WOLF HOWL HARMONYがLOVEREDと交わす約束 念願の単独公演で届けるまっすぐな愛情

 WOLF HOWL HARMONYにとって初めての単独ツアーとなった『WOLF HOWL HARMONY LIVE & FAN MEETING TOUR 2025 ~BAKUON DREAM~』。サウンドアレンジにもメンバーが参加したといい、彼らのパフォーマンスはもちろん、音楽への真摯な姿勢、LOVERED(WOLF HOWL HARMONYのファンネーム)へのまっすぐな愛が感じられる公演となった。

 雷鳴が轟き、ステージに浮かぶシャンデリアが怪しく灯る。すると、真っ赤なライトが場内を照らし、LOVEREDのペンライトも赤く光る。コールを煽るアナウンスが流れ、LOVEREDの調子も確認したところで、RYOJI、SUZUKI、GHEE、HIROTOの4人がステージに駆け込み「Bossa Bosa」でライブをスタートさせる。シャンデリアが揺れるステージで4人はさっそく目の覚めるようなキレの良いダンスと勢いあるラップ/ボーカルを見せた。

 GHEEが「Are you ready?」と煽ると、芳醇な歌声としなやかな動きで魅せる「Frozen Butterfly」、マイクリレーで繋ぐドープなヒップホップチューン「HIGHWAY」(BALLISTIK BOYZカバー)を続け、場内の温度を高める。さらに、「Sugar Honey」ではメンバーが客席へ進んでLOVEREDとコミュニケーションを取り、「You&I」ではみんなでタオルを回したりと、LOVEREDとの絆も深めていった。

 中盤にはWOLF HOWL HARMONYの強い思いを、クリエイティブで昇華させる。GHEEが「最後には自分自身に打ち勝つ。そういう強い信念を持って僕たちは活動しています」と語ってから始まったトラックでは、“WOLF HOWL HARMONY”をテーマに4人がそれぞれ自身のヴァースを綴ったラップで決意表明。MA55IVEとのコラボ曲「W」、PSYCHIC FEVERとのコラボ曲「YIN YANG」を挟み、さらにラップやボーカルで思いを繋いでいった。歌で魅せたあとにはダンスで表現とばかりに、ダンストラックへ。4人はボーカル同様、ダンスでもさまざまな表情を見せていった。すると、トラックの中に耳覚えのあるイントロが織り交ぜられ、シームレスに「ピアス」がスタート。メンバーの青春時代も反映させたという同曲を、エモーショナルな歌とダンスで描いた。

 豊かな表現力を武器にラブソングを多く届けるのもWOLF HOWL HARMONYの特色。RYOJIのアカペラから始まった「Love Triangle」では、4人が一輪のバラを回しながら歌唱し、つかまえられない切なさを表現。切ない恋を描いたあとには、恋をしたときの思いを歌った楽しさや甘酸っぱさを歌った「Pink Flash Lights」で恋心を加速させるなど、音楽とパフォーマンスで、さまざまな恋の形を映し出した。

 メンバーがステージを去ると、RYOJIによるアナウンスが流れ始める。RYOJIは、武者修行初日を振り返り「信じられないようなたくさんの方が集まってくれて、いまだにあの日のうれしさと感動は衝撃的で、鮮明に心に残っているし、今でも原動力になっています」「あの頃から将来叶えたいと思っていたことが一つあります。一緒にいろんな歌を歌いたい。だから今日は一緒に歌いませんか?」と呼びかけ、LOVEREDと歌の練習をする。そして念願だった歌の練習を終えると、メンバーから将来の夢やLOVEREDへの思いが綴られた手紙を読み上げる。ステージは真っ暗なまま、音声のみで読み上げられる手紙に、LOVEREDはじっと耳を傾け、彼らの思いを全身で受け取っていた。

 4人全員の手紙が読み上げられると、ステージにはハイチェアに腰掛ける4人の姿が。4人はアコースティックアレンジされた「Sweet Rain」を、これまでの道のりを噛み締めるように丁寧に歌い上げた。今回の公演では、ダンストラックなど音楽にもメンバーの意見が取り入れられているといい、「ずっと前から『Sweet Rain』をアコースティックバージョンで歌いたいと話していたので実現してうれしい」(HIROTO)、「僕たちの音楽ルーツは2000年代のR&B、ヒップホップなので、今回は2000年代のエッセンスも取り入れてみた」(SUZUKI)とライブのこだわりも説明した。

 ここからはしばしトーク。まずはLOVEREDから募集したWOLF HOWL HARMONYへの手紙を紹介する。テーマは「今後こんなウルフがみたい」「3年後のメンバーに期待したいこと」。最初にRYOJI宛に「ファン思いで頼れるリーダーとして今以上に大きなステージで活躍している姿を見たいです。唯一無二の歌声をさらに磨いてより多くの人の心を掴んでほしいし、面白さと真剣さを兼ね備えた最高のリーダーでいてくれたらうれしいです」という手紙が読み上げられると、RYOJIは「返す言葉がないです」と感激。「そうやって僕が僕らしくいられているのはLOVEREDの皆さんのおかげ。僕ってちょっと変じゃないですか」と言うと、メンバーから「ちょっとじゃないけどね」とツッコまれつつも、「近くにそんな僕を受け入れてくれる仲間もいるから」とメンバーへの思いも伝え、突然立ち上がって一人ずつにハグ。最後のHIROTOには、ハグしたあとに持ち上げてみせるなど、“ちょっと変”な一面も見せながらも、LOVEREDとメンバーへの愛を示した。

