THE ALFEEの“祭り”は2026年も続く 『君が生きる意味』に刻まれた50年以上続くバンドの生き様
THE ALFEEの“祭り”はデビュー52年目を迎えた今もなお、勢いを落とすことなく続いている。メンバーの脱退も、活動休止もすることなく、ここまで精力的に活動を行うバンドは日本はもちろん、海外に目を向けても稀有な存在だろう。ライブ通算3000本も達成間近ではあるが、THE ALFEEのすごさは常に新曲を我々に届けてくれるところだ。
前作『天地創造』から約3年10カ月ぶりにリリースされた最新アルバム『君が生きる意味』は、その間にリリースしたシングルのほか、7曲の新曲が収録された意欲作だ。年齢をものともせず、常にその時の最高到達点を叩き出すことに余念がないTHE ALFEE。「大変」と言いながらも、次のステージを見据えた力強い言葉を届けたい。(編集部)
休みなくやってきたバンドの、ひとつの証がこのアルバム(高見沢)
ーーニューアルバム、めちゃくちゃ聴き応えのある1枚でした。
高見沢俊彦(以下、高見沢):それは嬉しいです。
ーー特にアルバム冒頭の2曲(「月光譚 - Moonlight Rhapsody -」「孤独の太陽」)の激しさは、皆さんの年齢を考えると衝撃的でした。
坂崎幸之助(以下、坂崎):枯れてないですよね(笑)。
高見沢:逆も真なりですからね。パラドックスですよ(笑)。
ーーアルバムとしては前作『天地創造』から約3年10カ月ぶり。その間にも毎年必ず1枚はシングルを発表していましたが、アルバム自体はいつ頃からイメージしていたんでしょうか。
高見沢:2025年の初めぐらいから、レコード会社の方から「50周年記念のオリジナルアルバムを……」とプレッシャーはかけられていたので(笑)、今年中には出そうかなということは頭の片隅にあったんですけど、ある程度形になってきたのは夏ぐらいですかね。
ーー7月下旬に行った前回のインタビュー(※1)でも「今年中には出すつもりで、準備を進めているところです」とお話していましたものね。
高見沢:そう、あの時点では「つもり」だったんですけど、そのあと8月に行った夏のイベントで「年内にアルバム出します!」と宣言しちゃったんですね(笑)。メンバーにもまだ伝えていなかったけど、曲はほぼ出来ていたので、あの段階では完成させられると確信していたんです。でも、それ以降進行が遅れに遅れて、秋のツアー中にも作業を続けて、結局完成は最近のことでしたから。
坂崎:本当に締め切りギリギリで。なんなら、締め切り超えてたよね(笑)。
高見沢:一応約束通り年内に出すことができて、ホッとしています。
ーー桜井さんは「年内にアルバムを出します」と知って、どう思いましたか?
桜井賢(以下、桜井):「誰が出すんだ? え、高見沢が出すの?」ってくらい、最初は他人事でしたよ(笑)。でも、高見沢があれだけ自信を持って言うってことは、あいつの中で固まっているんだなと思いました。なので、「秋のツアーが始まるまでに、できることはやっておこうよ」と話して、ツアー前にはオケはほぼ録れていたんですけど、歌のほうがどんどん遅れて。
高見沢:新曲が7曲もあったので、歌詞が遅れに遅れました(苦笑)。
ーー高見沢さん的に「この曲ができて、アルバムの全体像がイメージできた」というような、鍵になる曲はありましたか?
