岩田剛典(三代目 J SOUL BROTHERS)、2025年に問い直した自身の本質 海外活動への野望と実現するための覚悟

新旧問わず全てメッセージが同じーー歌詞に滲み出る表現の核心

ーーアルバムリリースに合わせて音源が解禁される「ダンスフロア」と「時計」は前曲と打って変わり、R&Bフレイバーが心地いい歌物です。「Phone Number」では〈乱れたままのシーツも 残したままのキスも〉などのフレーズ終わりで太いビブラートが強調されていましたが、この2曲の歌物は割とフラットな歌回しが特徴的です。歌唱面ではどんなことを工夫しましたか?

岩田:「ダンスフロア」はまず「ニュージャックスィングをやりたい」というところからスタートしました。このジャンルは厳密には僕のダンスのルーツではありませんが、初見でも聴きやすく楽しい気持ちになれるサウンドです。コンセプトが強過ぎず歌物として純粋に音楽を聴くことができる。レコーディングしていると、「こういう曲ほど色褪せないものだな」と思いました。ツアーでパフォーマンスするイメージが具体的に見えた一曲でもあり、この先アルバムの中からライブやフェスで披露することが多くなる曲はもしかすると「ダンスフロア」かもしれません。長く愛していただける曲になると思います。

岩田剛典 - Phone Number (Official Music Video)

ーー往年のEXILEの曲調を思い起こす懐かしさがありますよね。そして「時計」はより歌謡曲に近い。

岩田:ご指摘のようにどこかLDH感もあるサウンドで懐かしいなと思ってもらえると思います。今回のアルバムの中ではバラードの立ち位置です。ライブの中でもしっとり世界観を作って歌うイメージですね。カラオケでも歌えるJ-POPを意識しています。

ーーもう一曲解禁される「Work It Out」もまたご機嫌なナンバーです。

岩田:「Work It Out」はツアー初日で披露しましたが、アルバム中最もBPM が早い曲で4つ打ちのリズムも相まって盛り上がりました。裏話を言うと、実はこの曲はアルバムのマスタリング直前でフックのトップラインから何から何まで変えた曲です。ツアーのリハーサル開始時点ですでに完パケされていたわけですが、このままだとセットリストを組んでもうまく入れられない。どうしてもイメージがわかなかった。それで「考え直していいですか」と無理を言いました。作家さんチームがよく知っているチームだったので快く受け入れてくださり、僕の無茶振りから大急ぎで作り直しました。アルバムの中での立ち位置も含めてもう一歩先を試みた曲です。その甲斐あってライブではかなり映える感じになりましたね。

ーー「Work It Out」はライブで盛り上がる鉄板曲になりそうですね。「MVP」も盛り上がりをブーストする曲ですが、歌詞の内容的にもポジティブな意味合いが共通しています。

岩田:チャレンジする心の尊さを熱く歌っています。考えてみると僕のソロ曲は新旧問わず全てメッセージが同じですね(笑)。アルバムでは「MVP」の前に「Get Down」を配置して「準備はいいか?」という感じも一連の流れがあり、その意味でも自分の性格が強く出る一枚になったかなと思います。

岩田剛典 (GAN) - Get Down (Live Video from LIVE TOUR 2024 “ARTLESS” FINAL in 武道館)
岩田剛典 - MVP (Official Music Video)

ーー「時計」というタイトルに関連して、2ndアルバム『ARTLESS』ジャケットのアートワークにはダリ風の時計が描き込まれていたことを思い出しました。今回もご自分でアートワークを制作されたということですが、クリムト的なタッチの変遷に驚きました。描き溜めてあった一枚なのでしょうか?

岩田:言われてみるとクリムト風かもしれないですね。アルバムのために描き下ろした絵ですが、連ドラの撮影と重なって納期がギリギリになってしまいました。あの時期は本当に忙しかった(笑)。

ーー本当にお忙しい2025年ですね(笑)。アルバム後半は、今年の夏を象徴するタイアップナンバー「TORICO」と「Step to the Moon」、さらにレーベル移籍後初シングル「Phone Number」が収録され、アルバム後半を通じて2025年の活動を振り返る構成になっています。

岩田:やはりシングルカットした曲というのはそれだけ曲に力があると思うんです。イントロがかかっただけで楽しい気持ちになれる「TORICO」のような曲はそうそう出会えるものではないと思います。だからこそ大切に育てていきたいなと思う一曲です。「Step to the Moon」もツアーにきていただくと曲の広がりを感じていただけると思います。ブロードウェイのようにショーアップされたオシャレな舞台で、パフォーマンスもしっかり見ごたえがありますよ。

岩田剛典 - TORICO (Official Music Video)

来年はターニングポイントーー2025年を経て、さらなる挑戦の旅へ

ーー改めて2025年の活動を振り返っていかがですか? 

