tripleS、前代未聞の24人グループが進む我が道 誰ひとり欠けてはいけない――願いが生み出す無二の世界観

 プロフェッショナルにしてピュア、親しみやすくもアグレッシブに――。韓国発のグローバルガールズグループ・tripleS(トリプルエス)が7月19日、20日に開催した単独コンサート『tripleS A Live 25 in Tokyo』(東京・Kanadevia Hall)は、総勢24人という大所帯を活かしながら同世代のライバルとはひと味違ったステージングを存分に見せてくれた。本稿では初日(19日)の模様を通して彼女たちの唯一無二の魅力に迫りたい。

 定刻になるとドラマチックなBGMが鳴り響き、ジヨンがしなやかに踊り出すと、客席のあちこちから大きな歓声がわき上がった。続いて24人が舞台中央に集結し、始めたのは「Rising」。夢に向かって走る少女の純粋な気持ちを表現したこの楽曲ほど、ライブのオープニングにふさわしいものはないだろう。

 さらにグルーヴィーな「24」でヒートアップさせたのち、最初のトークタイムへ。「会いたかったです!」(スミン)、「今日はいっぱい声を出してください!」(マユ)と、次々に挨拶すると、会場はすっかり温かいムードに。今回の公演に向けてグループは入念なリハーサルを何度も行ったという。ハードなスケジュールの合間を縫って全員揃って準備をするのは、相当大変だったに違いない。そんな彼女たちに送られたWAV(ウェーブ/ファンの呼称)の熱い声援は“最高のねぎらい”になったと思う。

 tripleSは数多くのグループ内ユニットがあることでも知られる。次のステージでは各ユニットのオリジナルソングを披露。tripleS ∞!「Untitled」、EVOLution「Invincible」、LOVElution「Girls' Capitalism」などが、いつもとは違った装いで登場した。なかでも「Untitled」は、ドラムンベースを軸にしたクールなアレンジが素晴らしく、アイデンティティを探す旅に出る少女の“静かなる闘志”を的確にとらえたナンバーとして評価が高い。このようなハイクオリティなサウンドをアイドルとして届けられるのがグループの最大の強みと言えよう。

 「幼い頃の夢は?」「迷信を信じるか」といった質問に各人が答える映像をはさみ、一瞬クールダウンしたかと思いきや、今度はメンバー全員が客席に登場。このサプライズにWAVの歓喜の声が飛び交うなか、サインボールを投げながら舞台に上がったメンバーたちは「Colorful」を熱唱。間髪を入れずにポジティブなオーラを放つ「Love2Love」と「###」で一気に盛り上げていく様子は実に頼もしい。

 2回目のトークタイムでは観客に“声出しバトル”を提案。メンバーもファンも左右に分かれて、どちらの歓声が大きいかを争うことになった。通常このようなコーナーを大所帯で仕切るのは非常に難しいが、tripleSはスムーズかつナチュラルに進行していく。そのやりとりから結束力の強さと仲の良さを感じ取ったファンは多かったはずだ。

 中盤のステージは再びグループ内ユニットの曲を中心に進行した。まずは「Just Do It」でリン/ジュ・ビン/ハヨン/シオンがエッジのきいたパフォーマンスを展開。続いてヘリン/ユヨン/ナギョン/ユビンが「Generation」を歌いながら挑発的な視線を送り、チェウォン/ソルリン/ソア/ジヨンは「Inner Dance」でキュートな笑顔を振り撒く。そして「Cherry Talk」でのソヨン/ジウ/チェヨン/スミンは優雅な雰囲気を醸し出すなど、それぞれが強烈な輝きを放っていたのが印象深い。

 fromis_9の大ヒット曲「Supersonic」のカバーや、グループ内のダンス動画バトルの模様を収めた動画の上映、グループ内ユニット・Visionary Vision の「Choom」などで観客を楽しませたあとは、いよいよ終盤へ。〈私はここにいるよ〉とたおやかに歌う「Non Scale」、疾走感にあふれた「Detective Soseol」といったポップなナンバーを歌い終えた24人は順番に感謝の言葉を口にした。

 「今日はきてくださって本当にありがとうございます。この瞬間をいつまでも忘れられないと思います」(ジウ)、「開演前はすごく緊張していましたが、今こうして舞台に立って幸せを感じています」(カエデ)、「私の故郷である日本で、しかもこんなに大きな会場で開催できたのが嬉しくて……。ごめんなさい、泣いちゃって。大好きです!」(リン)。各自のコメントは短いながらも誠実さがしっかりと伝わってくる。

 青春の光と影を描いた同世代へのアンセム「Girls Never Die」と「깨어 (Are You Alive)」で本編は成功裏に終了。直後に上映された本公演のビハインドムービーで誰もが余韻に浸る中、tripleS ∞! の新たな動きが突如告知されると、この日いちばんの拍手が起こった。10月1日に同ユニットの1st EP『SecretHimitsuBimil』をリリース、11月2日には豊洲PITで来日ライブの開催(詳細は後日発表)も予定されているという。

 アンコールに応えた彼女たちは、ハンドライトを振りながら「Too Hot」と「Midnight Flower」を熱唱。そして。大きく手を振るファンたちに満足そうな笑みを浮かべながら、ゆっくりと舞台の裏へ。完全燃焼という言葉がふさわしいラストであった。

 3時間近くに及んだ公演を観て実感したのは、美しいダンスフォーメーション、独自の音作り、強い連帯感が絶妙なバランスで組み合わさっている点である。日々の努力の跡がわかるダンスは終始テンションが高く、観る者を飽きさせない。サウンドは大衆的な視点を大切にしながらもほかにはないものを追求した結果、ダークな空気感とポジティブな姿勢が共存するスタイルで勝負。そこに24人の「誰ひとりとして欠けてはいけない」との願いが加わると、ほかでは味わえない世界が広がっていく。

 このようなオンリーワンの個性を持つtripleSだが、現時点でその持ち味が十分に広まっているとは言い難い。だからこそ、本体の魅力をコンパクトかつ分かりやすく伝えるユニット・tripleS ∞!の精力的な活動が必要不可欠だったのだろう。脇目もふらず我が道を進むこのグループが本領を発揮するのは、まさに“これから”なのだ。

■リリース情報
tripleS ∞! 1st EP『SecretHimitsuBimil』
2025年10月1日(水)発売

予約リンク:https://tripleS.lnk.to/fhX5T1

初回生産限定盤 A
SECL-3260〜3261/3,300円(税込)
CD+フォトブック+Objekt type-A(8種類のうちランダム1種)
※さらにランダム特典として、Premier Class Objektがプラス1枚封入!

初回生産限定盤 B
SECL-3262〜3263/3,630円(税込)
CD+Blu-ray(Music Video / Behind the scenes)+Objekt type-A(8種類のうちランダム1種)
※ランダム特典として、Premier Class Objektがプラス1枚封入

初回仕様通常盤
SECL-3264/2,750円(税込)
CD+Objekt type-B(8種類のうちランダム1種)

FC限定盤(メンバー別ジャケット)
SEC8ー100〜11/3,630円(税込)
CD+Objekt type-C(8種類のうちランダム1種)
※「tripleS JAPAN OFFICIAL FANCLUB WAV」に登録されている方のみ購入可能

■公演情報
『tripleS ∞! 来日公演』
日程:2025年11月2日(日)
会場:豊洲PIT(東京都江東区豊洲6丁目1-23)
※詳細は後日発表

オフィシャルサイト:https://www.triplescosmos.com/
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