Number_iが全国ツアーで生む経済効果 “数字を持っている”アーティストとしての強さ、地域活性化への期待

 Number_iに関しては、昨年は『Coachella Valley Music and Arts Festival 2024』、今年は『HEAD IN THE CLOUDS LOS ANGELES 2025』への出演と、世界を意識した動きもこれまでに展開してきた。その一方で、まだ訪れたことのない地域も含めて行われる今回の全国ツアーからは、彼らが日本のファンを大切にしているということをあらためて感じるのだ。

 また、ツアーはアーティストとファンの関係性を深めるだけでなく、経済に大きな影響を与えるものでもある。チケットやコンサートグッズの販売収入はもちろん、開催場所への移動や宿泊、会場周辺での飲食や観光といったファンの行動により、地域経済の活性化が見込まれるからだ。

 Number_iも、まさに経済の活性化を行う力を持ったアーティストである。少し面白い例だが、昨年のツアー『Number_i LIVE TOUR 2024 No.Ⅰ』では、北海道公演後にメンバーがシマエナガのグッズを身に着けた写真をInstagramに投稿したことによって、道内のショップを中心にシマエナガグッズの売り切れが続出したという声がSNSで多く見受けられた。ライブ開催に直接結びついているものだけでなく、こうした思わぬ波及効果が実際に形となった昨年の例をを踏まえても、Number_iが全国ツアーを通して地方へ訪れ、公演を開催することの意義は非常に大きい。

 ライブの日までに必要な持ち物を買いそろえたり、美容院に行ったりするファンもいるだろう。開催地に限らずとも、ライブに向けた関連消費も含めれば、ツアー開催に伴う経済へのインパクトは非常に大きなものになると思う。

 Number_iとしてはもちろん、平野紫耀、神宮寺勇太、岸優太のそれぞれがソロで表紙を飾った雑誌の重版が決まったり、CMキャラクターを務めた商品の売上増加が叫ばれたりと、かねてより“数字を持っている”ことが示されてきたNumber_iだからこそ、全国ツアーを軸にファンや市場にも光をもたらす、ポジティブな連鎖が生まれていくことに期待したい。

 ツアーの幕開けまでおよそ2カ月。日本全国の経済にまで波及を見せてくれるNumber_iは、果たして今年はどんなステージを見せてくれるのだろうか。まだ夏真っ盛りではあるが、特別な時間が訪れる秋と冬が、早くも楽しみだ。

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