Snow Man 深澤辰哉とラウールの“ふかラウ”が広げるグループの幅 ドラマ出演から見える役割と新たな表現
屈託のない言動に思わず笑顔にさせられる、そんなラウールの人懐っこさがドラマ『愛の、がっこう。』(フジテレビ系)で演じているカヲル/鷹森大雅のキャラクターにも滲み出ている。カヲルは家庭環境が整っていなかったことから義務教育を満足のいくように受けられず、文字を書くのが苦手なまま大人になってしまったという過去を持つが、それさえも人当たりの良さでカバーして、のし上がっていこうという強かさを感じさせる。
だが、そんなカヲルが主人公・小川愛実(木村文乃)の婚約者さえ気づくことのなかったおでこの傷を心配する一幕が物語の大きな転換点となった。女性が気にかけてほしいところをしっかりケアするというホストとしてのテクニックではなく、人として見過ごすことができなかった言動。そんな彼の中にあるピュアな部分が自然と出たように見えたのは、きっといつも気づいたことをサラリと口にしてきたラウールだからこそだったのではないだろうか。
4月19日、東京・国立競技場にて行われたグループ初のスタジアムライブ『Snow Man 1st Stadium Live~Snow World~ 』の囲み取材で、ラウールが「奇跡だと思います」(※2)と感想を述べていたのを思い出す。「本当に奇跡だと思います。自分たちがこの会社に出会えて、Snow Manになれて、ファンの人とか関係者のみなさんに出会えたっていうすべての運命が今日につながってると思うので、そういう意味ですごく奇跡的な景色だなと」――ともすれば台詞のような言い回しになりかねない甘い言葉も、ラウールの口から聞くと不思議と染み込んでいく。
Snow Man、初のスタジアムライブは「奇跡的な景色」 国立競技場初日公演後の囲み取材を徹底レポート
『Snow Man 1st Stadium Live Snow World』4月19日国立競技場公演の後に行われた囲み取材の模様…だからこそ、第1話のラストにカヲルが愛実を客として引っ張ろうとしている様子が、彼の本性なのか、あるいは学ぶことに初めて喜びを教えてくれた愛実と接点を持ち続けようという口実なのか、その真意は計りかねる。その絶妙な塩梅で素顔が見え隠れするところは、ラウール自身が持つ野心と近いのかもしれない。
「ダンスを踊っても『アイドルの中ではうまい』、モデルをやっても『アイドルだから選ばれている』という見え方がコンプレックスで」と悔しさを浮かべたり、「『このアイドルやべえな』ってなること」(※3)と力強く目標を語ったりと、底知れぬ伸びしろにゾクゾクとさせられるのは筆者だけではないはずだ。
『TGC』こと『第40回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2025 SPRING/SUMMER』で見せたソロ曲「Induction」のスペシャルステージに圧倒された人も多かったことだろう。もはや、これまでの“アイドル像”に収まりきらない伸びしろを感じさせるラウールに、深澤も「あれ、ヤバかったよね。表現力? ラウールに関してはどうやって伝えていいかわかんないんだよね。怖すぎて、すごすぎてね」と舌を巻いていた。
自身が持つ強みを武器に、そしてメンバーを誇りに感じながら、今期ドラマの世界で羽ばたいていく、Snow Manの“母”と“末っ子”。この夏の経験が、彼らのアーティストとしての引き出しを増やすことはもちろん、その創造力がグループへと還元されていくのが楽しみで仕方ない。
※1:https://www.iza.ne.jp/article/20250715-IKBWY7QEBFD5NIJX3XUSMDTP3Y/
※2:https://realsound.jp/2025/04/post-1996928.html
※3:https://www.sanspo.com/article/20250716-SGZXGKRO2VK5JNOYG6LF7YT7PQ/2/























