CUTIE STREET 全員インタビュー 前編:この8人の出会いは「運命」 不安、喜び、悔しさとともに駆け抜けた日々

 「かわいいだけじゃだめですか?」でデビュー直後から大ブレイクを果たし、怒涛の日々を過ごしてきたKAWAII LAB.所属の8人組アイドルグループ CUTIE STREET。2024年8月のデビューステージから、まもなく1年という節目を迎える。

 そこでリアルサウンドでは、彼女たちがどんな人生を歩み、CUTIE STREETとしてデビューし、どんな気持ちで1年間を過ごしてきたのか、その現在地を記録するために連続インタビューを企画。ここまではソロインタビューで人生を振り返ってもらったが、最後はメンバー全員でのインタビューを前後編の大ボリュームでお届けする。

 前編となる本稿では、合宿オーディションを経てグループが結成された当時の心境や、初ステージとなった『TOKYO IDOL FESTIVAL 2024』(以下、『TIF』)の裏側、そしてデビュー間もない時期に経験したブレイクとその影響について、メンバーたちの言葉を通して振り返っていきたい。(川崎龍也)

「本当の性格が見える期間だった」振り返る過酷なオーディション合宿

CUTIE STREET

――デビューのきっかけとなったオーディション合宿から振り返らせてください。初めて顔合わせをしたときのことを覚えていますか?

真鍋凪咲(以下、真鍋):とにかくみんな“強烈”って感じでした(笑)。

川本笑瑠(以下、川本):ほんとに“強い”って言葉がピッタリだったよね。

真鍋:ただ、その強いというのが変な意味じゃなくて。それぞれにしっかり武器があって、自分の色を持っているっていう意味の強さなんです。「あ、これはとんでもない場所に来たぞ」って思いました。そこに自分もいるっていう状況に、正直焦りも感じましたし、「頑張らなきゃ」ってスイッチが入った瞬間でした。

――参加者それぞれのレベルの高さは、合宿の空気にもしっかり表れていたんですね。

梅田みゆ(以下、梅田):スタッフさん的には「メンタル面を見ていた」と言っていたんですけど、実際の審査では、まず歌とダンスをガッツリ見られていたんですよ。で、やっぱりスキルが高い子が集まっていて、さらにまとめる力があったり、コミュニケーション能力が高かったりと、とにかく総合力がすごくて。だから本当に「強い子たちが残ったな」って思います。

――そうした中で、合宿中に印象に残っている出来事ってありますか?

古澤里紗(以下、古澤):お風呂の記憶がすごくあります(笑)。大浴場で、時間ごとにグループで入るスタイルだったんですけど、初対面の人と一緒に入るのがまず緊張で……。しかも時間が限られているから全然リラックスできなくて、ほぼ浸かってないです(笑)。お風呂大好きな私でも、あのときは無理でした。

川本:そのときの課題曲がSWEET STEADYさんの「ミチシルベ」だったんですけど、お風呂の中で誰も歌ってないのに、ずっとその曲が幻聴みたいに聞こえてきて(笑)。「誰か歌ってる?」って聞いたら「歌ってないよ」ってなって。みんなも「私も聞こえてた」って言ってました。

――幻聴が聞こえるほど、真剣に取り組んでたってことですよね。

増田彩乃(以下、増田):しかも、お風呂を早く上がるとその分、自主練できる時間が長くなるんですよ。だからチームで「何分に入ろう」とか作戦会議もしてて。体だけじゃなくて頭もすごく使う合宿だったなって思います。

――メンタル面のプレッシャーも相当だったのではないでしょうか?

真鍋:本当にそうでした。合宿では個人パフォーマンスもグループパフォーマンスもあって、ライバルであり仲間でもあるという複雑な関係性の中で、みんなで声を掛け合って支え合っていました。担当スタッフさんも1チームに2人くらいついてくださって、すごく親身にアドバイスしてくれたのも心の支えになっていましたね。

古澤里紗&梅田みゆ

――真鍋さんは、披露の直前に過呼吸になってしまったこともあったそうですね。

真鍋:今まではパフォーマンスの場が怖いと思ったことはなかったんですけど、「このパフォーマンスで人生が決まるかもしれない」って思った瞬間、頭が真っ白になって、一気にプレッシャーが押し寄せてきてしまって……。焦りと不安で息ができなくなったのを覚えてます。みゆも大変だったよね?

梅田:正直、メンタルは保ててなかったです。もう普段の自分を装って明るく振る舞ってたけど、内心はずっとグチャグチャ。明るく見せないと自分が壊れそうだったというか。それでも「この数日間で人生が決まる」と思って必死に食らいついてました。

桜庭遥花(以下、桜庭):私は3日目くらいでやっとみんなの名前を覚えた感じでした(笑)。オーディションの経験はあったんですけど、課題曲の振り入れから次の日に即披露とか、そんな詰め込みスケジュールは初めてで……。とにかく大変だったなっていうのがいちばんの印象です。

佐野愛花(以下、佐野):なぎとみゆと彩乃が一緒のグループだったんですけど、最終日に「今日で全部が決まる」というプレッシャーで、急に振り付けが全然出てこなくなってしまって……。自分だけじゃなくて、グループの中でも何人か、いきなり真っ白になって動けなくなってしまう子が出てきて。それで、ちょっとパニックというか、「どうしよう!」って、みんながざわついてしまった瞬間がありました。自分も「やばい、やばい」って焦っていましたし、そんな中でなんとか気持ちを持ち直して、本番はちゃんとやり切れたんですけど、普段なら冷静な子までああなっているのを見て、「本当にすごいことに挑んでるんだな」と実感しました。

――内面がむき出しになるような、そんな瞬間でもあったんですね。

佐野:そうですね。みんな、限界を超えていたと思います。だからこそ、その人の素の姿が表に出るというか。良くも悪くも、その子の本当の性格が見える期間だったなと感じていました。

――そうした経験が、今のグループの団結力につながっているのかもしれませんね。あのときにさらけ出したからこそ、今の仲の良さがあるというか。

佐野:そう思います。あの合宿期間は、いろんな意味で大きかったです。

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