M!LK「やれることは全部やったシングル」 『アオノオト』で示す『イイじゃん』とは異なるグループの“本流”

今年3月にリリースされたアルバム『M!X』のリード曲である「イイじゃん」が、TikTokを中心とするSNSで大きな反響を巻き起こしているM!LK。役者/タレントとしての個々の活躍はもちろん、グループとしても結成10周年のアニバーサリーイヤーにふさわしい快進撃が続いている。そんなM!LKが、ニューシングル「アオノオト」をリリース。表題曲は、昨年に引き続きメンバーの佐野勇斗が出演するボディケアブランド「シーブリーズ」のCMソングに抜擢されている。今回は『M!LK CONCERT TOUR 2025 "M!Ⅹ"』の横浜アリーナ公演で初披露されたことについての熱い思いや、メンバーのこだわりが詰まったカップリングについて、吉田仁人、塩﨑太智、山中柔太朗に話を聞いた。(山田邦子)
「アオノオト」ライブ披露で感じた手応え
ーーメジャー7枚目となるシングル「アオノオト」が完成しましたね。
吉田仁人(以下、吉田):超M!LKらしいし、超夏だし、超元気出る。青春感があって、"らしさ"も詰まった曲です。今回僕らは青春してる人たちを応援する側ではあるんですけど、この曲は僕たち自身も、パフォーマンスしていて、歌っていて、元気出ちゃうというか。自分で自分にバフをかけられるくらい、すごく明るくて元気が出る曲になりました。何か頑張りたいことをやってる時とか、元気がなくなったなって時にはぜひ聴いてほしいなと思います。アルバム(『M!X』)でいろんな曲を出しましたけど、この曲はM!LKの本流みたいな感じもあって、本当に大事にしていきたいなと思う曲です。
ーー先月行われた横浜アリーナのライブで初披露されましたが、メンバーの皆さんが本当に楽しそうだったのが印象的でした。
塩﨑太智(以下、塩﨑):めちゃくちゃ楽しかったですよ。新曲を初披露するときって大体見入ってる方が多いんですけど、「アオノオト」はみ!るきーず(M!LKファンの呼称)もすごく盛り上がってくれてたし。
吉田:初めて見るのに、すごく楽しそうでね。
塩﨑:「オイ! オイ!」みたいな声も出してくれてて、これからもっと馴染んでいくいい曲になるんだろうなって思いました。
吉田:うん。大事に歌い続けたいなっていう曲ですね。

ーー山中さんはMCでも「過去イチを更新した」っておっしゃっていましたね。
山中柔太朗(以下、山中):やっていて楽しいんですよ。映像を見返したんですけど、一番笑ってますからね(笑)。だから、あの横浜アリーナの時もアンコールが楽しみで。
吉田:そこまで言うの、珍しい。
山中:大好きなんです。シンプルに曲が好きで、メロも好きなんですけど、歌詞がすっと入ってくるんですよね。聴く人の年齢が限定されてないってところがいいんですよ。大人が聴いてもいいし、青春真っ只中の人が聴いても刺さると思うんです。あとは、今の自分にも刺さるってところが、たぶん好きな理由なのかも。いつでも、幾つになっても今が青春だよねみたいなことを言ってくれてる曲だから、どんな人にも刺さるんだろうなって思います。
“円陣”へのこだわり
ーー今回の制作に関しては?
塩﨑:「アオノオト」はシーブリーズさんのCMタイアップ曲ですが、カップリングは(佐野)勇斗と仁人がスタッフさんと一緒に話しながら制作にも入ってくれました。
ーー昨年の「ブルーシャワー」もシーブリーズのCMタイアップソングでしたから、今年も引き続きということですね。
吉田:はい。なんだか、成長を感じるんですよね。あの時は僕らも楽しんでます! 頑張ってます! って感じだったけど、今回は今頑張ってる人たちへっていう側からの視点でもあるから。
ーーそういう成長を、「ブルーシャワー」と「アオノオト」を手がけていらっしゃる渡辺拓也さんは感じてほしかったのかもしれないですね。
吉田:そうなんですよね。渡辺さんは、この前の横浜アリーナも見に来てくださって。
山中:「最高でした」って言ってもらえました。
吉田:そういえばあの時のパフォーマンスなんですけど、ラストのサビのところで円陣を組むみたいなとこがあったじゃないですか。あれ、メンバーの意見でちょっと形を変えさせてもらったんですよ。原型はあったんですけど、「こんな感じでみんなで視線合わせて、うわー! って行きたいんだよね」みたい感じで。
山中:そうそう。ツアー中だったんですけど、「どうする?」「ちょっと実演してみようよ」って感じで動画を撮ったりして、それが採用された感じだった気がします。
塩﨑:そうだね。
吉田:ライブになると、感情がより高まるんですよ。だからあの円陣は必須だなと思って。あれはやって良かったなと思いましたね。
山中:あそこ見て、涙出ましたみたいな人が結構いて。
塩﨑:へえ!
山中:そういうコメントもあったし、ライブに来てくれた友人とか知り合いも一番感動したって。やっぱり、青春。大人だからこそいいんでしょうね。いろいろ思い出したりして。