 GHEEへの手紙では、LOVEREDがGHEEの魅力を「静かな優しさと多彩さ」と表現。それを聞いたGHEEは喜び、「この勢いでスーさん(手紙を読み上げたSUZUKI)褒めてもらっていいですか?」とかわいいお願いを。SUZUKIは「めっちゃカッコいい。襟足のチャラってなってるところかわいい」と独自の視点で褒める。LOVEREDからも、メンバーからも褒められたGHEEは、うれしそうに「めっちゃ恐縮なんですが、これからも愛を振りまけるようにがんばります」と返した。

 WOLF HOWL HARMONYの魅力と共に「ずっと目標にしているスタジアムに連れていってほしい」という手紙が読み上げられたあとには、SUZUKIが「スタジアムに立つという目標を初めて皆さんに話したのは最初の武者修行の池袋でしたね」と当時を回想し、「ずっと味方だよって言ってくれるみんなと一緒に最高の景色を見に行きたいと思っています」と決意を語る。そして「あのときの思いを胸に題して、この曲を」との言葉から選曲されたのは三代目 J SOUL BROTHERSのカバー「Powder Snow ~永遠に終わらない冬~」。彼らが武者修行で披露していた楽曲だ。4人はアカペラで美しいハーモニーを聴かせると、互いの顔を見合ったり、胸に手を当てたりと、情感たっぷりに歌い上げた。

 続いてはGHEEが手紙を読むことに。GHEEはお尻のポケットから手紙を取り出そうとするが「めっちゃ(汗で)濡れてる予感がする」と笑い、破けないように手紙をゆっくり開く。そうして開いた手紙には「完全オリジナルの切ないバラードを歌うウルフが見たい。恋歌を歌ってほしい」との思いが綴られていた。読み上げたGHEEは「どんなラブソングを歌いたい?」とメンバーに聞いてみる。「甘酸っぱいやつ」(HIROTO)、「女性目線のラブソング」(SUZUKI)、「王道の切ないラブソング」(RYOJI)とそれぞれの答えを聞いたあと、GHEEは「情熱ラブソング」と回答。そしてラブソングが聴きたいという思いに答えて、4人はDOBERMAN INFINITYの「ずっと」を温かく届けた。

 最後に読まれたのは「アリーナやドーム公演をするウルフを見たい。LOVEREDとウルフが一つになった最高の景色が見たい」という手紙。するとRYOJIが「一つになれる最高の景色は今日も見られると思うんですよ」と立ち上がり、再びLOVEREDとコール&レスポンスで歌う。ホール内に大きく広がったLOVEREDの歌声を、メンバーは「きれいな歌声」「皆さんも良い歌声持ってますね」「歌、うまいじゃん」と大絶賛した。こうしてたっぷりLOVEREDと気持ちの交換をしたあと、4人はLOVEREDからの手紙の返事とばかりに、初めてメンバーが作詞を手がけた「Letters」を贈った。

 さらにLOVEREDとの時間を楽しむためゲームコーナーへ。他会場とは異なり、この日は風船爆発ゲームをする。RYOJI、HIROTO、SUZUKI、GHEEという、メンバーいわく「海外に行くときのホテルの部屋割りペア」に分かれ、それぞれ風船を挟んで割るというゲームだ。最初に挑戦したRYOJIとHIROTOは苦戦しながらもコツを掴み、6個を割る。しかし続くSUZUKIとGHEEは驚くべきうまさを見せて17個割り、圧倒的な勝利となった。負けたRYOJI、HIROTOチームは罰ゲームとして洗濯ばさみ綱引きに挑戦。あまりの痛さに罰ゲームはあっという間に終わり、2人の頑張りにLOVEREDから温かな拍手が贈られた。

 プレゼント抽選会を挟み、最新曲「Marmalade」へ。LOVEREDの手紙と共にWOLF HOWL HARMONYの未来に思いを馳せたあとに聴く〈未来はオーダーメイド/味覚が変わっても/想いは変わらないよ〉という歌詞は、LOVEREDとの大きな指切りのようだった。

 そしてライブはラストスパート。「BAKUON -爆音-」のイントロが流れると、LOVEREDは立ち上がり「Turn On, 爆音 Track」と大きな声を上げる。そんな客席を見たSUZUKIが「LOVERED愛してるぞ!」と咆哮し、4人は次々と展開の変わる同曲を、熱量あふれるラップとスキルフルなダンスで盛り上げ、その勢いをさらに加速させた「ROLLIN' STONES」では、客席内を駆け回って、LOVEREDとの空間を余すことなく堪能した。

 そして約2時間のステージの終わりとして選ばれたのは、WOLF HOWL HARMONYの初めてのオリジナル曲「LOVE RED」。思えば、この『BAKUON DREAM』はこの楽曲を具現化したようなライブだった。この日、初めての武者修行の舞台に何度も思いを馳せていた彼ら。LOVEREDからの「単独公演を観たい」という声も受け取りながら、結成して2年経った2025年夏にようやく叶った初の単独公演。さらに当初発表されていた日程では収まりきらず決定した追加公演。他の公演よりも大きなホールとなった東京国際フォーラム ホールC。そこに集まった多くのLOVEREDを前に、この2年で培ってきたライブパフォーマンスを惜しみなく見せ、LOVEREDと共にライブを作り上げ、LOVEREDと共に未来へ思いを馳せた。そんな公演の最後に歌うのが〈キミがいて 強くなれた You're my precious〉であり、〈無限大な 未来に 願いをこめて歌うよ Love Song〉である。そしてこの曲は〈届けこのラブレター〉で結ばれる。

 先述したが、最新曲「Marmalade」では、〈味覚が変わっても/想いは変わらないよ〉と歌っている。WOLF HOWL HARMONYは、これからもLOVEREDへの大きな愛を胸に、さらなる未来へと突き進んでいく。そう約束した一夜であり、彼らは全国のLOVEREDとこの約束を交わすために、ツアーで各地を回っているのだろう。

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