coldrain Masatoはなぜ多くのバンドから求められる? 歴代フィーチャリング曲から紐解く類稀なる歌唱力と存在感

 自らが“ラウドロック”であることをこれほど堂々と表明して活動し続けているバンドは、coldrainのほかにいないだろう。通常、バンドはジャンルで括られることを毛嫌いするものだ。わかりやすいレッテル張りを嫌うと同時に、一つの言葉に収まるサウンドをやっていないという自負がアーティストにはあるのだろう。しかし、彼らの場合はそれを逆手に取り、ラウドロックを強く打ち出すことで自身の音楽性と存在感を高めてきた。その意味では、日本の音楽シーンにおいて稀有なスタンスを貫いている。ライブ中のMCでMasato(Vo)は「ラウドロックは好きですか?」と常套句のように呼びかける。そこには自分たちが通ってきたラウドロックの魅力を幅広い層に認知させ、こうした音楽のニーズを掘り起こしたい! という使命感さえ感じるほどだ。

 そこで今回はcoldrainのフロントマンであるMasatoに焦点を当てたい。ボーカリストという立ち位置は、その音楽に触れる際の窓口的な役割を果たす。彼らは今やライブハウスにとどまらず、多くの観客が集まる大型フェス、また、アリーナ規模の会場でワンマンライブを開催する動員力を誇る。日本において、英語歌詞を主体とした激しいロックで、これほどの成功を収めているバンドはさほど多くない。coldrainのすごさを語る上で、演奏陣のスキルはもちろんのこと、Masatoというボーカリストの魅力を抜きにしては語れない。その魅力を深掘りするべく、本稿ではMasatoがフィーチャリングした楽曲を取り上げ、彼がなぜ多くのバンド/アーティストに必要とされるのかに迫りたい。

Survive Said The Prophet「Speak of the Devil feat. Masato」

 まずは今年1月にリリースされたSurvive Said The Prophetの最新シングル「Speak of the Devil feat. Masato」。曲名だけ見ると、昨年亡くなったオジー・オズボーンのライブ盤『SPEAK OF THE DEVIL(邦題:悪魔の囁き)』が頭に浮かび、ニヤリとさせられる。曲調はド頭からYosh(Vo)のシャウトが炸裂し、それからSurvive Said The Prophet特有のR&B的な歌い回しを盛り込んだラウドな1曲。ヘヴィネスとメロディアスの起伏が激しい曲展開は、coldrainの音楽性とも通じるものがある。Masatoは曲に寄り添う形でシャウトとエモーショナルな歌唱を響かせ、両者のストロングポイントが見事に融合。英語をネイティブに操るボーカル同士のタッグもさることながら、スクリーモ/ポストハードコアのTHE USEDからマイケル・ジャクソンまで愛するYoshの音楽背景にきっちりと応えられるのはMasato以外にはいない。そう思わせる極上のケミストリーが生まれている。

Speak of the Devil feat. Masato / Music Video | Survive Said The Prophet

NOISEMAKER「Supernatural (feat. Masato from coldrain)」

 そして、2024年に出たNOISEMAKERの「Supernatural (feat. Masato from coldrain)」は、ダンサブルなビートを用いたデジロック調の作風。すでにライブで何度も披露されており、現場でも大きな盛り上がりを見せている。Masatoはメロディアスな歌メロを軸に、時折熱く歌い上げて楽曲の沸点を底上げ。ここでもAG(Vo)の歌声に寄り添いながら、Masatoらしい立ち回りでロック色を強化させているところがポイントだ。

NOISEMAKER - Supernatural (feat. Masato from coldrain)【Official Music Video】

THE ORAL CIGARETTES「DUNK feat.Masato (coldrain)」

 続いて、同年に出たTHE ORAL CIGARETTESの「DUNK feat.Masato (coldrain)」は、THE ORAL CIGARETTESらしい妖しげなギターフレーズが乱舞するダンスロックチューン。coldrainでも拡声器を使って歌う曲があるが、ここでもその手法を取り入れ、エフェクトをかけたMasatoの声色が印象的だ。激しいシャウトや柔らかな歌メロだけではなく、ギミックを仕込んだボーカルで刺々しい質感をもたらしている。フックと遊び心のあるMasatoのキャラが活きた曲調と言えるだろう。

THE ORAL CIGARETTES「DUNK feat.Masato (coldrain)」Music Video

Paledusk「RUMBLE feat. Masato from coldrain」

 さらにcoldrainのかわいい後輩にあたるPaleduskにも触れなければいけない。2023年リリースの「RUMBLE feat. Masato from coldrain」におけるMasatoの歌声はcoldrainとは一味も二味も違う魅力を発揮。そもそもPaleduskはメタルコアを出自にヒップホップ、エレクトロ、ダンスミュージックなどを柔軟に取り込んだ新世代ミクスチャーの急先鋒。そのめくるめく曲展開の中でMasatoはどんな色を付けるのか――聴く前はあまり想像できなかったが、一服の清涼剤となるメロディを堂々と歌い上げ、ドラマ性は俄然アップ。エキセントリックな曲調にMasatoを混ぜることで華やかな大衆性が備わった。見事な起用と言わざるを得ない。

Paledusk / RUMBLE feat. Masato from coldrain (Official Music Video)

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