月詠み、『それを僕らは神様と呼ぶ』で体現した“小説×音楽”の可能性 二部構成で見せた特別なライブ体験
熱気あふれる後半戦へ突入、“次章”を予感させる新たな宣言も
静寂を突き破るかのようにJunaが「月詠みライブ2025! EX THEATER ROPPONGI、来たぞー!」とシャウトすると、midoが「後半戦、もっともっと上げていくぞー!!」と続けた。「メデ」を皮切りに、アッパーな楽曲が次々と演奏されていき、オーディエンスはoiコールで盛り上がる。一気に熱気が立ち込め、前半のぐっと没入していくライブとはまったく違う様相を呈す。Junaとmidoが拳を突き上げると、オーディエンスも力強く拳を突き上げ、前後に振った。「メデ」の演奏後、ユリイ・カノンはこう話した。「前半は月詠み2nd Storyの『それを僕らは神様と呼ぶ』をやらせてもらって、急ぎ足で物語を見てもらいました。前半は演出の都合上、声出しを遠慮してもらったんですが、こっからは声出しをして楽しんでください! 東京でのライブは2年ぶりなので緊張してます(笑)」と自己申告すると、客席から笑い声が上がった。
「救世主」「逆転劇」と容赦なく盛り上げて、アブストラクトなエレクトロ調のサウンドから「ヨダカ」へ。紗幕には大空をゆっくり飛ぶ鳥の姿が映った。自然とハンドクラップが巻き起こる中、緩急をつけた選曲でドラマを作っていく。そして、カラフルに弾む鍵盤が特徴的な「生きるよすが」でJunaが“生きることとは何なのか”を歌い上げた。静寂の後、鍵盤の旋律が鳴り響き、ユリイ・カノンが「月詠みでした。今日はありがとうございました」と挨拶。ラストは「月が満ちる」。月の満ち欠けと生きることをリンクさせた月詠みの根幹となる楽曲だ。midoが「歌えー!」とアジテーションし、大いに盛り上がり、本編を締めくくった。
アンコールでユリイ・カノンは「詳しいことは言えないんですが、新曲は作ってます」と今後の月詠みの展開に触れ、「花に雨を、君に歌を」と「おどりゃんせ」で会心のパフォーマンスをした後、「また会いましょう!」と力強く再会を約束した。大きく構成が異なる前半と後半のライブが組み合わさることで、より“月詠み”というプロジェクトだからこその特別なライブ体験が創出されていた。これからさらにどんな進化を遂げていくのかが楽しみだ。
※1:https://sorekami.tsukuyomi2943.com/interview/