岩田:この1年を振り返ると俳優業は主演作だけでも連ドラ2本の放送と映画1本の公開があります。『フォレスト』(ABCテレビ・テレビ朝日系)のオンエアは今年1月でしたが、撮影は2024年内に終えていました。11月公開の主演映画『金髪』と12月に公開が控えている『新解釈・幕末伝』も撮影自体は昨年です。実質的に2025年は年明けに『DOCTOR PRICE』(読売テレビ・日本テレビ系)の準備から始まりました。

ーー『24時間テレビ48-愛は地球を救う-』(日本テレビ系)でのアート企画は今夏のハイライトになりました。夏初めには三代目JSBにとって8度目となるドームツアー『三代目 J SOUL BROTHERS LIVE TOUR 2025 “KINGDOM”』が開幕しています。

岩田:昨年から引き続き今年もありがたいことに『24時間テレビ』内でリアルタイムで挑戦するアート企画に出演させていただきました。ドームツアーも並行していましたね。10月には初の単独スタジアムライブ『三代目 J SOUL BROTHERS 15th ANNIVERSARY STADIUM LIVE “JSB FOREVER 〜ONE〜”』をヤンマースタジアム長居で開催して……。

ーー2010年9月27日、『FANTASY後夜祭〜EXILE魂〜』で三代目JSBメンバーがお披露目されたステージもスタジアム会場(愛知・豊田スタジアム)でした。デビューから15年という節目に単独でスタジアムに立った瞬間はどんな気持ちでしたか?

岩田:デビューから15年経ってこうして原点に帰ってこられました。三代目JSBとして「単独でスタジアムに立つんだ!」という長年の夢が叶う瞬間をMATE(ファンネーム)の皆んなと共有できたことを噛み締めました。僕もメンバーでありながら少し客観的に見ているところもあり、三代目JSBのストーリーとして心温まる時間になったかなと思います。一曲だけ自分の曲をやらせてもらいましたが、己の言葉だけで押し通す演説のような演出にもかからわず、スタジアムという空間でも自分のやりたいステージをイメージ通りにやることができたのでホッとしました(笑)。

 スタジアムライブの翌月にはソロツアーを始めてるわけですから、やり過ぎですよね。一年の稼働としては思い残すことはないくらいです。その反面、忙殺されているというよりは、意外に自分を見つめ直す一年という感覚がありました。ソロツアーを始める前、僕が世の中に発信したメッセージとして「無理のない自分の言葉って何だろう?」と考えたりしてて…。僕はさまざまな場で「挑戦」だと繰り返し言ってきましたが、自分の本質はどうしてもそこにあるなと。幾つになっても挑戦する美しさを歌っていきたい。今の自分はそんなアーティストかなと思ってます。

ーー超多忙な中でどうやってインプット時間を確保しているのか気になりますが…。

岩田:この1年はなかったですね。切ないです(笑)。JATAさんの「海外旅行アンバサダー」の仕事で海外に行く機会が多かったことはインプットになっていると思います。韓国で収録している『HIP HOP Princess』も全く日本語が通じない環境が刺激的ではあります。

ーー『岩田剛典 サステナ*デイズ supported by 日本製紙クレシア』(TOKYO FM)2024年6月22日放送回では「よだれが出てしまう」と評して『ストレイト・アウタ・コンプトン』を紹介していました。2015年当時、試写会にまで行って観たと話していましたが、最近は何か熱狂した作品はありますか?

岩田:えっ、2015年ですか? 公開から10年も経ったんですねぇ…。『ストレイト・アウタ・コンプトン』はヒップホップの歴史を感じる大好きな作品です。今年は『サブスタンス』という映画がかなり衝撃的でした。ストーリー展開も含めて新しいエンターテイメントだなと思いました。それから最近観に行った『ワン・バトル・アフター・アナザー』。レオナルド・ディカプリオ主演の逃走劇です。ちょっとだらしない、情けない役のディカプリオは最高ですよね。ディカプリオのああいう芝居を見たいですね。

ーー『ウルフ・オブ・ウォールストリート』(2013)のエキセントリックなディカプリオの演技もお好きだと以前仰っていましたね。同作のマーティン・スコセッシ監督が影響を受けたことを公言しているスタンリー・キューブリック監督の代表作『時計じかけのオレンジ』(1971)も岩田さんのお気に入り作品ということで特に美術面で感銘を受けたそうですが、音楽作品以外でもインスピレーションを得ることは多いですか? 

岩田:キューブリック作品は宇宙を題材にした作品も有名で、それ自体がアートだと思います。インテリアなどにも感銘を受けます。今回のツアーに関連づけると、自分で考えたスペイシーなセットのアイデアには、少なからずインスピレーションを受けているかもしれません。これまでのツアーであまりトライしていなかった作り込みでしたが、制作物や映画のプロモーションも落ち着いたので、年末に向けてゆったりできそうです(笑)。

ーー来年1月にはアジアツアーの台北公演が控えていますが、年内の予定はひとまず見えてきたわけですね?

