香取慎吾と天海祐希の“因縁”とは――三谷幸喜の新作ミュージカルでの共演に至る、笑いと共鳴の歴史

 香取慎吾が12月10日、自身のX(旧Twitter)に元宝塚トップスター・礼真琴とのツーショット写真を投稿した。礼は2025年8月に宝塚歌劇団を退団後、稲垣吾郎と草彅剛、そして香取が所属するCULENへ、初の女性アーティストとして電撃的に加入したことも記憶に新しい。これまでにない女性の後輩という初々しい関係性にNAKAMAも頬を緩めた。

 香取は投稿で「礼真琴さんのコンサートに行きました! 歌が耳に、歌で耳が、耳幸福。とっても素敵でした やっと会えた」と弾むような言葉を添えている(※1)。溢れんばかりの喜びが伝わる一方で、ふと「私のときは寝てたじゃない!」というツッコミが聞こえてくるようだ。その“声”の主は、同じく宝塚の元トップスターであり、香取とはある因縁を持つ天海祐希である。

初めての邂逅で生まれた因縁

 香取と天海が初めて本格的にトークで共演したのは、2021年10月3日放送の『7.2 新しい別の窓』#43(ABEMA)。天海は「最初にお会いしたときのこと、覚えてます?」と確認するように香取に問いかけた。突然の質問に、香取は「そりゃ、もう! あのときだよね? つよぽん!?」と、隣に座っていた草彅へ助け舟を求めるように視線を向ける。草彅も「ん? あのときかな?」と腕を組みながら曖昧な返答。ふたりはすっかり記憶を失っている様子だった。

 天海によると、宝塚の公演を観劇した香取と草彅とは終演後に挨拶を交わしたことがあったのだという。「すごく印象に残っていて。これからバッと上がっていく人たちなんだなって。それからずっと注目していたんです」と語ると、香取と草彅は思わず苦笑。しかし、よくよく考えると実は彼らがまだ中学生だった頃なのだと判明。天海が「やだあ、中学生だったって! もう母の気持ち!」と笑い飛ばすと、スタジオは一気に和やかな空気に包まれた。

 香取も当時を思い返しながら、「(草彅と観劇した)そのときもそうだったと思うんですけど、(SMAPの)みんなで観に行ったときもすごく怒られて。最前列で観させていただいて。もう子どもたち、初めてそういうの観に行って。みんな、もうこうやって……」と、うとうと寝落ちする仕草を実演。客席では、周囲の大人たちが必死に肘でつついて起こしていたという。こうして“天海祐希の舞台で香取が寝てしまった事件“は、当事者の口から正式に語られることとなったのだ。

 この記憶が再び掘り起こされたのが、2024年12月23日放送の特番『天海祐希・石田ゆり子のスナックあけぼの橋』(フジテレビ系)だ。MCの天海と石田ゆり子が客を迎え入れる“スナック”という設定の番組に、香取がゲストとして来店。香取が「最近、宝塚を観に行ったんです。すごく素敵で。刺激を受けて」と語った瞬間、天海はすかさず「私のときは寝てたじゃない!」と切れ味鋭いツッコミを放った。苦笑いを浮かべるしかない香取だったが、それでも宝塚歌劇の名曲「愛あればこそ」を力強く歌い上げ、ディナーショーのような雰囲気に。天海もタンバリンを持って一緒に口ずさみ、その場を楽しんでいたのが印象的だった。

三谷幸喜の新作ミュージカルで巡り合う運命

 そんな“因縁”を笑い合ってきたふたりが、2026年春には三谷幸喜の新作ミュージカル『新宿発8時15分』で共演するというニュースに胸が弾んだのは筆者だけではないはず。香取が礼のコンサートに足を運んだ背景には、先輩/後輩の交流に加えて、新たな舞台への準備として刺激を求めていたのかもしれない。

 香取は子どもの頃からコントに挑み、アイドルでありながら笑いを生み出す存在として愛されてきた。加えて、2025年には自身初の全国ソロツアー『SHINGO KATORI 1st LIVE TOUR Circus Funk 2025』を完走し、歌唱力/表現力ともに大きな進化を見せている。

 対する天海は、ご存知の通り宝塚史上最速のペースでトップスターへと駆け上がったレジェンド。退団後は、あえてテレビや映画など未知のフィールドに果敢に挑戦し、表現の場を広く切り開いてきたという点でも、香取の生き様と共鳴する部分を感じる。

 笑いを愛し、歌で観客を魅了し、なによりも常に進化を続けるエンターテイナーという点でふたりはよく似ている。あの“夢心地の初対面”から数十年。かつて寝落ちされた舞台のスターと、寝落ちしたアイドルが、三谷作品という豪華な舞台で肩を並べる日がくる――その事実に、なんと夢のある世界なのだろうとあらためてうっとりしてしまう。新作ミュージカルで生まれるふたりの新たな化学反応に、期待が膨らむばかりだ。

※1:https://x.com/ktrsngofficial/status/1998669210864730492

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