リアルピース「僕らは“日本一”になりたい」 アーティストとしての覚醒と現在地、老若男女から愛される理由
5人組YouTuberアイドルグループ・リアルピースをご存知だろうか――。かずぅ、こーた、かちょー、なお、こぺから成るリアルピースは、YouTubeのチャンネル登録者数130万人、TikTokフォロワー数240万人を突破。老若男女から高い人気を誇っている。彼らはYouTuberとしてはもちろん、その名の通り、アイドル/アーティストとしても活躍中。1000万再生を突破しているオリジナル楽曲があったり、毎月行われているフリーライブは毎回約5000人を動員したりと、数字面でもしっかり実績を残している。9月30日には、3rdワンマンライブ『ピース of ふぁんたじぃ♡』を東京ガーデンシアターで行う予定だ。勢いに乗るリアルピース。グループの成り立ちから、音楽活動について、そしてアーティストとしての現在地について、たっぷり語ってもらった。(高橋梓)
リアルピースの破格の人気――YouTubeに築き上げた“ホーム”
――まずは自己紹介からお願いします!
全員:僕たちが元気の押し売りアイドル、リアル! リアル! リアルピース! よろしくお願いします!
かずぅ:かずぅです。リアルピースは最初僕ひとりから始まったのですが、『ONE PIECE』のように仲間を集めていくストーリーを作りたくて。それで、いちばん最初に声をかけたのがこーたです。
こーた:やっぱりいちばん最初はイケメンが必要だったんでしょうね。
かずぅ:そうです。なので、こーたはイケメンキャラです(笑)。
こーた:見てもらったらわかると思うんですけどね。ビジュアルは大事なので、それを考えた上で声をかけてくれたみたいです。なので、ビジュアル担当です。
かずぅ:いや、本当はあんまりかっこよくないから、とりあえず面白い担当で入ってもらったんです(笑)。あとは、運動神経も抜群。
こーた:そうね。でも本当のことを言うと、僕、楽しいことが大好きなんです。だから僕を見てひとりでも多くの人に笑ってほしいなと思って活動をしています。
かずぅ:これは本当のやつです。それと本当にスポーツ万能。企画で跳び箱をやったんですけど、17段を飛んだり。天井が近くなっちゃってそれ以上できなかったんですけど、天井が高かったらもっとできたっていうくらい運動神経がいいです。で、次に仲間に誘ったのがかちょー。僕、友だちがいないので、5年前にアクションのレッスンで出会って2回くらいしか会ったことがないかちょーのX(旧Twitter)にいきなりDMを送って。僕もこーたもビジュアルが中くらいだったので、かっこいい人を入れたいな、と(笑)。
かちょー:僕が、紛うことなきイケメン担当でございます! お前は喋らなくてもいいって言われましたから。かずぅからいきなり「元気? 今、何してる?」とDMがきたんですけど、最初は怪しい勧誘かなって思って(笑)。でも当時僕は売れない役者で失うものがなかったので、乗っかってみよう、と。
かずぅ:当時、かちょーとこーたは水道が止まっていて、家賃も払えないという状態だったんです。なので、チョロかったですね。
こーた:そう。かずぅからしたら、「ちょっと声かけたらホイホイついてきた」みたいな感じだったと思います。
かちょー:心外だけど、たしかにそう。
かずぅ:そうやって仲間になってくれたかちょーは、和が好きで。トランプを投げて野菜を切るという配信の視聴者数が過去に日本一になったこともあるんです。毎日6〜7時間ひたすら野菜に向かってトランプを投げ続けていました。
かちょー:長い時は26時間くらいやっていました。
かずぅ:それからもわかるように、忍耐力がすごいんです。しかもトランプを投げすぎて、肘が腫れて内出血しちゃっているんですよ。それにも気づいていない。“武士”って感じです。で、ふたりが入ってくれたあとにオーディションをしようという話になって、そこで入ったのがなおです。
なお:最年少のなおです。僕はリアルピースに入る前は大学生で、しかも音楽科を卒業しました。当時は芸能活動を始めたてくらいで、たまたまオーディションのことを知って。自分たちで音楽を作ったり、YouTubeをやっていったりすると聞いて、オーディションに参加することにしました。オーディションというと大きな看板が出ているような会場を想像していたのですが、実際に行ったら雑居ビルの入口に「かずぅプロジェクト オーディション」って書いてあるA4サイズの紙がガムテープで貼ってあって。恐る恐る中に入ったらかずぅとイカつい黒い服装のこーた、和服を着たかちょーがいました。すでにYouTubeが始まっていたタイミングだったのですが、その時の動画にはかずぅしか出ていなかったんですね。なのでこーたのことはプロデューサー、かちょーのことは所作や礼儀を見る先生だと思っていました。表情も怖かったし。でも、後々聞いたら緊張して座っているだけのメンバーだと知りました(笑)。
こーた:僕らも初めてのオーディションだから、全員緊張しているっていう(笑)。
かずぅ:こーたがなおを見て「この子、いいよ」としきりに言っていて。
こーた:僕は「この子はいい子だから、絶対に入れたい」という意味だったのですが、かずぅは勘違いして「この子はいらない」と思っていたみたいで。
かずぅ:性格悪そうな見た目だったもんなあ。
なお:やめてよ(笑)!
