天音かなた、“一生の推し”宮本佳林から学ぶアイドルの心得 「夢を追うことを絶対に辞めない」

ホロライブに所属希望?「宮本さんが来たらあっという間に人気者になります!」

天音かなた

天音:そんなそんな、私のことなんて褒めていただいて、すみません……!

宮本:いやいや(笑)。

天音:でも私、宮本さんが歌う「ヴァンパイア」(DECO*27)の歌ってみたを聴いて感動したんです。宮本さんのボカロ曲の歌ってみた動画が上がる時代の素晴らしさも感じたのと同時に、とにかく「うっま!」と思って。宮本さんはすごくかわいくて、ダンスとかいろんな面を見ていてキュンとなりますけど、歌い手として出てきたとしても絶対に大バズすると思うんです。本当に断トツで歌がお上手だと思うのですが、その上手さはどうやって身につけたのかが気になります。

宮本:私、最初はめっちゃ歌が下手だったんですよ。小さい頃は音程を取るのが苦手で、カラオケでもひどい点数しか出ないくらいだったんですけど、お母さんが歌好きで、めちゃめちゃ鍛えさせられたうえで事務所(アップフロント)に入ったんです。研修生時代もデビューするために歌を猛練習しましたし、Juice=Juiceでデビューして間もない頃も、自分の歌に納得できなくて。それで菅井(秀憲)先生に直談判でレッスンをお願いしたことが、大きく成長したきっかけでした。

天音:そうだったんですね! やっぱり菅井先生すごい……。

宮本:歌の先生は合う・合わないの個人差があると思うのですが、私の場合、菅井先生は本当にピッタリ合って、魔法みたいに声が出るようになったんです。どうしたら声が出るのか、感覚だけでなく、筋肉の動きも意識して、それを本番でも自然と実現できるように訓練していったのですが、そこで声は体なので、ただ頭で考えるだけではダメだということに気付いて。私にとってはすごく相性の良い先生でした。

天音:うわあ! 今のお話、ハロプロオタクとしてエモすぎます……!

宮本:で、ソロになってからは自主練を大切にするようになりました。ワイヤレスマイクとかの機材も自分で揃えて、スタジオで繰り返し練習する。やっぱり回数は大事で、何回も歌い込んで、自分で意識しなくても自然と歌声が出るくらいまで練習するようになりました。

天音:ストイックすぎです……! こんなに歌が上手い方でも日々練習していらっしゃるということを知って、自分ももっと練習しようと思いました。でも、宮本さんはライブでもピッチやリズムが完璧で、ファルセットも綺麗ですし、ガナリもできて、もう、信じられない上手さだと思うんですよね。本当にレベルが違う。あの、ホロライブと二足のわらじで活動しませんか……?

宮本:いいんですか? 私、なんなら事務所に「ホロライブのオーディションを受けてもいいですか?」って聞いたことがあるんですよ(笑)。ホロライブは常時オーディションをされているので。

天音:え、もちろんいいですよ! 宮本さんが来たらあっという間に人気者になります! 歌枠とかした際には「この子より上手い奴いないやん!」ってマジでなりますよ。

宮本:いやいや。もし、そんな日が来たら絶対一緒に歌枠しましょう。

天音:ええーっ! 無理無理無理! 私、公開処刑になっちゃう。

宮本:そんなそんな。いつも聴いてますけど、かなたそさんはお上手ですから。こんなに好きで聴いてくださっているのであれば、せっかくなのでJuice=Juiceの曲を一緒に歌ってみたいです。

天音:え、めっちゃ歌いたいです。私、カラオケで超歌っていたので。ずっと宮本さんのようになりたいと思って歌ってきました。

宮本:じゃあ、かなたそさんの一番好きなJuice=Juiceの曲を歌いましょうよ。

天音:えーっ! マジで悩む。やっぱり「イジワルしないで 抱きしめてよ」かなあ。そういえば、あの曲のMV、佳林ちゃんがいるバージョンをYouTubeに上げてもらえないんですか?

宮本:アハハ(笑)。(MVの撮影当時)私は怪我していたから、一切踊っていないもんね。

天音:そうなんですよ。もちろん代役で踊ってくださった石田(亜佑美)さんも素敵なんですけど、佳林ちゃん推しの私としてはやっぱり観てみたくて。

宮本:じゃあ、もし歌枠を一緒にやれた日には「イジ抱き」は絶対に歌いましょう。歌ってみたでもいいので、いつかかなたそさんと一緒に歌いたい。またひとつ、夢ができました。

天音:夢なんてそんな! もう、こちらから頭を下げて、床に土下座しておでこがなくなるくらいお願いしたいです! その夢、絶対に叶えましょう!

天音:ここまでお話ししてきても感じますけど、宮本さんはトークもめちゃめちゃお上手じゃないですか。私はこの連載でいろんなアーティストの方とお話をさせていただいているのですが、なかなか上手く会話をリードすることができなくて。その語彙力とトーク力は一体どうやって培ってこられたんでしょうか。

宮本:私も中学・高校くらいまでは「トークができない」と言われていたんですけど、いつの間にかできる人と思われるようになっていて。それはトークは苦手だけど、おしゃべりは得意だからなんです。今もトークではなく、かなたそと楽しくおしゃべりしている気持ちなので、たくさんお話しできているんだと思います。

天音:……今の返答、すごくないですか? まず「トークが下手と言われた時代もありました」から入ることでストーリーが生まれていますし、でも私が「トークが上手いと感じた」ことは否定せず、「トークは苦手だけどおしゃべりは得意」という落としどころを付けて、しかも「かなたそと楽しくおしゃべりしている」とファンサービスまでしてくださっている。これはなかなかできないですよ。

宮本:分析されると恥ずかしい(笑)。なるべく自分の言いたいことが伝わるように意識してますけど、本当にリアルに思っていることを口に出しているだけなので。

天音:そこなんです! 計算ずくとかではなく、感じた思いを素直にいろいろ伝えてくれるところが良いです。ちょっと感動しすぎてオタクになりました(笑)。そんな宮本さんでも、例えば活動を辞めたいと思ったり、自信がなくなったことってありますか?

宮本:私が今みたいにあっけらかんとして悩まなくなったのは、自我が安定してきた高校3年生くらいの頃で。それまでは本当に繊細なところがあって、メンタルの調子が体に出てしまって声が出なくなってしまったこともありました。なので「続けられるかな?」と思う時も多々あったのですが、やっぱりこればっかりは応援してくださる方がいる環境のおかげが大きいです。皆さんからの「いつになっても待っているよ」といった言葉や、自分が歌や踊りで表現することで喜んでくださる方がいる自信、私のことを好きな方々が私にたくさんの想いを伝えてくれたからこそ、ここまで続けてこられていて。今は、そういう風に思ってくださる方がたくさんいることがわかっているからこそ、もっといいものを提供したいと思って活動しています。

天音:宮本さんを推してて良かった……! 実は他のインタビューで落ち込んだ時期があるというのをチラッと見たことがあって、私の中で宮本さんは何でもできる人なので、何を悩むことがあるんだろう? と思っていたんです。

宮本:私だって普通の人間ですし、今も悩みがゼロというわけではないですけど、やっぱりそういうのも含めて人生だよなあ、と考えるようになったので。今は何があってもなんとかなるだろう、という気持ちで生きています。

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