Leinaが作り出すクリエイティブの核 初アルバムや韓国ワンマン、楽曲提供を経験した20歳のシンガーソングライターの今
「ルーツ」と「好き」を表現した「medicine」
――ミュージックビデオもLeinaさんのセルフプロデュースから生まれたものだと思うんですけど、今回はどういうものを作りたかったんですか?
Leina:『glee』、『ハイスクール・ミュージカル』とかのミュージカルドラマが好きで。ああいうドラマって、キャラクターが急に机とか叩き出して、知らない人とかもみんな歌い出すんですよ。ああいうグルーヴとか、そうやって音楽ができていくことに、当時すごく感動して。そういうドラマに影響を受けているのもあったし、ドラマチックなミュージックビデオにしたいなと思って、そういう要素を感じつつ、ちょっとファニーでハッピーでコミカルなストーリーを作りたいなと思ってましたね。……これ、めっちゃこだわったんですよ!
――こだわりを感じます。そもそもMVも2000、2010年代のUS感のイメージがあったんですね。
Leina:キャスト一人ひとりのスタイリングにもこだわったし、全員分のヘアメイクの資料を作ってヘアメイクさんに渡したり、当日もみんなをチェックして「この人はまつげをピンクにしてください」「この人のスタイリングは赤を足したいですね」ってお願いしたり。映像の質感は冷たくしつつ、色味をカラフルにして、可愛いしポップだけどポップすぎない、ちゃんとかっこよくなる感じを目指しました。質感はビリー・アイリッシュの「BIRDS OF A FEATHER」とかをリファレンスとして出しましたね。撮影中も机の上にある紙が少ないなと思ったら紙を増やしたり、カメラチェックして黄色があったほうがいいなと思ったら黄色のファイルを持ってきたり、最初の主人公の男の子を困らせるシーンがあまり困らせてる感がなかったから「みんなが仕事を持っていく感じにしよう」って提案したり、そういうことを都度言ってました。監督(FAN TAJIO)も優しい方なので、「いいねそれ」って言って採用してくれて。
――もう一度聞くけど、そこまで妥協なくやり抜く理由は何ですか?
Leina:よりよくしたい。いいものを作りたい。それぞれプロだからいいものにはなるんですけど、自分の作品だから自分がちゃんと納得するものを作りたいというのもあるし。そうやって一緒に作ることも好きなので。時間、お金とかの制約もあるけど、その中でできる限りはトライしたいという感じですね。あとから何かを思っても変えられないから。「ああすればよかった」ということは絶対に残るけど、クリエイティブ中にやり尽くした感覚を持てていたら自信を持って届けられると思う。今回もちゃんと「いいものを作れた」という自信を持てていますね。
――曲も映像も、自分のルーツに基づいて作ったものに結果がついてきているというのは、めちゃくちゃ嬉しいことですね。
Leina:嬉しかったですね。ちゃんと自分の「ルーツ」と「好き」をやれたので、Leinaの核とはまた違うけど、「こういう顔も出せるよ」っていう新しい表情を見せられた曲になったかなと思います。
――この1年にあった大事なトピックとして、増田貴久さん(NEWS)への楽曲提供もありました。「キャンディ」は、Leinaさんらしくエロや色気が上品に表現された曲だなと思ったんですけど、これはどんなオーダーからできあがった曲だったんですか?
Leina:増田さんが「うたたね」を歌ってくださっていたらしく、レコード会社の方が連絡をくださって。「うたたね」の色気があるけどエロすぎないところを評価していただいていたので、あの曲でもやった比喩表現をイメージしました。やっぱりその人をめちゃくちゃ好きにならないと、その人に似合う楽曲は作れないと思うし、その人の魅力を誰よりも知ってないと、その人の魅力を引き出せないと思ったので、まずめちゃくちゃ知って愛するところから始めましたね。ファンのアカウントとかも見ていたので、一時期インスタとTikTokに増田さんばっかり出てくるようになって(笑)。まっすぐさ、キュートな笑顔、色気、グループを支えている感じとか、すっごく魅力的な人だなと思ったんです。可愛い印象を持たれがちだけど、その中にある上品な色気とか、私なりに解釈した彼の魅力を楽曲に落とし込みたいなと思って、「キャンディ」というテーマで書き始めました。まずBメロ(〈舌の上で君が踊る~〉)ができたんですけど、〈気分が落ちたら必ず君に会いたくなる〉を最初に持ってきているのもポイントですね。増田さんは、すごくファンを大切にされているプロ意識の高い方だなと思って、きっとファンという大切な存在にこう思っているんじゃないかなって。
――増田さんが歌うことを想像した上で書いたメロディだと思うんですけど、どんなことを考えてました?