こーた:でもやっぱりなおがいちばんいいねということで、入ってもらいました。
かずぅ:歌が飛び抜けて良かったですね。高校時代に吹奏楽で日本一を獲ったこともあるので、さすがだな、と。なので、歌担当です。で、最後に入ったのがこぺ。引き続き僕は友だちがいなかったので、見かねたイベント会社の社長さんが紹介してくれました。当時は自分が見る目がないと思っていたので、かちょーを連れて行ったんです。かちょーの雰囲気的に見る目ありそうだなって。今ならわかるのですが、かちょーがいちばん見る目ないんです(笑)。
なお:雰囲気だけ(笑)。
かずぅ:大体の人のことを「いいんじゃない?」って言うんです。
かちょー:こぺと会った時も「いいんじゃない?」って言った記憶がある(笑)。
こぺ:結果、見る目あったよね。こぺが入って間違いなかったと思います。
かずぅ:こぺはこう見えて39歳なんです。
こぺ:そうなんです。好きなものは酒と金です。よろしくお願いします!
かずぅ:(笑)。こぺはこのままのキャラ。めっちゃ不思議。かわいいんだか、サイコパスなんだかわからないっていう。
こぺ:そうなんです。気分によって変わっちゃうんで、使い分けてます。撮影や編集、衣装、グッズデザインなど全部自分たちでやっているのですが、その時々によって自分が変化しちゃって。撮影中のこぺ、編集中のこぺ……といろんなこぺがいます。
かずぅ:普通の時のこぺは、誰よりも真面目です! たとえば、僕らは「次の日の持ち物? まあ大丈夫っしょ!」くらいの感じなのですが、こぺは全部まとめていて。
こぺ:だって、誰もやらないから! 0時過ぎても誰からも連絡ないからさすがに連絡しますよね。
かずぅ:「靴はこれ」とか全部写真送ってきてくれるんです。あとは、下調べがすごい。『しゃべくり007』(日本テレビ系)に出演が決まった時も、過去の放送分をたくさん観て下調べして、準備していました。
――個性豊かな5人が集まっているんですね。
かずぅ:はい。僕らはYouTubeとTikTokなどSNSに力を入れていて、リアルのイベントとSNSを掛け合わせた今までにないアイドルグループです。本当にゼロからYouTubeを始めたのですが、チャンネル登録者数100万人、TikTokもフォロワー数200万人を達成することができました。リアルイベントも最初の1年は10人〜50人くらいしか集客できなかったのですが、SNSと掛け合わせたことで徐々に人が集まってくれるようになって。2025年にはアリーナツアーをやらせていただけるまでになりました。
――フォロワー数を増やしたり、リアルイベントで集客をしたりするために、どんなことを行ったのでしょうか。
かずぅ:SNSに関しては、1年間くらいAIでアルゴリズム解読をしました。「SNSってこういう仕組みなんだ」というのがわかってからは一気に伸びて結果に繋げることができました。“ホーム”を作ったほうがいいな、と。YouTubeで自分たちのキャラが見える動画を出したり、“歌ってみた”動画をアップしたり、ホームを整えることで「この人たちいいな」と思ってもらったあとに観てもらえるコンテンツを固めることを徹底しました。
――そういった努力もありつつ、現在にリアルピースがいる、と。リアルピースが始まって約5年経ちますが、いちばん変化があったメンバーはどなたでしょうか。
かずぅ:みんなめっちゃ成長してるんだよな〜。
なお:かなり変わったよね。
かずぅ:逆に心の成長をしていないのはこぺなんじゃない(笑)? いい意味で!
こぺ:心は成長してるって! でも体が退化していて……。
こーた:プラマイゼロ!
かずぅ:いちばん成長した人は「せーの」で指さそう。
全員:せーの!(満場一致でこーたを指差す)
かずぅ:僕、昔から言い方にすごく気をつけていて。たとえば、忘れ物が多い人に注意する時も「忘れ物やめろよ」とは言わないんです。自分が忘れ物が多い人だと気づかないと、絶対に直らないんですよ。なので、それを気づかせるような言い方をしてきました。それをいちばん話したのはこーた。
こーた:めちゃめちゃ話しましたね。夜の22時くらいから朝の5時くらいまで話すんですよ。ちゃんと話を聞いてたかっていうと、「もう帰りたい」しか思っていませんでしたね。
かちょー:撮影も終わって解散してるのにね(笑)。
こーた:2年くらいずっと苦しみました。
――でも、もう今はそう言われることもなくなるくらい成長したってことですもんね。
こーた:そうですね。当時はかずぅが言っていることが理解できなくてキツい部分があったのですが、今はわかったがゆえにキツいと思う部分はあります。
全員:(爆笑)
こーた:人間、日々成長ですよね。