aiko、高揚感に乗せて届ける“大人ならではの切なさ” 歌唱表現への飽くなき追求も語る

 ライブハウスツアー、夏フェスへの出演、東京・大阪でのアリーナ公演など、精力的にライブ活動を続けてきた2025年のaiko。2026年最初のリリースとなる47thシングル『Cry High Fly』には、シンガー/ソングライターとしての彼女の充実ぶりがダイレクトに反映されている。

 1月から6月にかけて新たなツアー『Love Like Pop vol.25』を開催。楽曲、ライブを含め、表現の幅を広げ続けるaikoにシングル『Cry High Fly』の制作、“歌うこと”に対する意識などについて聞いた。(森朋之)

aiko-『Cry High Fly』trailer movie

「Cry High Fly」は切ないけど“気持ちがアガる”1曲に

――まずは12月に東京、大阪で行われたツアー『Love Like Pop vol.24.9』について。私は12月6日の国立代々木競技場 第一体育館の1日目に参加しましたが、本当に素晴らしかったです。

aiko:嬉しいです! 今回はセンターの円形ステージで、(4方向に)花道があって。息が上がっちゃってましたけど、エネルギーが燃えてたというか、アドレナリンもすごく出てた気がします。いつも“初日でも最終日”と思ってやってるんですけど、代々木は久しぶりだったし、音の環境とかもかなり大変で。バンドの皆さん、スタッフの皆さんもみんな必死でしたけど、すごく楽しかったです。

――aikoさん、ずっと移動してたし、MCでも喋りまくってましたね。

aiko:ライブの前は「あまり喋らないようにしよう」と思ってたんですけど、みんな(観客)が来てくれたらやっぱり喋りたくなるんですよね。大阪(12月31日)はカウントダウンライブだったから、「気づいたら年が明けてた」ってならないように気をつけました(笑)。

――そして1月14日には今年最初のシングル『Cry High Fly』がリリースされました。タイトル曲「Cry High Fly」はいつ頃書かれた曲なんですか?

aiko:去年の9月くらいです。今回のシングルに入っている曲は全部、その時期にデモを作ってました。「Cry High Fly」という言葉が出てきて、メロディにして歌ってたら「あ、気持ちいいのができた」という感じがあって。いつも歌詞を読みながら曲にしていくんですけど、特にこの曲は歌詞によってメロディがどんどん動いていったんです。内容としては、泣き過ぎてハイになってる状態というか。めちゃくちゃ泣いて、「よし、がんばろう」ではなくて、「もう全部ナシ!」っていう感じです。

――泣いて、気分がハイになって、飛んでいってしまうという。

aiko:そういう歌詞だからメロディも動いたのかなって。私、英語は喋れないから、「『Cry High Fly』って英語、大丈夫ですか?」ってスタッフの方に聞いたら、「造語みたいなものだし、いいと思います」って言ってくれました(笑)。

――〈大人になっても間違えて思い違いして溺れる〉というフレーズもいいですね。実際、こういうことってあるよなと……。

aiko:めっちゃありますね。何歳になっても、何に対しても、失敗したりぶつかったりすることはなくならなくて。しかも大人になってからの失敗って、子どもの頃よりダメージが大きいじゃないですか。この歌詞を書いているときも「本当に自分のことやな」と思ってました。誰かを好きになったときも、大人になるとなおさら、自分の思い違いだったときの恥ずかしさってすごいと思うんですよ。

――〈ハマってたな痺れてた あなたの全部〉というフレーズもそうですが、すごく切ない曲でもあって。ホーンの響きを活かしたアレンジとの対比も印象的でした。

aiko:この曲のアレンジは島田さん(島田昌典)にお願いしました。華やかさと泥臭さがある感じにしたくて、歌詞は切ないんですけど、曲としては多幸感がほしかったんです。聴いてるとワクワクして、間奏とかも「来るぞ来るぞ」みたいな感じがすごくカッコよくて。レコーディングのときもめっちゃ盛り上がってました。

 管楽器の皆さんは大変そうで、「唇の替えがほしい」って言ってました(笑)。キーも高くて、1回歌うたびに「やり切った!」みたいな感じがあって。ある程度のコンディションがないと歌えない曲だと思うので、そこはがんばりたいですね。

――ライブ映えする曲ですよね。すごくメロディアスで切ないのに、同時に高揚感があるというか。聴いてて気持ちがアガりました。

aiko:そう、高揚感があるんですよね。車の中で聴いてるときもめっちゃテンション上がります。リハーサルの帰りはリセットする時間だと思ってるんですけど、「Cry High Fly」を聴くとアガってしまって、リセットできない(笑)。そういう曲が作れてよかったなって思うし、聴いてくれた方が「気持ちがアガるな」とか「もうちょっとボリュームを上げてみよう」みたいになってくれたら嬉しいです。

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