早見沙織、2025年は異例な一年だった? 音楽活動の集大成と感謝をしっかり届けた10周年イヤーを振り返る

マライア・キャリーの来日公演に感動、早見沙織の2025年トピック

ーーありがとうございます。また、パーソナルなニュースやトピックも聞いていいですか? 音楽活動以外で印象に残った出来事などありますか。

早見:今年は本当に音楽活動が多かったから(笑)、私の一年はそれで尽くされてるような気持ちもするんですけど。10周年のライブ前までは音楽活動に対する意識がずっと続いていたので、ライブが終わってから、やっと、いろいろなアーティストさんの公演を見に行ったり、舞台を見に行く波が回復して。しばらく舞台を見れていなかったんですけど、プラス、本を読んだり、バラエティーを見たり、そういうものに触れてワクワクすることもできました。10周年ライブが終わってから怒涛のようにできたのは、1年間をトータルで考えた時に、結果的に良かったと思います。

ーーまだライブが終わってから3カ月しか経ってないですが、何か印象に残ってるライブや舞台はありますか?

早見:舞台でインパクトが強かったのは大竹しのぶさんが性別を超えてリア王をやる『リア王』かな。古典の面白さも感じたし、舞台から目を離せない面白さがありました。性別に関係なく、その人の生きざまをどう表現するかっていうところのアプローチはすごく印象的でしたね。あとは、Kアリーナにマライア・キャリーを見に行きました。

ーーえー! 意外です。

早見:ふふふ。そんなにたくさん曲を知らない私でも聴いたことがある曲がたくさんありましたし、ラストはやっぱり「All I Want For Christmas Is You」だったんですよ。前奏のベルが流れた瞬間に、各世代の人たちの歓声が上がるのを客席で味わうのはすごくいいなと思って。周りの声を身近に聞けたし、世界的大スターが動いてるのが見られたこともインパクトがありましたね。

ーー読書も聞いていいですか?

早見:お仕事で湊かなえ先生の「暁星」を、Audibleとして私と櫻井(孝宏)さんで朗読したんです。湊先生の作品はずっと知っていますし、学生時代に読んだこともありますけど、改めて、先生の別作品にも触れてすごいなと感じました。一冊一冊に、自分の中にあったであろう感情や思いを文章にしてくれる人がいるんだっていう面白さと、ハッとする感覚があって。うわぁ、この感情って文にできるんだって。

ーーそれは他人には決して言えない感情ですか? 湊さんはどうしてもイヤミス(嫌な気分になるミステリー)っていうイメージがありますけど。

早見:今回の「暁星」もそうなんですけど、私は湊先生の作品をイヤミスだと感じることはあまりなくて。こういう感情も描けるっていうことが湊先生のすごさだと思うし、感情のひだの隙間にあったような思いを言語化してくださるのが先生だと思っていて。それは言葉にするのがとても難しいものだから、言葉にされた瞬間にドキッとしてしまう。それが嫌なものとして捉えられる時もあるのかなって。例えば、私は「母性」という作品に触れた時に、本当に何とも言えない気持ちになったんです。母であり、娘であり、人間である自分。娘から思う親、親から思う子供。誰だってそういうつながりがあって生きている中で、どちらの感覚としても感じる複雑な思い。母だった時に感じていた、娘だった時に感じていた複雑さを表現していて。同じ人間だけど、置かれた場所でこんなに感じ方や捉え方が変わっていくんだっていう。それは、決して醜くはないんですよ。その感覚をすくい上げるように描かれるなんて! と思って、すごくハッとしたし、面白かった! と思って。「暁星」はまだ発売されたばかりですし、ここで内容をお話しできないのが残念ですけど、今年は鮮烈な湊先生ブームを楽しみましたね。

ーー今すぐ読んでみたい気持ちになってます。インプットの年にするとおっしゃってた来年、プライベートでしたいことはありますか? 

早見:継続したいと思ってることが二つあって。一つは語学ですね。10周年の活動でバタバタしてる時に一回ちょっとストップして、またボチボチ再開してるんですけど、ゆるく続けていきたいと思ってます。あともう一つは、私は運動があんまり続かないタイプなんですけど、ピラティスは1年継続できたんですね。なんとかそれを絶やさないで、来年はその継続を目標にしています。あとは、言うだけになりそうな気がしてるから……(笑)。

ーー聞いておいてもいいですか。

早見:余力があったら新しい楽器をやりたいんです。ちょっとまあ、時間が必要なのはこの 10年で十分承知してるので……(笑)。

ーー何かありますか? 今、思い浮かんでいる楽器は。

早見:ベースですね。ギターを昔練習したことがあるんですけど、ピアノと全然違う弦の難しさを重々知ってはいて。元々、好きなんです、ベースの音が。どの楽器の音も大好きなんですけど、子供の時から、ベースがかっこいいから好きなんだっていう曲が多くて。そこに着目して聴くのも好きだったし、10周年ライブが終わって、いろんなものに触れているタイミングで、いろんな曲のベースだけボリュームを上げて聴くっていうのが好きになったりもして。だから、自分が弾きたいっていうわけではないけど、聴いてる音として、今、すごく楽しいんですね。演奏するのは難しいだろうなって思ってはいるので、高望みはせず、味わう側として、いつか制作に活かせればいいなと思っています。

『Last breath, Last record』

■リリース情報
デジタルシングル『Last breath, Last record』
配信:https://nex-tone.link/A00204356
作詞:早見沙織/作曲:渡口宗一郎/編曲:渡辺拓也

<収録内容>
1. Last breath, Last record
2. Last breath, Last record (Instrumental)
3. Last breath, Last record (TV EDIT)

■関連リンク
早見沙織オフィシャルサイト:https://hayamisaoriofficial.com/
早見沙織 Official X(旧Twitter):https://x.com/hayami_official
早見沙織 Official Instagram:https://www.instagram.com/hayamisaori_official/

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