氷川きよし、宮本浩次、德永英明……「赤いスイートピー」カバーなぜ広がる? 言葉の“感触”が聴き手に委ねるイメージ
作詞活動55周年の作詞家・松本隆を迎え、貴重なアーカイブ映像などが放送された7月22日の音楽番組『うたコン』(NHK総合)。番組では、1982年にリリースされた松本作詞による松田聖子の「赤いスイートピー」を氷川きよしが歌唱した。
氷川は今年5月28日、プロデューサーに亀田誠治を迎えた同曲のカバーも配信リリースしている。リリース時のコメントで氷川は、5歳のときに連れて行ってもらった人生初のコンサートが松田のステージだったことを振り返り、松本の詞の世界、主人公の少女の思いに共感し、自身にとっての「歌の原点」としている(※1)。
2017年3月放送の『The Covers』(NHK BSプレミアム)では、エレファントカシマシが「赤いスイートピー」をカバー演奏したほか、宮本浩次(Vo/Gt)の初カバーアルバム『ROMANCE』(2020年)にも収録された。宮本は同曲について、歌詞とメロディに深い魅力を感じたのだという。
2014年には富士フイルム「アスタリフト」のCMでは、松田と松たか子が「赤いスイートピー」をコラボレーション歌唱。同曲の良さが若い世代を中心にあらためて広がるきっかけとなった。ほかにも德永英明が自身のカバーアルバムシリーズ『VOCALIST 4』(2010年)で選曲したり、Toshlが2018年リリースのカバーアルバム『IM A SINGER』で歌唱。まさに「赤いスイートピー」は、時代を越えて歌い継がれている名曲中の名曲と言ってもいい。
なぜこれほどまでに愛される曲なのか。その理由の一つはもちろん、松本が綴った歌詞の魅力にあるだろう。