三代目 J SOUL BROTHERSの絶対王者として君臨するための旅 『KINGDOM』京セラドーム公演
その後、出てきた今市が「後半戦まだまだ盛り上がっていくぞー!」と叫んで始まった後半戦は10曲を繋げたメドレーをほぼフロートステージに乗りながら披露。その中には説明不要の知名度を誇る「R.Y.U.S.E.I.」や、ダンスがSNSやCMでも話題となった「Share The Love」や「Rat-tat~tat」もあった。これをメドレーの短い尺でやったと書くと「勿体ない」と思う人もいるかもしれないが、そういった曲に頼らずとも初見も関係なくドームを揺らせているここまでにJSB3の凄さがあるし、こちらが思っている以上に常に最高を更新し続けていることが伝わった。このメドレー中にはサポートダンサー達にスポットを当てるパートもあり、思い思いのダンスを見せていた。メドレー最後の「Beautiful Life」「STARS」の2曲では、非常にピースフルで優しい空気感になり、この場にいる全員の自己肯定感が上がり、人生の主役として胸を張れる気分になった。全員主役、全員優勝。そんな多幸感のまま、本編ラストナンバーは「RAINBOW」。大合唱が巻き起こり、MATEのスティックライトによって京セラドームは虹色に染まる。何より全員笑顔だ。メンバーも何度も「みんないつもありがとう!」と愛を伝えて、極彩色と温かなバンドサウンドに包まれながら、本編は終了した。
すぐにアンコールは起こり、待つ間には客席を映してMATEのカメラアピールのコーナーなどが行われた。岩田剛典のソロツアーの告知を挟み、モニターに“JSB”の3文字が現れると「J!S!B!」とコールが起こる。そのコールが起こるたび、モニター映像は凍りついていく。そして限界までいったところで映像が砕け崩れていくと「ICE BREAKER」がスタート。客席からのメンバー登場に会場も驚く。「まだまだいけるか!」「燃え尽きようぜ!」とメンバーも煽り、クラップもハンズアップも、コール&レスポンスも全く疲れ知らずで盛り上がった。この曲は新たなライブ定番曲になりそうだ。終盤の火花が上がるサブステージでのパフォーマンスにも大きな歓声が送られた。
そして改めて次なるステージがヤンマースタジアム長居でのスタジアムライブであることを示す動画が流れ、このツアーのラストソングを飾る「J.S.B. DREAM」の演奏が始まる。ØMIは「MATEには俺達がいる! 俺達にはお前らがいる!」と告げて歌い始めた。明朗な楽曲を変わらぬクオリティで歌い上げる今市とØMI、そこに抜群に息の合った5人のダンスを見ていると、いやここからまたライブを始めるのかというくらい勢いが変わっていない。ただここまでのライブを見ていると、それもそうかと思った。もう次の建国の準備は始まっていて、しっかり先を見据えている彼らはここで疲れを見せるわけもないし、良い意味で浸ってもない。ただこのドームツアーでもらってきた感謝と誇りはしっかり胸に刻んで進んでいるように見えて、頼もしさが勝ったし、忠誠心さえ芽生えた。〈JSB!〉のコール&レスポンスをしている頃には、またセンターモニターが重々しく開き始め、7人は新たな扉の先へ向かっていく。そして最後に「スタジアムで会おう」という言葉を残して、8度目のドームツアー“KINGDOM”は一度閉国となった。
多くの挑戦と個の強さを改めて見せつけた今回のドームツアー。日本の音楽シーンに絶対王者として君臨するための旅は続いていく。