Leina:増田さんって、いろんな声の音色があって。吐息多めでささやくときもあれば、声量があってソウルフルに歌い上げるときもあれば、エッジの効いた色気が出るニュアンスがあったり。それをうまく出したかったですね。全体的に彼が歌うから品があるなって、すごく思います。
――この1年は、韓国での人気も着実に積み上げてきましたよね。今年1月には韓国で700人キャパのワンマンライブが即完という記録を作りました。韓国でのライブは、Leinaさんにとってどういう経験になりました?
Leina:最初に路上ライブをやって、そのあと11月に『WONDERLIVET 2024』というフェスに出たんですけど、本当に韓国の方に聴かれているんだってリアルに実感しました。愛情の強さにびっくりしましたね。愛情表現がすごいんですよ。みんな大きい声で歌ってくれたり、ペンライトを振ってくれたりして、会場が揺れてました。ちゃんと「やばいアーティストだ」って思ってもらいたかったし、ソウルみたいなものに音楽の本質が詰まっていると思っているので、そこを届けることを大事にしていたし、実際に届けられたライブだったかなと思います。言葉をすべて理解していなくても音楽で通じ合えているんだなという感覚があって、改めて自分は「音楽好きだなあ」って思いました。
――海外にも音楽を届けたいという気持ちは強まりました?
Leina:めちゃくちゃリアルに実感しましたね。小さい頃から言霊を信じているから、漠然と「世界的なアーティストになりたい」とは言ってきたんですけど、はっきりと道筋は見えてないじゃないですか。日本だったらドームに立つまでの道筋は見えているかもしれないけど、「世界ってどうやって行こうかな?」みたいな中で、刺激をもらってモチベがガッと上がったし、道筋がちょっと見えそうだなって思いました。すごくいい体験だったと思いますね。絶対に諦めちゃいけないなって思いました。それこそJ-POPは今世界的に注目されているジャンルでもあるし、実際J-POPの第一線で走られているアーティストさんがだんだん世界に進出されている中でどういう土台ができていくのかも楽しみですし、ちゃんと自分ももっと成長したときにトライできるアーティストでありたいなって思います。
――カロリーメイトのWEB CMで聴ける「Moment」も名曲の予感がしているので、フル尺の完成を楽しみしています。次はLeinaさんからどんな曲が出てくるのだろうっていうのが、毎回楽しみです。
Leina:いろんな人に届いてほしいから狙いたくなっちゃう自分もいるけど、スタッフのみんなからは「Leinaは流行りに乗るんじゃなくて、流行りを作るアーティストだろう」って言われていて。たしかにと思いつつ、「でも流行りを作るって何?」って……まあ売れたらそれが流行りになるんでしょうけど。でも今まで自分が好きに作った楽曲はあまり回ってないから、難しいんですよね。その狭間で揺れていますね。
――順番を間違えなければ、Leinaさんは絶対に大丈夫だと思いますよ。Leinaさんの内側から出てくるものに私は心が震えるから、それを表現するために、Leinaさんの真面目さや器用さを使ってほしいなと思って。簡単に言うなよ、って感じですけど。
Leina:そっかあ、順番だけかあ……そうなんだよなあ……。次の新曲は、めちゃくちゃ尖ったものを作ったんですよ。少しは成長したLeinaが「ポップスとは」「キャッチーとは」とかを考えずに、自分の好きなことをやってみました。それはすごく楽しかったですね。そのあとはLeinaの「核」を表現しようと思っていて、今そこに突き当たっているんですよね。何を書くべきで、何がLeinaの核になるんだろうって。なんとなく見えている情景はあるんですけど、それをどう楽曲に落とし込もうかなって思っています。
◾️リリース情報
「medicine」
https://lnk.to/leina_medicine
「恋に落ちるのは簡単で - demo」
https://lnk.to/leina_KoiNiOchirunowa
「猫みたいな彼女 - demo」
https://lnk.to/leina_NekoMitainaKanojyo
『愛の産声、哀の鳴き声』
https://lnk.to/aino_leina
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