ーー歌詞の中に〈過ぎていく日々を謳歌して 平坦じゃない 山も谷もある 泣いて笑って忙しい〉とありますが、全世代に刺さる表現だなと思う一方で、これはまさに今のM!LKを表している言葉でもあるなと感じました。
吉田:そうですね。それこそ「Winding Road」に通じるものも感じるし。山あり谷ありだからこそ、より歌にも感情が乗るというか。確かに、歌っててすごく「うわっ」となれるんですよね。本当に、すごくいい歌詞です。
山中:(「アオノオト」を手がけた)渡辺さんは、前から知ってくれてるからね。こういう、明るいんだけど泣ける曲って好きなんです。
「イイじゃん」後にライブで生まれた変化
ーー「イイじゃん」がSNSでバズっているところでの新曲ですから、M!LKの振り幅を知ってもらうという意味でも、いろんな方に聴いてほしい1曲ですよね。
吉田:はい。「イイじゃん」がアルバムのリードで、次のシングル「アオノオト」でもう1回本流を見せたいみたいなところもあって、僕らの変幻自在さというか、逆にここでもう1回M!LKのこっち側も知ってもらえたらよりいいし、むしろ両方あった方がいろんな僕らを見てもらえると思います。

ーーライブの本編を「イイじゃん」で締めて、アンコールで「アオノオト」という流れも納得です。
塩﨑:バズったから「イイじゃん」を最後に持ってきたというより、バズる前からセットリストは考えてたんですよ。リード曲だし、ライブの締まりとしてもいいなと思って。いつもは明るく「バイバイ!」とか言いながらだったけど、スン……! って締めたいなと思ってああいう流れにしたんです。
ーーそういうことだったんですね。ちょっと話はズレますが、今回のライブは男性の観客も多かった気がします。
塩﨑:思った、思った。
吉田:めっちゃ増えました。トロッコ乗ってる時、めっちゃ見えてたし。
山中:カップルも多かったよね。それ、嬉しくない?
塩﨑:俺とハート作るんじゃなくて、カップルでハート作ってる人たちとかいたもんね。
山中:いたいた(笑)。
塩﨑:そういえばこの前街を歩いてたら、彼氏の方が先に気づいてくれたこともあった。で、女の人が「『イイじゃん』の人ですか」みたいな。
吉田:やっぱり街中で声かけられるって嬉しいよね。
ーー単にSNS上でバズっただけでなく、ライブに来てくれる人も増えて。
塩﨑:そう。それが嬉しい。だから「アオノオト」、やっぱりこのタイミングでよかったかもね。
吉田:うん。今回はカップリング曲もめちゃくちゃ振り幅あるんで、いいバランスだと思います。M!LKのことを知って聴いてみようかなっていう人にも、いい入り口になりそう。
ーーその「アオノオト」ですが、MVもかなり見応えがありますね。
山中:最初に佐野が打ち合わせに入って、いろいろ考えてくれました。今回はアイドルと野球部っていう世界線を分けつつ、絡んでくる感じ。ダンスシーンもあるんですけど、基本的にはドラマなので、5人が役を持っていてセリフもしっかりあるんです。ガチの喧嘩のシーンとかもあったりして。
吉田:野球部のシーン、ユニフォームまでちゃんと作ったんですよ。
制服風衣装の注目ポイントは?

ーーキービジュアルは今日も着用されているグレーの制服ですが、今回も山中さんが手がけているということで。
山中:普通の制服衣装を作るのは面白みがないと思って。色はグレーにしたかったんですけど、グレーで普通にしちゃうと本当にただの制服になっちゃうから、ギミックというか、何かテーマを設けないとっていうところで“平成”をモチーフにしたんです。曲も青春だし、僕らの世代の20代前半は平成を生きてきてる人たちだから、何かポイントというか話題になればいいなと思って。
吉田:腰に付けてる尻尾とか、有線のイヤホンとか。
塩﨑:僕の襟元の缶バッジとか、ティンバー(ランドのブーツ)とか。
山中:ティンバーはまた再燃してるから今っぽいと言えば今っぽいけど、最初は平成に流行った靴だからね。
ーーM!LKのオフィシャルホームページで展開中の『#MILK文化祭』も盛り上がりそうです。
吉田:それこそ現役学生の子たちはネット発信というものが強いですからね。楽しんでいろいろやってくれたらなと思います。みんなすぐにいろんなことを投稿する時代じゃないですか。


















