睦まじいやりとりを交わし、「Local Area pt. 2」ではGottzとNeetzが再びステージへ。SALUとWILYWNKAがステージを彩った「YOUNG LOVE」の終わりにSALUがKEIJUに「尊敬してるよ」と声を掛けていたが、まさにこのセクションにはKEIJUがどれだけシーンを牽引してきたのか、その貢献度がはっきりと表れていただろう。MUDとの「Hold You Down」から「お金欲しい奴どんだけいるんだ!?」という煽りから「Money Baby」を始めてバンドメンバーを紹介、KEIJUは最後まで会場を湧かせまくり本編は終幕。
鳴り止まない拍手のなか、「初めて他人のライブで無音で登場した」「予定と全然違う」とYZERRが戸惑うほど軽いノリでアンコールがスタート。ちなみにYZERRの出演は「出れるかわかんないって言ってたのに告知されてた」そう。それでも披露した「Right Now」ではバチバチのラップをかますのが流石だ。「このユルさが最高ですね」「明日も来てくださいね! え? 違う感じ?」と会場の笑いを誘い、「412」でライブは大団円へ。KEIJUの魅力を一言で言い表すのは難しいが、ゲストとの会話やMCなどで見せる自然体な姿と音のなかで見せる真剣な表情とのギャップもそのひとつだろう。約2時間、圧巻のライブで、KEIJUはたっぷりとその魅力をぴあアリーナMMに届けていた。
ちなみに、筆者が足を運べなかった2日目のアンコールではOKAMOTO'Sがゲスト出演し、新曲「Seasons」を初披露。2月11日に配信リリースするそうだ。また、KEIJUは今年、国内最大級のヒップホップフェス『POP YOURS』にヘッドライナーとして出演することもアナウンスされている。この先もKEIJUの動きから目が離せない。