乃木坂46メンバーはなぜMVのヒロインに? 五百城茉央、遠藤さくら、賀喜遥香……起用の理由を紐解く

 flumpoolが12月3日に配信リリースした新曲「スノウゴースト」のMVに、乃木坂46の五百城茉央が出演している。

flumpool、Little Glee Monster、キヨらのMVに出演

 山村隆太(Vo)と五百城は、ドラマ『MADDER その事件、ワタシが犯人です』(カンテレ/フジテレビ系)で共演した間柄でもあり、今回はアーティストとMVヒロインという立場で再び共演することとなった。五百城自身も「素敵な曲のMVに携わることが出来てとても嬉しかったです」(※1)とコメントを寄せており、作品への思い入れの深さが窺える。

flumpool「スノウゴースト」Music Video

 公開されたMVは、まるで数分の短編映画のような作品になっている。五百城が演じているのは、主人公の心の中に今も残り続けている“スノウゴースト”=“冬の幻”のような存在だ。大切な人と過ごした東京の冬という時間が、ただつらい思い出としてではなく、少しずつ温かさを帯びた記憶へと変わっていく様子が、映像の中で優しく描かれていく。監督を務めたのは石原慎。再会できた喜びと、やがて訪れる別れの気配の両方を、台詞に頼らず表情だけで伝える、繊細で難しい役どころを五百城はまっとうしてみせた。

 乃木坂46のメンバーは、これまでもさまざまなアーティストのMVヒロインとして起用されてきた。たとえば、Little Glee Monsterがレミオロメンのカバー「3月9日」のMVで主演を務めた遠藤さくらは、卒業ソングの持つ切なさとひたむきさを、どこか儚げな表情で受け止めてみせた。ゲーム実況者・キヨの楽曲「有頂天猫」に出演した賀喜遥香は明るく親しみやすいエネルギーでMVの空気を引っ張っていた。

Little Glee Monster『3月9日』
キヨ 「有頂天猫」 Music Video

 また、MONDO GROSSOの「惑星タントラ」でボーカル兼ヒロインを務めた齋藤飛鳥は、ハイファッション的なビジュアルとともに、作品全体の芸術性を支えるアイコンとして機能していた。

MONDO GROSSO / 惑星タントラ (Short Edit)

 これらのMVに共通しているのは、乃木坂46というグループが持つ“純潔感”や“透明感”といったイメージが、楽曲や映像の世界観を壊すことなく、むしろ後押ししているという点だ。いまやMVは、プロモーション映像ではなく、3〜5分のショートフィルムのように物語を見せることがひとつの大きな役割になっている。そんな中で登場するヒロインには、物語の中において「自然に溶け込めること」と「視線を引き寄せられること」という、ふたつの役目が求められる。乃木坂46のメンバーは、その両方をしっかり担える存在として、ジャンルを問わず多くのクリエイター/アーティストから信頼を集めていると言えるだろう。

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