スピッツは初のTVアニメ書き下ろし 星野源、Official髭男dism……『SPY×FAMILY』主題歌の奥深さ
アニメ『SPY×FAMILY』Season 3(テレビ東京系)が10月4日より放送スタート。放送開始に合わせて、東京・渋谷では『SPY×FAMILY』にまつわるポップアップやサイネージが掲出されるなど、盛り上がりを見せている。
スピッツらしく描いてみせたフォージャー家の物語
『SPY×FAMILY』は遠藤達哉による漫画作品。スパイのロイド・フォージャーが任務のため、殺し屋のヨルと超能力者のアーニャとともに仮初めの家族を築く物語が描かれる。2022年にSeason 1、2023年にはSeason 2が放送されただけでなく、劇場アニメが公開されるなど、2020年代を代表するアニメシリーズとして圧倒的な人気を誇っている。シリアスな舞台設定やさまざまな登場人物たちの背景がありながらも、ストーリーやキャラクターはコミカルでポップ。子どもから大人まで幅広い世代が楽しむことができるのが『SPY×FAMILY』の魅力だ。
そんな『SPY×FAMILY』Season 3のオープニング主題歌をスピッツが担当することが発表された。これまで朝ドラ、映画、CMとさまざまなタイアップを担当してきたスピッツだが、TVアニメ作品への書き下ろし主題歌は今回が初となる。オープニング主題歌「灯を護る」は、スピッツらしい瑞々しいバンドアンサンブルと草野マサムネ(Vo/Gt)の歌声、そして『SPY×FAMILY』の世界観に寄り添う歌詞が印象的な楽曲に仕上がっている。
ティンパニーのような打楽器の音色が心音のように響くイントロは、未知のものに触れたアーニャの高揚する気持ちを表しているかのよう。〈モノクロの裏道を走り抜けてきた〉というフレーズはフォージャー家の3人が抱える過去や明かすことのできない真の素性を踏まえた歌詞とも解釈できる。2023年の「美しい鰭」(劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』主題歌)を経て、さらに研ぎ澄まされたスピッツの音楽がアニメ作品と交わり、新たに生まれた楽曲とも言えるだろう。
さらに、10月5日には『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』が地上波初放送される。2023年12月に劇場公開された同作は、原作者・遠藤が監修/キャラクター原案を務めた完全新作ストーリー。アーニャの学校で行われる調理実習に際し、審査員を務める校長の好物のお菓子を作るために家族旅行に出かけたフォージャー一家が旅先で事件に巻き込まれていく、『SPY×FAMILY』らしいドタバタな物語が描かれる。
主題歌を担当したのはOfficial髭男dismと星野源。この2組はSeason 1の第1クールでもオープニング主題歌とエンディング主題歌をそれぞれ担当しており、ファンにとっては嬉しい再タッグとなった。