高見沢:やっぱり頭の2曲、「月光譚 - Moonlight Rhapsody -」と「孤独の太陽」という、月と太陽をイメージさせる対照的な2曲ができたことは大きかったですね。そこから、アルバムタイトル曲の「君が生きる意味」が生まれ、「疾風怒濤 - Mind Riot -」が生まれ……アルバム序盤に今のTHE ALFEEらしい要素を詰め込むことができたことで、今作の核はできたかなと確信しました。
ーー先ほどもお伝えしたように、冒頭2曲のインパクトは絶大なものがありますし、そこからスケール感の大きな「君が生きる意味」や、ブルージーなハードロック「疾風怒濤 - Mind Riot -」という流れは、従来のTHE ALFEEらしさと今の年齢だからこその説得力が入り混じった、非常に聴き応えのあるものだと思います。
高見沢:ありがとうございます。令和の時代に生きているTHE ALFEEの姿じゃないかなと。考えたら昭和、平成、令和と三つの時代を生き抜いてきたバンドですからね。それも、一度も休むことなくやってきましたからね。僕らの場合は休んじゃったら、もうそこでダメなんですよ。休みなくやってきたバンドの、ひとつの証がこのアルバムではないかと思っています。
坂崎:1回休んじゃうとね、「別に無理して新曲を作らなくても、ツアーは前の曲だけでいいや」とかなっちゃうからね。海外のアーティストを見てもそうじゃないですか、「新しいアルバムを作ってみたけど、ライブは古い曲だけでいいかも」ってだんだんなってくるし。今なんて流行のサイクルも早いから、5年経ったらもう懐メロになっちゃうでしょ。ありがたいことにうちのファンの方々は、僕らが活動を続ける限りは新しい曲を聴きたいと思ってくれているので、今も必ず毎年1枚はシングルを出すようにしていますしね。
ーーアルバムは単に既存曲をまとめる機会でなく、新しい要素であったりシングルでは挑戦できないことにもチャレンジする場でもあるかと思います。最近はサブスクが主流となり、アルバムよりもプレイリストを楽しむ方も少なくありません。
高見沢:音楽の価値も含めて、本当に変わりましたね。
ーーそんな中、THE ALFEEにおけるアルバムの定義や意味って、今はどういったものなのか気になります。
高見沢:僕らは毎年休みなくツアーを続けるライブバンドなので、楽曲もライブに合わせて作っているんですよ。例えば、ステージ映えするようなフレーズを作ったり、照明映えするような長いイントロにしたり……そのへんは時代とは逆行しているのかもしれないけど、ライブに来ていただければ「このぐらいのイントロが必要なんだ」と理解してもらえるはずです。そういう点も含めて、ライブにバリエーションを与えるための存在がTHE ALFEEにおけるアルバムなのかなと。
ーーなるほど。
高見沢:それこそ、僕らがデビューした1974年頃はまだこういう楽曲を作れなかったはずだし、演奏もできなかったと思います。でも、バンドが50年以上続くとこうなるんだという、その証がこのアルバムの楽曲に表れていると思います。
ーー「同じことをするのも違うし、だったらより激しく、よりテクニカルに」と物足りなくなってくるんでしょうか。
坂崎:高見沢はどんどんエスカレートしてるからね(笑)。
高見沢:なぜなんでしょうね(笑)。レコーディングでは自由にできますけど、これをライブでやらなければいけないと考えると、大変ですよ。それも完成してから気づくんですけど(笑)。
ーー今作でも、「孤独の太陽」なんて海外のプログレメタルバンドかと思いましたから(笑)。
坂崎:変拍子も入ってるし、今から個人練習はしないとだね。
高見沢:レコーディングもイントロだけで相当時間がかかりましたから。
桜井:ベース録りも1日がかりでしたし……これをライブで演奏するなんて、考えたくもないですよ(笑)。
高見沢:でも、やらなきゃいけないんだよ。
坂崎:ファンの皆さんから期待されてますからね。
ーー桜井さんはこの曲を受け取ったときは、正直どう思ったんですか?
桜井:「……はっ?」ですよ。ベースのレコーディングのときも「……う〜ん……」だし(笑)。うちのドラム(吉田太郎)が「THE ALFEE史上一番難しい」と言ってましたけど、確かにその通りでした。で、歌を入れてみたら……こっちもすごいことになってるでしょ? ライブではこれをひとりでやらなくちゃいけないわけですから……大変です(苦笑)。でも、今はものすごく客観的にアルバムを聴けるんですよ。ただ、ツアーのリハーサルが始まったらね……これを4月までにはなんとかしなくちゃいけないわけですけど(笑)。
高見沢:この曲はリフレインがなくて、歌詞も少しずつ違うからね。
ーーメロディの動きもかなり複雑ですし、しかもそれを3声で聴かせるわけですから。
高見沢:ほぼずーっと3声ですからね。でもこれこそ僕らの真骨頂じゃないかなと。
ーーどれだけ演奏やアレンジでテクニカルなことにチャレンジしても、メロディラインは普遍的なTHE ALFEE節。それこそがほかの何者にも似ていない、完全なるオリジナルなんですよ。
高見沢:そう言っていただけると嬉しいですね。複雑なリズムアレンジの中にメロディアスなフレーズというのが、自分の求めている音楽的嗜好です。
坂崎:そうそう、高見沢のメロディはギター1本でも何とか歌えますからね。
桜井:THE ALFEEの曲はどんなにハードであっても、裸にしちゃえばね。
坂崎:そこは51年前から一貫している、大切なポイントだと思います。