岩田:はい、年明けくらいまでの作業は見えています。来年の準備もしっかり蓄えていきたいところですが、アジアを含む海外活動は大きな夢です。本当にそれに尽きると思います。何かをやり尽くしたから次のステージに行くということではなくて、海外に対する憧れをロマンとして人生一回きり勝負してみたい。こうしてインタビューで喋ってしまっているので自ずと自分を追い込むしかない。首を絞めることになってもいい。これからは素直に曝け出していこう、という気持ちが強いです。

 とはいえ、自分の中ではまだまだ小さな努力しかできていないことに気づくわけです。僕、目の前のタスクをこなすことに必死な人生でもあるので、来年からは心新たにきちんと芯を食って本格的に頑張っていく。だから来年はターニングポイントになったらいいなと思っています。それに現場があるとどんどん感化されてモチベーションが上がっていくと思うんです。努力するしかないですね。幾つになっても足りないものを補っていく作業だと思います。来年は頑張ります!

※1 https://realsound.jp/2025/02/post-1941544.html

岩田剛典サイン入りチェキプレゼント

岩田剛典のサイン入りチェキを1名様にプレゼント。応募要項は以下の通り。

<X(旧Twitter)からの応募>
リアルサウンド公式Xをフォロー、本記事の投稿、または応募投稿をリポストしていただいた方の中から抽選でプレゼントいたします。

リアルサウンド公式X

<Instagramからの応募>
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リアルサウンド公式Instagram

※非公開アカウント、DMを解放していないアカウントからの応募は抽選対象外となりますのでご注意ください。
※当選後、住所の送付が可能な方のみご応募ください。個人情報につきましては、プレゼントの発送以外には使用いたしません。
※当選の発表は、賞品の発送をもってかえさせていただきます。
※色紙はランダムでの発送となります。指定はできません。
※当該プレゼントは、応募者が第三者へ譲渡しないことが応募・当選の条件となります(転売、オークション・フリマアプリ出品含む)。譲渡が明らかになった場合、当選は取り消され賞品をお返しいただく場合がございます。

<締切:12月30日(火)>

■リリース情報
『SPACE COWBOY』
2025年12月3日(水)発売中
販売リンク:https://iwata-takanori.lnk.to/space_cowboyPR

【CD収録曲】
01. ZERO GRAVITY
02. Reaching for Your Light
03. CROWN
04. ダンスフロア
05. 時計
06. Work It Out
07. TORICO
08. Step to the Moon
09. Phone Number
10. Get Down
11. MVP

■初回限定:TRAVEL盤 品番:TYCT-69365
価格:5,500円(税込)
・トールサイズデジパック(約188mm×約140mm×約7mm)
・CD
・DVD(約50分予定):ニュージーランド滞在に密着したVlog
・Boarding Passブックマーク(約120mm×約50mm)
・トレーディングカードTRAVEL盤バージョン(約85mm×約55mm、全5種の内1種ランダム封入)
 
■初回限定:MAKING盤 品番:TYCT-69366
価格:4,730円(税込)
・トールサイズデジパック(約188mm×約140mm×約7mm)
・CD
・DVD(約30分予定):本作品のメイキング
・トレーディングカードMAKING盤バージョン(約85mm×約55mm、全5種の内1種ランダム封入)
 
■初回限定:PHOTO BOOK盤 品番:TYCT-69367
価格:4,730円(税込)
・A4フォトブック(ハワイとニュージーランドでのオフショット撮りおろし60ページ)
・CD
・トレーディングカードPHOTO BOOK盤バージョン(約85mm×約55mm、全5種の内1種ランダム封入)
 
■通常盤(初回プレス) 品番:TYCT-69368
価格:2,750円(税込)
・CD
・トレーディングカード通常盤バージョン(約85mm×約55mm、全10種の内1種ランダム封入)
 
※応募抽選用シリアルナンバー入りチラシはCD全形態封入。初回限定盤および通常盤は初回プレス分のみ封入いたします。

■ライブ情報
『Takanori Iwata ASIA TOUR 2025-2026 "SPACE COWBOY"』

<国内公演日程>
・2025年11月18日(火):愛知 Aichi Sky Expo (愛知県国際展示場) SOLD OUT
・2025年12月20日(土)、12月21日(日):東京 有明アリーナ SOLD OUT
・2026年2月3日(火)、2月4日(水):大阪 大阪城ホール SOLD OUT
・2026年2月21日(土)、2月22日(日):三重 三重県営サンアリーナ
 
<アジア公演日程>
・2026年1月24日(土):台北 Legacy TERA
・2026年3月1日(日):バンコク KBank Siam Pic-Ganesha Theatre
to the next… And...
 
GAN「SPACE COWBOY」FAN MEETING in TAIPEI
・2026年1月25日(日):台北 Legacy TERA
詳細:https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/36130/

■関連リンク
HP:https://m.tribe-m.jp/Artist/index/310?m=bemyguest
Universal Music HP:https://www.universal-music.co.jp/iwata-takanori/
YouTube:https://www.youtube.com/@TakanoriIwata
岩田剛典 Instagram:https://www.instagram.com/takanori_iwata_official/
スタッフ Instagram:https://www.instagram.com/bemyguest__official/
岩田剛典 X(旧Twitter):https://x.com/T_IWATA_EX_3JSB
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