m-floへのリスペクトに満ちた熱狂の5時間 tofubeats、f5veら登場の『MIDNIGHT SONIC curated by m-flo』徹底レポ

 8月16日、17日に東京と大阪で開催された『SUMMER SONIC 2025』。その合間、16日深夜から17日朝方にかけて幕張メッセで開催されたのが、m-floがキュレーターを務めるオールナイトイベント『MIDNIGHT SONIC curated by m-flo』だ。

 全8組のDJやアーティストたちが集結したこの遊び場。時計の針が16日の23時を指す頃、tofubeatsの音が夜の幕開けを高らかに宣言した。

 「改めまして、『SUMMER SONIC』にご来場の皆様、tofubeatsです! まだまだ楽しんでいきましょうー!」

 tofubeatsが繋ぐ音の一つひとつに歓声が上がり、お酒を片手に思い思いに手を上げる音楽好きたちの体温を高めていく。特にオリジナル曲「LONELY NIGHTS」が流れた瞬間、一気に会場の熱気が高まったのを感じた。「on & on (feat. Neibiss, Ratiff & hyunis1000)」の合間には「朝まで楽しんで行きましょうー!」と投げかけ、観客も歓声と〈on & on!〉の掛け声でレスポンス。石野卓球(電気グルーヴ)の参加楽曲「Typical!! (feat. TAKKYU ISHINO)」では〈Let's get Typical!!〉の声が響きわたる。

 「PLEASE COME INTRO」が流れ、彼らのロゴが現れた瞬間、大きな歓声に包まれて現れたTERIYAKI BOYZ®。中盤にはFRUITS ZIPPER「私の一番かわいいところ」のリミックスにリリックを乗せ、Ryo-Zが本家のダンスを踊って場を沸かせた。フロアの反応を見て「そんなんで大丈夫ですか? めちゃくちゃかわいく、かっこよくいかないと!」「かっこいいゲスト呼んでますけど!」とJP THE WAVYを呼び込んだ「Tokyo Drift」、そして「もう一曲だけお付き合いいただけますか?」と流れた「I Still Love H.E.R. feat. Kanye West (Album Mix)」で次々に熱狂の渦を生む。

 TERIYAKI BOYZ®からバトンを受け取ったm-floの演目は「prism」からスタート。「ぶっ飛んでるくらいが、ちょうどいいよ!、ねぇそうでしょ?」(LISA)、「幕張の皆さん、調子はどうですか?」(VERBAL)とステージから問いかける声を聞いて、自然と観客の歓声も大きくなる。「gET oN!」では☆Taku Takahashiがマイクを握り、LISAがDJブースへ。一際歓声が大きくなった「MINMI Lotta Love」では「歌える人だけ歌ってください!」とシャウトするVERBALの声が、ベテランならではの観客への信頼を感じさせた。

 サプライズで登場したMINAMI(CREAM)を客演に迎えた「All I Want Is You」や、eillを迎えた「EKO EKO」、そしてeillを残したままのステージに向井太一を迎えた新“♡(loves)”プロジェクト第一弾の「tell me tell me」など、次々に豪華ゲストが登場する舞台上は、見飽きることなくカラフルに色を変えていく。

 そこに、「僕が一緒に音楽作ってるアーティストを呼んでいいですか?」と☆Takuが問いかけると、いつものセットと違う展開が。VERBALとLISAはステージを離れ、呼び込みに応じるように登場したのはyamaだった。このサプライズ展開に観客も大きな歓声で応え、m-floサウンドに乗せた「春を告げる」(yama)を歌う。さらに、「もう一人友達を呼びたいんですけど、夏っぽい曲を。Aile The Shota!」と登場したスペシャルゲスト Aile The Shotaは、6月にリリースした新曲「向日葵花火」で夏の夜をあたたかくじんわりと彩っていく。最後のゲストには、テレビアニメ『New PANTY & TTOCKING with GARTERBELT』(TOKYO MX)のエンディングテーマ曲「Reckless」にフィーチャリングで参加しているAdee-A.を迎えた。

 「Let's do it, DJ Taku!」とのVERBALの合図にビートをドロップするのは代表曲「come again」。『MIDNIGHT SONIC curated by m-flo』の観客でこの曲で沸かない人はいないだろうという鉄板の一曲にこの日一番の歓声が上がる。いつの時代も〈フロアを熱く響かせて〉踊らせるこの曲は、この日も例に違わず、そこにいた人々のハンドウェーブに拍車をかけていた。ラストナンバーは8月6日にリリースされたばかりの新曲「ELUSIVE」(m-flo loves n-choco)。2020年リリースの「tell me tell me」以来、約5年ぶりにLISAが参加した本楽曲は、小気味良いトラックに乗せたメロウな歌声が、日付を跨いでから1時間が経過した幕張メッセをゆったりと包む。

 m-floからバトンタッチし、前半4組目を託されたのは板橋兄弟(PUNPEE&原島“ど真ん中”宙芳)。前日の『SONICMANIA』にサプライズ登場した宇多田ヒカルの「Distance (m-flo Remix)」は、彼らの宇多田・m-floの双方へのリスペクトを感じられる選曲になっていた。さらに、JJJへのリスペクトと愛を込めた「Eye Splice」の選曲もフロアを揺らす。日本語ラップのアンセム的位置づけであるBUDDHA BRANDのデビュー曲「人間発電所」、さらには「Shampoo」(PUMPEE、BIM & Elle Teresa)のような新曲まで、幅広く観客の音楽のアンテナを網羅していく。

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